2016年02月19日

ブラック・スキャンダル/BLACK MASS

 予告編は何回か映画館で観ていて・・・でもどこにもチラシが置いていない!
 上映予定のある映画館3つ回ったのに置いてないってどういうこと!? というわけで前情報はいつも以上になく、予告編からのイメージは「スラム街で育った3人の幼馴染がそれぞれ別々の道を歩み、大人になったところで再会。 ギャングのボス・FBI捜査官・上院議員となった3人はそれぞれの地位をうまく利用して協力し合えればなんでもできると考え・・・」といういささかダークなピカレスクロマンぽいものだった。
 が、実際は全然違った。
 久々に遭遇してしまった予告編詐欺。
 ていうか、サウスボストン暗黒史じゃん! そうだとわかっていれば心構えが違って、また別にちゃんと楽しめたものを・・・。

  ブラックスキャンダルP.jpg 暴かれる! FBI史上もっとも黒い闇

 舞台は1970年代のサウスボストン。 アイルランド系マフィアのボスとしてこの地区を牛耳るジェームズ・“ホワイティ”・バルジャー(ジョニー・デップ)に、かつての幼馴染であり現在はFBI捜査官であるジョン・コナリー(ジョエル・エドガートン)が連絡してくる。
 コナリーはバルジャーにFBIの協力者になることを提案し、サウスボストンにじわじわと手を広げてくるイタリア系マフィアを壊滅させようと目論んでいた。 目的は同じでFBIのお墨付きを得たバルジャーはますます残忍かつ強引な手法でサウスボストンを裏で支配、得た莫大な利益でIRAを支援するまでに。 上院議員でバルジャーの弟(ベネディクト・カンバーバッチ)は兄の仕事は知っているが、家族として付き合いはあっても、それ以上のことには首を突っ込まないようにしていた。 彼には彼の目標があったから。

  ブラックスキャンダル4.jpg 老いた母親を心配する兄弟、という立場を崩さず、この二人のシーンでは兄は唯一普通っぽいのであった。
 そんなわけで、ベネカンさんは別にあくどい意図など全然持っていないし(むしろサウスボストンのために頑張っている)、コナリーくんに至ってはスタンドプレーではなくてFBIの上層部にきちんと許可を取っている(最後まで反対した上司がケヴィン・ベーコンだったのでちょっと笑ってしまった)。 全然「3人だけの悪だくみ」じゃないし!
 だからこっちの予測よりもベネディクト・カンバーバッチの出番はずっと少ないし(残念!)、とりあえずジェームズ・バルジャーの底冷えのするような残忍さがひたすら浮き彫りとなる映画であった。

  ブラックスキャンダル1.jpg その頭はヅラなのか抜いたのか。 突然激昂するかと思えば、前振りもなくいきなり表情も変えずに人を殺したり。 奥さん(ダコタ・ジョンソン)ですら彼が恐ろしくて泣く、という場面にも説得力が。
 「ジョニー・デップ、最高の演技!」とか何かに書かれていたような気がするが、同じく実録ギャングものだった『パブリック・エネミーズ』に比べたら義賊っぽさもないし、そもそも若々しくないし、悪の道(と本人がどこまで思っているかどうかわからないけど)を進んで進んで、後戻りする気などなし!、という決意が淡々としみ出ているというか・・・彼にとってはもしかしたら人生に選択肢などなかったのかも、と思わされたり。

  ブラックスキャンダル3.jpg 強面のみなさん、お揃いで。
 そして、どうやらギャングの方々やFBI末端の捜査官役の俳優さんは「実在の方々」に似ていることが前提でキャスティングされたみたいで・・・(エンドロールで当時の証拠写真が次々流れるので、誰が誰なのかなんとなくわかる)、脇役・おじさん好きなあたしとしては見覚えのある方多数のニヤニヤキャスティングでしたが、ジョニー・デップ目当てで来た方々には肩すかしにもほどがある華のない地味キャスト揃いと思われたかも(汗)。
 日本語だと“スキャンダル”という言葉にもなんだか華やかさが伴うけど、全然そういう内容じゃないからな・・・。 ある意味、リアルな『仁義なき戦い』でしたよ。

ラベル:外国映画 映画館
posted by かしこん at 23:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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