2015年11月05日

DUST ダスト/ヒュー・ハウイー

 <サイロ三部作>、ついに完結。 というか、読み終えた。
 思ったほど・・・重たくなかったというか、そんなに長く感じなかったというか(一冊でもっと長いものを読み慣れてしまっているからかもしれません)、“ポスト・アポカリプスもの”としても、たとえばコーマック・マッカーシーの『ザ・ロード』とか、懐かしいところで言えばロバート・R・マキャモンの『スワン・ソング』や、もっといえばスティーヴン・キングの『ザ・スタンド』でもいいです。 総じて、人類滅亡後の荒廃した世界で生き残った者たちがもがき苦しみ、争い、全体的にどうにもならない絶望に支配された物語でした。 希望があるとしても、ほんのわずかだったり、ラストまでギリギリ出し惜しみされるかのような。
 それはそれで味(?)があるんですけどね。

  ダスト1.jpgダスト2.jpg でも、<サイロ三部作>はそれらとは雰囲気が少々違っている。

 人類滅亡後の世界、というのは共通していても、生き残った人々が<サイロ>と呼ばれる地下の建物の中で暮らしていて、それなりに社会的営みが成立している(文化度は低いが)という点で、まず「目先の食糧のために殺すか殺されるか」という危険はあまりない(とはいえ、ちょっとバランスが崩れれば略奪に走ったりするのはアメリカ的にお約束)。 争いで沢山の人が死んだりもするけれども、視点人物が全貌を見ることを拒否したりしてあまり残虐な描写がない、というのもポイントかと。
 ラスト近くに素敵な文章があった。

   説明しようとして、ジュリエットは言葉に詰まった。この世界は広大で、無限の可能性を秘め、なぜか
  ジュリエットの胸を絶望ではなく希望で満たしてくれる。
   だがその広さは感覚でしかわからず、なかなか言葉にできない。

 技術者である彼女が理屈や仕組みではなく“感覚”を認めたこと。 それが彼女の成長であり、希望のはじまりなのかもしれない。
 ラストシーンで、二人が飲んでいる<お茶のようなもの>とはなにかのハーブティーだろうか、それともフレーバーティー? コーヒーだったら「色が黒い」的描写があってもいいはずだし・・・気になる〜。

ラベル:SF
posted by かしこん at 02:25| Comment(0) | TrackBack(1) | ☆ 読んじゃいました | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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『ダスト〈上〉〈下〉』 ヒュー・ハウイー(著), 雨海弘美(翻訳)
Excerpt: アメリカの作家「ヒュー・ハウイー」の長篇SF作品『ダスト(原題:Dust)』を読みました。 [ダスト(原題:Dust)] 2年前に読んだ『ウール』、先月に読んだ『シフト』続篇となる作品です。 --..
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