2013年12月23日

47 RONIN/47 RONIN



 この企画の話が出たとき、「そ、それはダメだろ」と思ったあたし。



 何年も前のことですけどね。 忠臣蔵でキアヌ・リーヴス、もう何からつっこんでいいか



わからなかった。 しかしとうとうその映画が完成して、ついに日本公開といわれても・・・



スルーする気満々だった。 けれど公開が近くなり、映画館に張ってあった巨大垂れ幕に



<字幕監修:冲方丁>という文字を見て・・・不意に気づいた。



 あぁ、そういうことか!、と。



 忠臣蔵だと思うからまずいのだ。 それはきっと江戸時代と侍に材をとった伝奇ロマンに



違いない。 つまり、『里見八犬伝』だ!(そういえば真田広之も昔、出ていたな〜)。



ならば、真田広之がドラマ『リベンジ』の契約継続を断ってこちらの映画のほうに本腰を



入れたというのもわかる気がする・・・ということで、一気に見に行く気持ちが盛り上がる。



 世間では大コケといっているが、関係ないさ!



   この冬、未体験が、あなたを斬る。



 まずは重厚なナレーションがその当時の鎖国していた日本、将軍を中心とした封建制度と



武士について説明。 そこからなんだかちょっとずれている気がしたんだけれど、長々と



時間をかけて説明したってしょうがないよね、だって外国の人は細かい違いとかわかんない



だろうし、と割り切る。 いろんな意味で割り切る姿勢がこの映画を見る上で大事です。



 実り豊かな赤穂の国ではこの度、将軍を国元に迎える名誉を担い、そのために国内を



荒らす怪物を征伐することに。 腕自慢の侍たちが苦戦する中、やっつけたのは下人である



青年カイ(キアヌ・リーヴス)。 彼は幼少の頃、行き倒れているところを助けられたが混血の



見た目から「鬼子」と呼ばれて蔑まれていたが、藩主浅野内匠頭(田中泯)とその娘



ミカ(柴咲コウ)はカイが領内に留まることを認め、カイはその恩を胸に抱いて差別に耐え



ながら働いていたのだった。



   色彩感覚が

                     どうしても古代中国っぽいんだよなぁ。



 将軍役の人が田山涼成さんに似ていてつい笑ってしまい、どうせならご本人にやって



いただきたかった感が。 あやしげな妖術使い・ミヅキ(菊池凛子)の衣装も髪型もメイクも



秦の時代っぽいのだが、繰り出される妖術はあたかも山田風太郎の世界。 これだこれだ、



これはありだ〜!、とニヤニヤ笑いが止まらない(ちなみに冒頭に出てくる怪物は、



『もののけ姫』の邪悪なおっことぬしかと思いました)。 伝奇ロマンって英語でなんて



いうのかなぁ、結局<ファンタジー>なのかしら。



 吉良上野介(浅野忠信)はぐっと若くて実は幕府転覆を狙っており(天下人への野望に



燃えている)、大石内蔵助(真田広之)はちゃんと昼行燈なことに驚く。 正しいポイントは



押さえているけれども日本人ならば絶対しないであろう改変を大胆に行う、それを見ることで



あたしはいかに固定観念を持っていたかを思い知るのであった。



   とりあえず真田広之、かっこいいです。



 鎧を着てしまうと古代中国っぽいのだが、彼らが浪人になってからは割と正しい日本の



着物のイメージ。 日本刀の扱い方もしっかり日本式の殺陣である(キアヌ・リーヴスも)。



アクションは当然のことながら、人の名前を呼ぶときは日本語のイントネーションで、それ



以外はかなりナチュラルな英語で語り、その差に不自然さを感じさせない真田広之が



かっこいいよぉ、と見とれます。 浅野忠信も『マイティ・ソー』のときに比べたらだいぶ



英語がうまくなっている感じがしましたが。



 ただ、後半はかなり話を簡略化してしまっているというか・・・多分3時間ぐらいあったものを



2時間ちょっとに編集されられたんだろうな、というのがまるわかりの説明不足。 残念だ・・・



フルヴァージョン見たかったよ。



 ちなみにカイの名前、血判状で<魁>と書いたときには盛り上がったよ!



 キアヌは書道の練習もしたのだろうか。 あ、思いの外キアヌは違和感がなかったと



いうか、最初から粗末な着物なので彼一人いちばん日本人ぽかったのでした。



 そんなわけで些かご都合主義に陥ったり、天狗が少林寺入ってたりカメだったり不可解な



ことは多々あれど、忠臣蔵の本質というかテーマはしっかりと語られているのであった!



なんだか胸が熱くなっちゃったよ・・・。



 なのであたしはこの映画を擁護する。 日本を舞台に異世界ファンタジーをつくりあげて



もらったことに感謝したいぐらいだ。 “日本人的感覚”は日本人にしかわからないのでは



なくて、世界に通用することを証明してくれたんだからね。



 だからこの映画はヒットしてくれた方がいいんだけど・・・『忠臣蔵』への思い入れが



日本人は強すぎですね。 自分もそうだったけど、なんだかごめんなさい。


posted by かしこん at 07:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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