2014年03月23日

死角 オーバールック/マイクル・コナリー

 何年か越しに読みかけていた(しかも40ページぐらいで)本を、ようやく読み終わる。
 イラストロジックと数独で固まった身体をほぐすために、お風呂の中で。 そしたらば、なんでこれを放り出していたんだろう?、と不思議なくらいにあっさり読み終われる本だったのでした。
 原著は2006年、日本版は2010年12月に発売。 そのときに購入していたのですが、そこからハリー・ボッシュシリーズを遡って読み始めたので、実際これに手をつけたのは2012年末。 なので3年越し・・・それを二時間ほどで読み終わるって、おい。

  死角オーバールック.jpg オーバールックとは、“展望台”と“見過ごし”というダブルミーニング。

 深夜にボッシュに連絡が入る。 ロスの展望台で、後頭部に二発撃ちこまれた男の死体が発見されたのだ。 ロス市警殺人事件特捜班に配属されての初仕事、早急に解決しようと気合を入れるボッシュだが、すぐにその場にFBI捜査官で過去に因縁のあるレイチェル・ウォリングがやってくる。 怨恨か処刑か、と思われた殺人だが、それはロスを大規模テロに巻き込みかねない内容だった・・・という話。
 シリーズ通常の半分の厚さ、章立ての短さも相まって読んでいてぐんぐんスピードアップ。 たたみかける会話もテンポがよすぎてそのまま英作文にできそうなほど(最近読んでいるのがイギリスが舞台の警察小説が多かったので、アメリカ英語の平易さをしみじみ感じた)。
 ボッシュにとって人生でいちばん長い十二時間、ということで<マイクル・コナリー版『24』>というコピーが本国ではついていたみたいです。 テロが題材になっているしね。
 本として出版するために加筆・訂正をしているとはいえ、章立ての短さ(で、章終わりが『ダ・ヴィンチ・コード』ばりに次に引っ張る感じ)はニューヨーク・タイムズ・マガジンに連載していたかららしい。 だから準レギュラーであるレイチェル・ウォリングが出てきても、特にボッシュの背負うものの多い人生に対して何らかの変化はない(だから、番外編というように位置づけられてしまうのだろう)。
 ただ、持ち出されて行方不明になった放射性物質が“セシウム”であるということが、今の日本人にとってはグサグサ刺さるポイントでありました。
 それにしても、ハリーの融通の利かなさというか縄張り意識の強さのようなものが(ロス市警とFBIがどんだけ仲悪いか知らないけど)、だんだんめんどくさくなってきた・・・。
 事件を解決したいのではなくて、“おれの事件を解決したい”意識が強すぎる。
 こんな人と一緒に仕事はしたくないかも・・・小説の中の人物で、よかったです。

ラベル:海外ミステリ
posted by かしこん at 23:59| Comment(0) | TrackBack(0) | ☆ 読んじゃいました | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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