2015年07月25日

助手席のチェット/スペンサー・クイン

 犬つながり(?)で、『助手席のチェット』読み終わる(近々続編も文庫化されるので先に読んどけ、という思惑も働いて)。 先日読んだ『容疑者』のマギーに比べ、チェットはオスなので、なんというかハンドラー(チェットの場合は相棒である探偵のバーニー)への忠誠心というか集中力というか、若干劣りがち。でもそれは物語の質が違うからなんですけどね(『容疑者』のシリアス度合いに比べ、こっちのシリーズはユーモアミステリ、もしくは児童文学・YA寄りな感じが。 文庫化前のタイトルが『ぼくの名はチェット』だったのもそれっぽい)。

  01助手席のチェット.jpeg この表紙絵もなんか好き。

 元刑事で現在は私立探偵(正規資格あり)のバーニー・リトルは、警察犬訓練所をとある事情で優秀な成績で卒業しそこねた大型犬チェットとともに、ラスヴェガス周辺の町で<リトル探偵事務所>を開業中。 失踪人探しがお得意のこのコンビのもとに、高校生の娘が行方不明になったと母親から依頼が入るのが物語のはじまり。
 全編チェット視点で進むこの物語は、人間の会話の肝心なところを目の前に落ちているおいしい食べ物や不意に出会う同類たちにさえぎられ、チェットが認識しないことがある、という勿体のつけ方があり、このあたりを楽しめるかどうかでこのシリーズを気に入るか否かが決まる、といっても過言ではないかも。
 だからこそ、“犬好き必読”なのでしょう。 あたしが犬を飼っていたのは(正確に言うならば、家に犬がいたのは)幼稚園ぐらいの一年未満なので、犬の詳細な生態にはまったく詳しくないのですが、あぁ、犬ってこんなことを考えているのかしら?、と思うととても楽しい。
 動物の擬人化ってやりすぎるとあざといけど、これはいいバランスかも。 人の言葉はわかるけど比喩表現が理解できないとか、遊びに夢中になって意識が飛んじゃうとか(「え、ぼく何かしてた?」としらばっくれているわけではなく完全に記憶に残っていないところがかわいらしい)。
 前半ではチェットが巻き込まれてしまった冒険を、後半では心ではつながりつつも会話が成立しないが故にチェットの足跡を探るバーニーの(そしてそれを手伝うチェットの)活躍、という配分で、同じルートを二回通っているので推理物としてのドキドキ感は少々薄らぐけど、その分チェットとバーニーへの愛着は増すという・・・シリーズ化前提で書かれたのかな?、という気がするほど。 なるほど、犬を飼っている人は思い当たる節あるあるだろうし、飼っていない者は飼いたくなってしまうかも・・・。 でもこの感じは大型犬ならではという気もするので、広い家じゃないと無理よね〜、とあたしはまた挫折する。

ラベル:海外ミステリ
posted by かしこん at 19:42| Comment(0) | TrackBack(0) | ☆ 読んじゃいました | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック