2014年01月19日

出遅れシアター → 『仁義なき戦い』一挙放送 その2

仁義なき戦い 代理戦争
 シリーズ3作目にして、1作目と2作目をつなぐはたらき(2作目を飛ばして1→3と見ても話は通じる)。 終戦直後の闇市から端を発した<広島やくざ戦争>から十数年たった昭和35年の話。 かつては一匹狼的立場にいた広能昌三(菅原文太)は小さいながらもひとつの組の組長になっており、「おやじさん」と呼ばれている。 その当時の世界情勢は小さな小競り合いであふれかえっていたが、結局のところそのバックに米ソがいたように、広島と呉の暴力団抗争は日本最大の広域暴力団の息のかかった代理戦争だった・・・という話。

  仁義なき戦い代理戦争P.jpg その日が、遂に来た!
     このシリーズはオープニングの赤い字を効果的に使ってるよなぁ。

 『仁義なき戦い』シリーズのルールとして、その映画の最後まで生き残った人たちは同じ役柄で次の映画に続投、途中で死んだ人は一作以上のインターバルを経て別人として登場する、ということがわかった。 それでなくとも多くの人が登場し、人間関係も入り乱れているので把握するのが大変である。
 今作からは小林旭が登場。 「この人、ギターを抱いた渡り鳥だった人ですよね?」と困惑してしまうほどに冷静なインテリやくざを好演! サングラスをかけているけど基本的に表情を変えない、口調もいつも同じというのが逆に怖いです! 何故か加藤武がやくざってどういうこと?、と思っていれば文太さんが「あのひとはやくざっちゅーより実業家やから」と解説してくれ、なるほど!、と納得。
 一作目は敵だった渡瀬恒彦が、「もうやくざとして生きていくしか道がありません」と学校の先生と母親に連れられて弟子入りするダメな若者になっており、若返りですか!、と驚愕(でも今作では彼がキーパーソン。 恒彦ファンの妹に教えるべきかな?)。
 前作ではかっこよかった成田三樹夫が、その理性的で分別ある思考故に泥沼にはまっていくのが切ない。 それにしても何故梅宮辰雄には眉毛がないのか? 川谷拓三は指を詰めるのに手を半分切ってしまうのか? 神戸市の明石組の組長として登場するのは丹波哲郎だが、ほぼ写真だけだった! なのにその重厚な存在感はただごとではない!
 それにしてもこれだけの登場人物をうまくさばくよな・・・と脚本の構成力に(それは一作目からですが)、感嘆。
 一作目と二作目のメインメロディを踏襲しながら新たなメロディにまとめ上げ、それがまたくせになる音楽の津島利章も素晴らしい! ギターにベースの響きがかっこいいのです(きちんと延長線上にあるメロディなので、1・2・3とも区別できつつ頭に残る)。
 いつまでたっても血で血を洗っておりますが、菅原文太と小林旭のふたりが違う方向からどうにかことを収めようと奮闘しても若者たちは暴走していくし、老獪なお偉いさん(特に山守組組長の金子信雄ね!)たちがいざとなったらビビりまくりなくせに自分がかわいいから裏工作をいくらでもやるということに疲れ果て、なにも知らないままに命を落としていく若者への鎮魂の色が濃くなっております。 あぁ、無常。

仁義なき戦い 頂上作戦
 前作から3年ほど経過した広島。
 白昼堂々の銃撃戦など、ついに一般市民が巻き込まれて暴力団への風当たりが強くなる(それまでにも一般市民のみなさんはヒロポン売買などで巻き込まれていたような気がするのですが、立ち上がるのが遅いのでは?)。 まだ代理戦争の名残は残っており、抗争は熾烈なまま。 かつては公然と癒着していた広島県警も徹底抗戦を掲げる。
 頂上作戦とは警察による組長クラス一斉検挙作戦のことを指す。

  仁義なき戦い頂上作戦P.jpg 字が赤くて読めない・・・。
 中立を守っていた義西会会長(小池朝雄だ!)に広能昌三(菅原文太)たちは抗争の仲介を頼むものの、彼もまた反対勢力の鉄砲玉に街中で射殺される。 そこの若頭である松方弘樹が菅原文太のかつてのムショ仲間ということもあり、仇打ちも兼ねて協力してくれるのだが、松方弘樹のギラギラ感が半端ない(なんかの病気だというのに)。
 やっぱり広島弁がきつくていまいち言っていることがわからないのだが(特に若者は叫んでいるから)、小池朝雄さんは言っていることが全部わかった。 コロンボとして子供の頃から親しんでいるから? いや、そういう発声ができる人だから声優ができるんだと思う、ということを実感。 ちなみに小池朝雄は『広島死闘篇』にも登場してますが、北大路欣也に殺されているのでここではまた別の役。 また『広島死闘篇』のもう一人の主役ともいえる大友が再登場しますが、千葉真一じゃなかったことがショック!(宍戸錠でした)
 市民も敵、警察も敵、そしてやくざ同士の力関係も相変わらずということで抗争はさらに激化、ダイナマイトまで使われて、ついに市民も立ち上がる(このへんはマンネリを避ける過激演出なのか、実話そのものなのか区別がつかない)。 ことが大きくなってしまい、バックにいた神戸の明石組と神和会が兵庫県警の仲介(?)で手打ちすることになり、もう広島内部で争う必要がなくなった。 ともに結構な懲役をくらうことになった文太と旭は、これまでのやくざの時代は終わったと実感。 旭は「組を解散して政治結社にでもするしかない」と自嘲し(あたしは「政治結社って、マジかい!」とびっくりしたが、成程政財界とヤクザ社会の深いつながりを示唆する台詞であると納得)、文太は「俺の役割はもう終わった」と、二人をこんな目にあわせた張本人ともいえる金子信雄が懲役1年半程度で済むことにもう失笑するしかない状態。 いやー、二人のこのシーンはいいですねぇ。
 こうして<広島やくざ抗争>はむなしい幕引きを迎えることになった・・・というわけで素晴らしい終わり方なんですよ!
 なのにすぐ『仁義なき戦い 完結篇』の予告が!
 どうなってんだ!

 そして今夜はWOWOWにて<『新・仁義なき戦い』オールナイト>ですよ。
 どうなってんだよ・・・と言いつつ、録画します。

ラベル:日本映画
posted by かしこん at 10:13| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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