2014年07月19日

サード・パーソン/THIRD PERSON

 今更ですが、群像劇が好きです。
 なので『クラッシュ』のポール・ハギスが三都市を舞台に三組の男女を描く、というポスターを見て「おおっ!」と思ってしまうのは当然ですよね。

  サードパーソンP.jpg NY、ローマ、パリ。 3つの街、3組の男女。
  ポール・ハギスが仕掛ける、極上の愛のミステリー。

 パリのホテルで作品を執筆中の作家マイケル(リーアム・ニーソン)はピュリツァー賞をとった経歴の持ち主だが、現在スランプに陥っていた。 心を病んでいるらしき妻(キム・ベイシンガー)と電話で連絡を取りながらも、愛人のアンナ(オリヴィア・ワイルド)を呼び寄せる。 しかしアンナにも他に秘密の関係があった。
 ローマに出張で来たアメリカ人ビジネスマンのスコット(エイドリアン・ブロディ)は娘をさらわれたという美しい女(モラン・アティアス)とバーで知り合い、なんだかんだと娘を救出する手伝いをすることに。
 ニューヨークでは、元女優のジュリア(ミラ・クニス)がホテルで働いている。 かつて夫だったリック(ジェームズ・フランコ)と息子の親権を抗争中で裁判費用をかせぐためだが、仕事に振り回されて約束の時間と場所を守れない。

  サード・パーソン2.jpg ミラ・クニスは『ブラックスワン』のときとは正反対に、今度は追いつめられる役回り。 狂気がにじみそうな感じ、似合ってた。
 しかしわりとすぐに「あれ、これ、ほんとに3つの都市の物語か?」と気づく。
 3組の男女がいろんなところでリンクしている構成(誰かがシャツをはおったときに、別の誰かの着替えのシーンに切り替わったり、水が引き金になるシーンがより印象的)は最初からあったけど、物理的にも交差してないか?
 いかにもわかりやすく散りばめられたパズルのピース、組み立てるまでもなく浮かび上がる大きな流れ。 ひとりひとりの登場人物の叫びが強くこだますればするほど、ラストシーンへ至るむなしさが<表現者という人種の業の深さ>を物語る。
 でもそれをものすごく美しく描いてしまっている、ということにもまた業の深さを感じたり。

  サードパーソン1.jpg 最初は、「なんでおバカなツンデレカップルの戯言に付き合わねばならんの?」という気持ちで見てしまってましたが・・・。 とりあえず、オリビア・ワイルド、綺麗です。
 ミステリーといえば確かにミステリーなんだけど・・・サイコスリラーの要素も色濃い。 スランプ状態の作家は、実はそのままポール・ハギスの姿なのでは?、と思ってしまった。
 “Third Person”とは、“第三者”という意味の他に、“三人称”というのもある。
 やっぱりそれだったのか・・・技巧的な面が目立ちすぎるきらいはあれど、俳優陣が熱演なので、こちらも心を揺さぶられました。

posted by かしこん at 14:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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