2016年04月28日

僕だけがいない街

 仕事場の方に「『僕街』、よかったよ!」と教えてもらった。
 「あぁ、予告を(何回も)見てミッチーが気になってたんですよ〜」と答えたら「ミッチー、いい味出してたで!」ということなので・・・原作本1〜7も借りてしまい(最終巻はそのときまだ出ていなかった)、これはマンガを読むのが先か映画を観るのが先か?、と昔の角川映画のコピーのように悩んでしまい、でも原作を先に読んじゃうと絶対映画のほうが語り足りてないと思うに違いない!、と例のごとく思い、先に映画に行くことにした。
 やっぱりミッチー、気になるし。 そして主演はマンガ原作作品のレジェンド役者・藤原竜也だし(どういう安心感?)。
 タイムリープものはSFでも傑作が多い。 それにミステリが絡むとなると、あたしのような「どっちも好きです!」、なタイプにとっては大変こたえられない物語か、「なんじゃこりゃ」なレベルかどっちかになる可能性が高い。 原作マンガの評判は高いことは知っていたけど、手を出さなかったのはそれが怖かったから(そしてこれまで読んだことのないマンガ家さんだったから、絵やコマ割りに不安があった)。 でも貸していただけるならありがたいですし、映画は映画で別物ですから。

  僕だけがいない街p.jpg あの日をもう一度生きることができたなら、今度は手を離さない。

 売れない漫画家の藤沼悟(藤原竜也)は、売れないが故に宅配ピザ屋でバイトをしている。 ある日、配達中に何度も時間が巻き戻る、彼が命名するところの<リバイバル現象>に巻き込まれる。 何かが起きるその原因を突き詰めて回避するまで<リバイバル>は繰り返され、そしてそれは彼にしかわからない。 何度かの繰り返しのあと、暴走するトラックが信号待ちの小学生につっこむことを確信した彼は小学生を移動させ、ギリギリまでトラックの運転手の運転席側のドアを叩き続けるが、対向車と接触してバイクごと吹っ飛び、入院。
 事故を目撃していたバイト仲間の片桐愛梨(有村架純)によれば、悟の母親・佐知子(石田ゆり子)が田舎から出てきているらしい。 悟にとっては久々の、若干決まりが悪い母との再会だったが、それが過去の事件を掘り起こすきっかけになってしまい、また事件が起こる・・・という話。
 いろいろと・・・「え、ちょっとその展開、無茶(無謀)過ぎない?」と言いたくなるところが何ヶ所か・・・。 たとえば「そこで逃げる必要ないですよね、目撃者として証言すれば」とか(なのに自分が疑われると先走って逃走)。 それだと日本の警察が無茶苦茶無能ということになるんですが。 それでも藤原竜也の勢いで、“些細な違和感”におしこめておけちゃうのがすごいけど。

  僕だけが1.jpg まぁ、おしこめ切れてない部分もあるんですけどね・・・それでも年下バイト仲間女子に「悟さんを信じます!」と普通に言わせる存在感はすごい(一歩間違ったら自意識過剰のちょっとおかしい人だよ)。

 しかしこの映画のいちばんの見所は、リバイバルされた子供時代(18年前)である!
 そもそも、“現在の自分”のまま小学生に戻ったサトルはまさに<リアル名探偵コナン:見た目は子供・頭脳は大人>。 もっといろいろ考えるだけじゃなくてできるんじゃないのか!、と思ってしまうのはいけないことでしょうか(特にありえない大失態を平然とやってしまうのに至っては開いた口がふさがらない。 リバイバル中に自分に何も起こらないわけないことはバイト中の事故で体験済みのはず!)。
 そんなご都合展開はあれど、親に虐待されている少女・雛月加代役の鈴木梨央ちゃんの名演技、かたくなで希望を見失いつつ、それでもつい探してしまってそんな自分に失望する、というような痛々しいけれども違う意味で強い少女の姿に「うっ!」っとなりました。

  僕だけが2.jpg ほんと、子供時代パートというか、子供たちの演技にものすごく助けられました。

 サトル君(中川翼)も、回想シーンでの彼と大人の自分が入ってからの彼は顔つきが違う。 それは才能なのか、厳しい演技指導の賜物なのかはわからないけれど、子供たちの存在でこの映画は見所ができましたよ!(その分、大人の俳優たちの演出に手が回り切れてないような感じがしないでもないけどね)。
 ミッチーは予告で感じた通りの役だった・・・そこはもっと意外性を!(いや、あれが意外性だったのか?)

  僕だけが3.jpg うーむ、あんまり新境地って感じではなかったのが個人的には残念でした。 母親が石田ゆり子は若すぎだろ!、と思ったけど回想シーンのためだったのですね。 彼女は意外とよかったです。

 そもそも<リバイバル>とはなんなのか、何故悟にだけその現象が起こるのかの説明は一切ないんだけれど・・・多分、当時の大人たちによって記憶が封印された同年代の少年少女連続殺人事件をくいとめられなかった後悔が、無意識下でなんらかの力を発揮してしまったのかもしれない(他の同級生たちに起こらず、彼にだけ発生するのはマンガ家をやるだけあって悟の想像力や妄想力は人より強いから?)。 でも結局、過去の自分と向き合えていないから心に響く作品が描けない・売れないってことなんですよね。
 まぁ、それを言っては野暮なのかもしれないですが・・・。
 誰しもが大人になると忘れかける・記憶の奥にしまい込む子供時代の出来事を追体験、という発想は悪くない。 でもあたしは細かいことを結構覚えてるんで、たとえ中身が今の自分のままでも子供時代をもう一度やり直すのはご免蒙りたい。
 でも、もしあたしが大人の対応をしたら何かが変わっただろうか。
 いや、そもそもあの人たちとまた会ったり会話するなんてやっぱりごめんだ。
 自分の子供時代のイヤなことが蘇ってきてしまいましたよ・・・。

ラベル:映画館 日本映画
posted by かしこん at 23:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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