2013年12月28日

ゼロ・グラビティ/GRAVITY

 <宇宙空間を体験!>という看板に偽りなし! 2D字幕版を見ましたが映画館の前方に陣取ったので十分あたし自身も宇宙にいるような感覚が味わえました。 この映画は自宅で見るのでは魅力半減(すごいホームシアターをお持ちの方なら別だけど)、是非映画館で体験した方がいい! 多分これは現在、全世界最高レベルのアトラクション。

  ゼログラヴィティP.jpg 宇宙の 暗闇を 生き抜け

 舞台は地球から600km上空の宇宙。 ミッション遂行中であるメディカルエンジニアのライアン・ストーン博士(サンドラ・ブロック)と船外遊泳時間の記録更新中のベテラン宇宙飛行士マット・コワルスキー(ジョージ・クルーニー)ともう一人が宇宙服を着て船外活動をしていた。 そこへ、ヒューストンから緊急連絡。 ロシアが老朽化した衛星をミサイルで吹っ飛ばしたそうで、破片が流されていくルートが現在位置に重なりそうだという。 大至急船内に戻れと指令が出るが、デブリのスピードは想像以上に速く到着してしまう、それも隕石なみの速度で。 ぶつかったものが破損し、それがまた次の何かにぶつかることを繰り返す破壊の連鎖反応(チェーンリアクション!)に巻き込まれた二人は、宇宙空間に放り出される・・・。
 いやー、怖いのなんの。
 慣性の法則に逆らおうとするには人間の力はささやか過ぎて話にならない。 これが初めての宇宙であるストーン博士の動揺ぶりというか、パニックを起こしそうだけどどうにかギリギリのところで踏みとどまっている感じがすごくリアルで、こっちまで息苦しくなってくる。 その時間がとっても長く感じるし、ところどころにある完全無音状態や(全体としては音楽や効果音などが使われている割合は高い)、宇宙服のヘルメット部分に自分のはいた息が白く映る加減など、たった一人で慣れ親しんだものからどんどん遠ざかっていく恐怖というより虚無に飲み込まれそうな感じが、本当に怖い。 あたし、宇宙、無理。

  ゼログラヴィティ02.jpg そこで、助けに現れるコワルスキー。
 ジョージ・クルーニーは演技してないんじゃないか、実は素なのでは?、と思わせるほどの「いつものジョージ・クルーニー」なのですけれども、これが笑っちゃうくらいにかっこいいんだな! コワルスキーって、ロシア系ですか? ソユーズのことにも詳しかったし。 もう、ジョージの見せ場には常にニヤニヤ、だからこそ途中の決断が響くんですけど、本人はあくまで軽い。 ほんとかっこいいよ!! 惚れ直した!

  ゼログラヴィティ06.jpg この感じで「ISSまであと4分」とかわかるのがすごいよ。 あたしは距離感覚がつかめなかった。

 ベテラン宇宙飛行士として、ここに来るまではただの医師の一人であったライアンに「生きて還ることが義務」だと少ない言葉でみっちり伝える。 だからこそライアンは、どうしても帰らなければならないわけで、でもその道のりは険しい。 あきらめた方が楽だって、思っちゃうよね。 日常生活においては多少あきらめても不都合は生じない、次がんばればいいかと思えるけど、宇宙でのあきらめは死に直結するし、また死が相当身近なものであることも事実。 これって8000m峰を登る人たちの気持ちに近いんじゃないかな?

  ゼログラヴィティ04.jpg どうにかISSに潜り込んでも・・・。
 内部は無重力状態なので、足元を軽く蹴ったらステーション内をぐるっと回れるほどの力で身体が直線に動く。 このあたかも流れるような動きが美しくて、宇宙は無理でもこの動きだけやってみたい・・・。 宇宙服を脱いだらタンクトップに短パンって、『エイリアン』のシガニー・ウィ―ヴァーへのオマージュ? 他にも『2001年宇宙の旅』などを意識したカットがありました(でも気づいたのは映画が終わってからなんですよ。 相変わらず長回しだったなぁ、どうやって撮ったんだろう?、の不思議も全部あとから)。 ただあたしは宇宙空間にいて、目の前で起こっている出来事に手も足も出ない、ずっとそんな感じ。
 邦題は『無重力』だけど原題は『重力』、その違いというか意味がラストシーンでわかる。
 それに、はっとさせられる。 “グラヴィティ”というタイトルにテーマは集約されていた。
 髪も短く切り、宇宙空間ではまるで男でも女でもないように見えたライアンが、地球に降りたって女である自分に気づき直したような・・・。
 エンドロールでヒューストンからの声がエド・ハリスと判明(なんか声が聞いたことがあると思ってた!)。 『アポロ13』からずっと管制官やってるのかしら、と思ったら笑ってしまうんだけど・・・、これまでの宇宙開発に携わってきた人たちのことがぶわーっと頭をめぐった。
 大気圏突入に失敗してしまった人たち、訓練中の事故で命を落としてしまった人たち・・・そんな人々に思いを馳せてしまい、じわじわと涙が止まらなくなってきたのであった。
 笑いながら泣いていたあたし、傍から見たら不気味。 近くに誰もいなくてよかった。
 宇宙に国境はないとはいえ、日本が自前の宇宙ステーションを持ってなくてごめんなさい、という気にもなったし(でも実際にミサイルで古い衛星を爆破するのは中国の方であろう、というやり切れない思いもあるんだけどさ)。
 なんだろう、この素晴らしい満足感。
 今年の映画はこれで終わってもいいか!、ぐらいの気持ち。

ラベル:映画館 外国映画
posted by かしこん at 23:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック