2016年01月16日

失踪/ドン・ウィンズロウ

 そんなわけで、イベント会場まで電車で移動があったため、まとまった時間があっていつもより集中して本を読むことができた。 おかげで、こちらを読了。 430ページ強というほどよい量とシンプルなプロット故、思いのほか早く読み終われました。

  ドンウィンズロウ失踪.jpg シリーズ物でもなかったしね。

 舞台はアメリカ中西部のネブラスカ州リンカーン市。 ある日突然、5歳の少女ヘイリー・ハンセンが行方不明になる。 担当刑事のフランク・デッカーはヘイリーの母親に彼女を必ず見つけ出すと約束するが、捜査関係者をあざ笑うようにもう一人の少女がいなくなる。
 ヘイリーを見つけ出せないまま事件の幕引きをすることにどうしても折り合えないデッカーは職を辞し、わずかな手掛かりを頼りにヘイリーを探して国内を探しまわり、ついにNYに辿り着いたが・・・という話。
 デッカーの一人称なので余計読みやすかったということもあるかも。
 テンポのよい、反復と省略を効果的に使った文体も心地よく、デッカーの皮肉過ぎず、乾ききっていない穏やかなユーモア精神と相まって、次第に暴かれていく事件の内容はひどいものなのだけれど、読者としてそこまで陰惨な気分にならずにいられた。
 そう、たとえるならばデッカーは『ストリート・キッズ』のニール・ケアリーがもしコメディ路線に行かず、最愛の彼女とも出会わず、“おやじさん”とも早くに別れることになったらこんな人になったのではないだろうか、というような<面影>を読みとってしまったので、余計にそう思ったのかもしれない。 デッカーを主役にシリーズ化してほしい気もするけど、そうすると彼がまたつらい目に遭うのか・・・と思うと躊躇する。
 イタリアン・マフィアのボスが登場しても昔堅気の仁義を大事にする人だったりと、善悪を白黒で分けないのもまたウィンズロウ的であり、そこに救われてしまうという複雑な心境もありで、あっさりテイストでありながらも(それでもツイスト要素もちゃんとあります)十分に満足できました。

ラベル:海外ミステリ
posted by かしこん at 20:16| Comment(0) | TrackBack(0) | ☆ 読んじゃいました | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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