2014年02月16日

メイジーの瞳/WHAT MAISIE KNEW



 少女が主役、という映画にも弱い。 それは図々しくもあたしの中にはまだ少女がいる



からだ。 繊細で傷つきやすく、我儘を言うことに罪悪感を覚え、つねに周囲の大人の



顔色をうかがってよい子でいなければならなかった少女が。



 予告で見たメイジーもまた、よい子であることを期待されている少女だった(本人が



意識しているかしていないかは別として)。 がっちり胸倉を掴まれたあたしは、久し振りに



前売券を買ったのであった(生地の薄いエコバッグがついてきました)。



 『キッズ・オールライト』の製作スタッフが描くヒューマンドラマ>ということも



あり、ジュリアン・ムーアが出演していることも後押し。



   愛が何か見えているのは、君の瞳だけ。



 舞台はニューヨーク。 6歳のメイジー(オタナ・アプリール)は、パパもママも大好き。



でもパパ:ビール(スティーヴ・クーガン)は美術商で、メインのオフィスがロンドンにあるのか



たいてい出張中、もしくは仕事。 ママ:スザンナ(ジュリアン・ムーア)は現役のロックスター、



スタジオにこもったり長期ツアーに出たりもする。 パパとママのケンカは日常茶飯事だが、



ついに二人は離婚することに。



 共同親権という決まりのため、メイジーはパパの家とママの家を10日交替で行ったり



来たりすることに。 でもお互い自由人である両親はそんな決まりを守りきれるはずもなく、



ナニーであったマーゴ(ジョアンナ・ヴァンダーハム)が何故かパパと一緒に住んでいたり、



それを知ったママが不機嫌になったり、世界はメイジーの理解を飛び越えて変わっていく。



   メイジーはいつも、どこかさびしげ。

     でも着ている服や持ち物などはかわいい! お金には困ってないから。



 この映画が秀逸なのは、メイジー目線を崩さないこと。 大人同士のごたごたがあったで



あろうことは想像できるが、メイジーが知らなかったことは省略されるので「えっ、急に!」と



観客側もメイジーの戸惑いに共感できるところ。



 両親はそれぞれ自分勝手ではあるものの、<メイジーを愛している>という気持ちはある、



というのがまだ救い(虐待方向につながらないので)。 6歳で大人になることを要求されて



いるメイジーと比べると、パパとママは哀しいほどに子供。



   子供の前で口汚く罵り合うなよ・・・



 ナニーのマーゴはパパと正式に結婚したので継母になり、どちらかがお迎えに来ていない



ときは真っ先に呼び出される(結構前から夫婦喧嘩を間近で見ていたにもかかわらず、



マーゴがビールと結婚したのは謎。 ビールの言い訳を真実と受け取ってしまったか、



マーゴも若い)。 当てつけのようにスザンヌはバーテンダーのリンカーン(アレクサンダー・



スカルスガルド)と結婚し、メイジーの世話を手助けさせるつもり。



 でもリンカーンとメイジーが心を通わせるようになったら「娘におべっかまで使って、魂胆は



わかっているのよ」みたいなことを言う・・・。 ママ、不器用にもほどがあるぜ(しかしそんな



役柄を熱演してしまうジュリアン・ムーアはすごいです)。



   メイジーの着ているおとと模様のワンピース、

     かわいい! 大人用にその生地で8分袖のチュニックつくってください!



 親が子供を愛していればその気持ちは必ず子供に届く、と言われる。 勿論、だいたいの



ところは届く。 でも、親でなくても必要とするときにそばにいてくれて、親とは違う形で自分を



認めてくれる人がいたら・・・親ではなくとも、子供にとって大事な人になるのは当然。



 リンカーンは子供慣れしているタイプではなかったので、メイジーを大人として扱い、話を



ちゃんと聞き、メイジーを理解しようと努めた。 遊ぶ時も全力で。



 こんなステップファザーならあたしもほしい!



 メイジーがリンカーンに「一緒に学校に来て」と誘い、クラスメイトに「私の新しいおとうさん



なの」と紹介するシーンは微笑ましい。 よっぽどうれしかったし、自慢したかったんだろう



な〜。 気持ち、わかるよ〜。



 リンカーンとマーゴと一緒にいる方が長いし、二人はメイジーの話すことを聞いてくれる。



リンカーンとマーゴの悩みについて、メイジーはどうしたらいいかわからないが心を砕く。



これって十分、家族ではないでしょうか。



 「家族とは血のつながりではない、絆だ」、というのは使い古された表現だが、それを本心で



理解できている人はどれくらいだろう。 問題のない幸せな家で育った人には、「他人といる



ほうがむしろ心安らぐ」なんて感覚、わかってもらえるだろうか。



 だから映画終盤におけるメイジーの決断には拍手!



 でもこの先、どうなるんだろう・・・元に戻るような気もするし、新たな展開が待ち受けている



ような気もするし。 見る側に任せます!、ということなんだろうが・・・責任重大です。


posted by かしこん at 08:43| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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