2016年01月30日

王妃マルゴ 4/萩尾望都

 『王妃マルゴ』もいつの間にやら4冊目。 一年に一冊出るかどうかのペースだから、1巻目が出てからもう3年ぐらいになるのか、ということに驚く。 作中では、もっと時間が流れているので特に違和感はないのですが。

  王妃マルゴ04.jpg 今回の表紙はアンジュー公アンリですかね。 <愛蔵版コミックス>という分類のため、価格は少々お高いですがカバーの手ざわりや発色は素晴らしいものが。

 “萩尾望都、初の歴史物!”、というふれこみで始まったこの物語、実際は「こんなにも自分が“女”であることに疑いをもたず、本能のままに行動するヒロインがこれまでの萩尾望都作品にいただろうか!」というほうが長年の読者としては驚きで、マルゴという人物をとてもハラハラしながら見てきたのですが、<運命の恋>に目覚めてからの彼女は一途な萩尾キャラらしくなり、しかし歴史の流れはその一途さを許さず、昔からのテーマである<母と娘>についてが際立って浮かび上がってくる仕掛け。
 でもそのために“歴史”を背景としてただ借りてきたわけではなく、歴史の流れそのものもきっちりと過不足なく描き出す。 このバランス感覚、さすがです。
 ちょうど『サラディナーサ』(これはスペインがメイン)で描かれていたほぼ同じ時代、フランスではどうだったのかがこれを読んでわかる!、というあたしのような世界史音痴にも大変ありがたい作品です。 カトリックとプロテスタントとの対立がだんだん明白になっていくところも非常に今日的というか。
 マルゴをめぐる3人のアンリのうち、あたしはナヴァルのアンリが結構好きなんだけど・・・悲劇の予感で幕を閉じてしまった。
 あぁ、早く続きを!

ラベル:新刊 マンガ
posted by かしこん at 23:59| Comment(0) | TrackBack(0) | ☆ 読んじゃいました | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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