2014年07月24日

春を背負って

 個人的に、木村大作さんが大好きです(職人気質の頑固おやじ、な要素が完全にあたしのツボです)。 だから新作も楽しみにしていたんですが・・・予告の段階で「これは・・・やばいかも」という予感が。 時代モノのほうがいいのに、現代劇だと昭和の演出が目立っちゃうよ〜。
 冒頭、主人公の少年時代の回想シーンで、「え、そんな子役をマジでそんな山に登らせたのか!」と驚愕してしまって、「大作さん・・・どこまでやるのですか」という視点でこの映画を見てしまったことをまずお詫びします。 おかげでストーリーが結構どうでもよくなってしまったぞ。

  春を背負ってP.jpg 標高3000m ―― 悠久の大自然に描かれる、“家族”の物語。

 舞台は立山連峰。 麓で旅館を経営する母(壇ふみ)・3000m山小屋を運営する父(小林薫)とともに暮らしてきた長嶺亨(松山ケンイチ)は、特に厳しい父親に反発を覚え、東京に出て生き馬の目を抜く証券業界で確実に実績をあげていた。 しかし、そこに父の訃報が届く。 その葬式で、父が山仲間に慕われていたことを知り、山小屋の重要性にも改めて気付き、亨は山小屋を継ぐ決心をするのだった、という話。
 松山ケンイチがバリバリの証券マンに見えない、というのを差し引いても、相変わらず大作さんは役者陣にあんまり演技つけてないな・・・というのがわかる。 蒼井優の笑顔は全開すぎだし(そこで浮世離れ感が出てしまうというか、彼女の役の設定を思えば無理して笑っているのかとも思えてしまう。 70%ぐらいの笑顔でちょうどよかった気がするんだけど)。
 その分、映像にはこだわっていたというか、確かに立山連峰をめぐる四季の描写は美しいです。 エヴェレストを越えていくツルの話が出たときには、その映像を向こうまで撮りに行ったのかと思って一瞬焦った(でも見たことある映像だったので、エンドロール見たらBBCから借りてきたらしい)。 このエピソードは『海街diary』にもありました。

  春を背負って6.jpg こういうショットはやはり、現地撮影ならではですね。

 亨の父に恩があるというゴロさん(豊川悦司)とのやりとりで、亨は人生を学び直していく・・・という話。 若干説教くさい部分はあるものの、まぁ、大作さんから<人生哲学をうかがう>と思えば許容範囲(これはファンだから言えることかも)。
 まぁそんな感じで、監督として撮りたい絵(画)の方に意識が行き過ぎてて物語としてのディテールが薄くなっている面もあるものの、まぁそこが大作さんの個性といえば個性なのですよね・・・。
 スローモーションの多様、やはり昭和的な演出にはつい失笑してしまうぐらいだったんだけど(すみません)、やはり原作選びが大事だなぁと実感。 同じ笹本稜平原作なら『還るべき場所』とか『未踏峰』とかのほうがサスペンスタッチで緊迫感もあってよかったのでは・・・(その分、撮影が更に大変になったかもしれませんが)。

  春を背負って1.jpg でもこの3人中心の、ほのぼの話が描きたかったのかな。

 大作さんにはお元気でいてほしいので、無理しない範囲で原作・脚本選びに力を入れていただきたいと思います(今回も自分の車で全国キャンペーンにまわったらしい。 神戸のスケジュール、確認しておけばよかった)。
 結局あたしは、あくまで木村大作のファンなのでした。

ラベル:日本映画 映画館
posted by かしこん at 04:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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