2016年09月29日

さよなら、人類/EN DUVA SATT PA EN GREN OCH FUNDERADE PA TILLVARON

 原題長すぎる! スウェーデン語では“EN DUVA SATT PA EN GREN OCHFUNDERADE PA TILLVARON”、英語タイトルは“A PIGEON SAT ON ABRANCH REFLECTING ON EXISTENCE”です。
 でも『さよなら、人類』はなかなかの意訳かと。
 なにしろシティボーイズのコントが好きなものですから、ナンセンスコント大好きです。
 でも<ナンセンス>とは実はものすごくセンスが問われるもの、なんでもありじゃない、ということをわかっていないで<ナンセンス>を名乗るやつがいる!
 泣かせるより笑わせる方が難しい、ということを世の中の人はもっと理解してほしい(大袈裟でエラそうですみません)。 だから一歩間違えれば「ナンセンスは難解」という評価にもつながってしまうのかもしれないのだけれど・・・モダンアートと一緒で、「難しいのではなくて自分にピンと来るかどうか」なんですよね。 理由は特にいらないのです。

  さよなら人類P.jpg じゃあ、また明日。
     さすらいのセールスマン サムとヨナタンは、今日も途方に暮れる・・・。

 カメラは定点、ワンシーンワンカットのショートコントの積み重ねが続き、「え、いつまでこれ続くの?」と思ったあたりで前のシーンとちょっとした繋がりが見えてきて、「おっ!!」となってしまうのは、三木聡時代のシティボーイズライブを思い出してしまうからでしょうか。 定点撮影なのも舞台を観ているような気持ちになるし(でも計算されつくした構図なので絵画が動いているようにも見える)、映画を観ているというよりもモダンアートのインスタレーションを観ている感じに近い、かもしれない(でもインスタよりは娯楽性はあるか・・・中間な感じ?)。

  さよなら人類1.jpg 役者さんの表情がよく見えないのも舞台を観ているっぽい。 部屋の壁はすべてペールトーンなれど場所によってアイボリーからグレーまで幅広いのが面白かった。

 時代遅れなお笑いグッズを売り歩いているサラリーマン、サム(ニルス・ヴェストブロム)とヨナタン(ホルゲル・アンデション)が主役のように見えるポスター&コピーですが、数多くいる登場人物たちの一角を担っているにすぎない(出番の割合は確かに多いですが)。
 それと、これは日本人だから楽しめるポイントとして、生気のないおじさんの名前が「ヨナタン」ってのが妙にかわいくて笑ってしまいます(スウェーデン的にはありがちな名前だともわかってますが。 マルタンとかいるしね)。 だから主役扱いなのかなぁ。

  さよなら人類4.jpg 電話にまつわるシーンも何度も。
    どういう関係かは不明だが「元気でよかったわ」を繰り返すパターンと、待っているのに携帯にメッセージが一件もないといわれるパターンと。

 日の光が薄いのと同様に、そのナンセンスさ加減が描く人間讃歌もかなりクールなまなざしで、途中は人間讃歌なのかもあやうい(恐ろしく残酷だったり、とてつもなくダメだったりする人間だけど、という前提かなぁと思ったけど)。
 これが全部アナログ撮影だというのもすごい。
 さすが、スウェーデンの鬼才ロイ・アンダーソンと呼ばれるだけのことはある(あたしは今回初めて知りましたが、イギリスジャーナリズムはモンティ・パイソンと並び評していたし)。
 中盤あたりで「うっ、いつまで続くんだこれは」とちょっと思ったけれど、それを乗り越えたら序盤以上にすごく面白くなってきた。
 やっぱり、映画というよりも不思議な体験だったかも。

ラベル:映画館 外国映画
posted by かしこん at 20:14| Comment(2) | TrackBack(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
かしこんさん、こんばんは<br>
<br>
遅ればせながら、「偽りに楽園」をやっと読み終わり、昨日「新世界」を買い込み読み始めたところです。<br>
<br>
いつもながら楽しませていただいています。
Posted by sailor at 2016年12月04日 13:16
sailorさま<br>
<br>
こんばんは。<br>
いえ、私はまだ『偽りの楽園』に手をつける余裕がありませんで、<br>
紹介しておきながらなんだか申し訳ないです。<br>
<br>
いかがでしたか?<br>
もしお気に召したら、トム・ロブ・スミスの<レオ三部作>も<br>
よろしかったら(ある程度ブームは過ぎたので図書館ですぐ<br>
借りられるかと)。<br>
三作目『エージェント6』が圧巻ですが、それを十二分に<br>
楽しむためには『チャイルド44』・『グラーグ57』と<br>
読み継いでいくほうが絶対に面白いです。<br>
『新世界』はまたちょっと傾向が変わりますが、楽しんで<br>
いただければ幸いです。
Posted by かしこん at 2016年12月04日 13:16
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック