いろいろと悩んでいたというか、どうしようか・踏み込もうか先に進もうか、あえて
撤退しようかとかいろいろ考えていたのですが結果が出ず・・・まだ気持ちの整理が
まったくついていなかったことにも自分でびっくり。
『グイン・サーガ』の話です。
作者・栗本薫の死去により130巻『見知らぬ明日』の途中で途絶えてしまった
物語を、語り継いでいこうというプロジェクトが始まったことは知っていて、番外編的な
ものを一般公募していたり、外伝をいろいろな人が書いたり、結局正伝を二人の作家が
別方向から先を続けていくことになった過程もある程度知ってました。 でもそれを、
読む気にはなれなかった。
「あぁ、『グイン』は終わった」と、一度あたしはそう思ってしまったからかもしれない。
しかし、132巻の表紙のグインの絵を見て・・・「あぁ、グインの子供が生まれたあとは
どうなったんだろう。 ケイロニアはいかに?」と思いを馳せてしまった。
そして今月、133巻が出て・・・それは『見知らぬ明日』の直接の続きになるというでは
ないですか。

なんだかパロに衝撃展開が待っているようなんですよね・・・。

この表紙のグインの姿に、なんかやられました。 あたし、やっぱりキャラクターと
してのグインが好きなんだわ。

えーっと・・・この真ん中の人、誰? もしかして、スカール?
そんなわけで3冊まとめ買いをしたはいいですが、まだ本文は一行も読んでおりません。
覚悟がないのか。
ただ、作者あとがきは読みまして・・・五代ゆうさんはある程度キャリアのある方らしく
(すみません、あたしは知らなかったのですが)、「栗本薫のコピーにはなれないし、
なる気もない。 自分にしか書けないものを目指すだけ」という作家としての矜持を
感じました(その覚悟、あたしは好きですが、あたしを含め栗本グインを愛する人々に
どこまで受け入れられるかが結構冒険だとは思うけど)。 自動書記型の作家という
ことで栗本薫と同じ体質だから決まったのかしら?
宵野ゆめさんは中島梓の弟子、ということなのでかなり正典へのリスペクト感が。
姿勢がちょっと違う二人を配したことでバランス感を取ろうとしているのか? とはいえ
<天狼プロダクション監修>なので『グイン・サーガ』編集者ががっちりサポートに
入るから、これまでの物語と大きな矛盾は生じないはず(ある意味、ドラマ『相棒』と
似た体制になったのかも)。
勿論、自分で作った物語ではなく、すでにある大長編の続きを書くということで準備が
大変であるということはわかるのですが、二人がかりでも栗本薫一人の書くペースに
遠く及ばない、という事実に愕然とする。 一年で5巻以上刊行する、ということに読者は
慣れ過ぎていてそれが当たり前だと思っていたけれど、そうじゃなかったんですね・・・。
ま、このお二人も自分のペースがつかめれば、早くなっていくのだと思いますが。
ハヤカワには<宇宙英雄ローダンシリーズ>という前例(オリジナルの作者のあとを
ついで、何人もの作家が続きを書いていて一向に終わる気配のない大長編。 そろそろ
500巻目前)があるからな・・・。
いや、グインにはそこまで続いてほしいとは思わないので、ある程度の主要登場人物
(それも結構な人数ですが)の顛末をあたしは知りたいだけですので。