2015年10月22日

ボリショイ・バビロン 華麗なるバレエの舞台裏/BOLSHOI BABYLON

 バレエをあたし自身は体験したことはないが(あれ?、幼稚園のときトゥシューズはいたことがあるような・・・でもまぁ、お遊戯の延長といったところか)。 だからあたしのバレエ体験は数々の少女マンガということになる。 なのでリアルに舞台を観るよりは、映像作品(たとえば『ブラックスワン』とか)やドキュメンタリーがなんだか好きなんですよね。
 でもボリショイ・バレエ団にそんなスキャンダルがあったとは知らなかったので、「これは是非観たい!」と思ったわけです。

  ボリショイバビロンP.jpg すべては、栄光のステージのために――
   世界を震撼させた事件から2年、ロシアの至宝、ボリショイ・バレエが初めて秘密の扉を開く

 長い歴史と伝統を誇る、“世界トップクラスのバレエ団”、それがロシアのボリショイ・バレエ。 バレエ・ダンサーを目指す世界中の多くの人々がここに憧れ、団員になりたいと願う。 そして団員になったなら、その中でもトップを目指したいと願う、まさに実力主義を絵にかいたような戦いの構図はあれど、しかし目指すものは芸術・至上の美。
 だが2013年1月、ボリショイ・バレエ団のスター・ダンサー出身で芸術監督に就任したセルゲイ・フィーリンが何者かに襲われ、頭から硫酸をかけられるというショッキングな事件が起こる。 いったいボリショイ・バレエに何があったのか? それを追いかける映画・・・なのかと思ったのだが。

  ボリショイバビロン1.jpg しかし多く時間を割かれるのはボリショイ・バレエの伝統と歴史について。
 それはそれでいいんですけど、バレエに人生をかける人々の姿と、事件についてと、時間軸バラバラに語られるので事件がメインじゃないのかい?!、という気になってしまったり。 もしかして有名な事件だから犯人について知っているのが前提のつくり?
 犯人について言及されるまでいろいろぐるぐる回っていて(ダンサーの方々へのインタビューが、真相を知ったあとで事件すぐのことを回想しているからすごく思わせぶりというかもったいぶって見えてしまうのも原因か)、何も知らないあたしは少々イライラ。
 芸術の世界が美を表現するものであってもその裏側もまた美しいと信じるほどあたしは愚かではないし、つくりだされるものが美しければ美しいほど、その背景には醜さが露呈するのかもしれないとすら思う。 それ故に芸術に生きる人々は常識では測れない世界に生きていかなければいけないし、それに耐えられる人でなければ大成しないのかもしれない(汚れなきままでいることも才能)。
 犯人が現役の将来有望なダンサーとわかってからは、映画は一気に陰謀劇というか劇場に巣くう魔に操られてしまった人間の愚かしさ、芸術の世界に政治を持ちこんでしまう人間のどうしようもなさにせまりはするんだけれど、なんだかいまいち盛り上がらない・・・。

  ボリショイバビロン2.jpg 監督にバレエ愛が足りないのか?
 ダンサーの方々のインタビュー、特に再起をかける方々のコメントには胸を打たれる。ボリショイを愛するが故に誇りを持って立て直したいという気持ち、自分がダンサーとしてもっと向上したいという強い思い。
 音楽が心地いいだけに、ステージシーンの編集が残念なのかしら。
 いまひとつ食い足りない感が・・・。
 でもひとつ実感したのは、自分にはない一生懸命さにあたしは大変弱い、ということだ。

posted by かしこん at 23:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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