化学を愛する天才少女、フレーヴィア・ド・ルースシリーズの4作目。
1作目と同様に彼女は11歳なので、1・2ヶ月毎に事件が起きてる計算に・・・次作からは12歳になるんだろうか? それとも彼女は永遠に11歳で、その一年間の中で事件に遭遇し続けるんだろうか。 確かめるために、次も読まなければ。 そういう気になってきました。
「サンタなんかいるわけないじゃない」といういじわるな二人の姉を見返してやるために、フレーヴィアは特別製のとりもちをつくって(それも化学の産物!)サンタを捕獲しようと計画中。 それでなくともクリスマスシーズンは気持ちが浮かれがち。
ところがド・ルース家の財政状態は1作目からやんわり触れられていたものの、かなり危機的になってきたご様子で、変化を好まないフレーヴィアの父が屋敷を映画撮影のロケ地として貸し出すことに。 冬のバックショー荘には沢山の、思いもかけないお客さんたちが集まってきて・・・という話。
さすがに4作目となってくると、「あ、今回はこの人が殺されるのね」とわかってきますね。
でもこのシリーズの面白さは「誰が殺されるか」という意外性ではなくて、真相に辿り着くまでのフレーヴィアの過程(勿論、ドガーの絶妙なサポートつき)と、レギュラーメンバーのやりとりにあるわけで。 1950年が舞台というのも、11歳が探偵として動き回れる魅力があるし。
それにしても、今は亡きフレーヴィアの母親・ハリエットについての謎がどんどんクローズアップされてくる。 これはほんとに謎があるのか、フレーヴィアが成長するにつれて感じることが多くなったためかどちらだろう。
でもドガーの能力(元医者か衛生兵だったとか?)やフェリシティおばさんのどこまでが本気かわからない言動・・・もしかして、このシリーズのいちばんの謎はド・ルース家に秘められているのかしら?
ラベル:海外ミステリ