学生のときはそんなことはよくあったのですが、さすがに社会人年齢になると難しい。
まず同傾向の趣味嗜好の人と出会わなければならないし、幸運にもそういう人がいても
お互いの時間が合わないとか物理的な弊害が出る(残念ながらヒマな時間は一致しないし、
自分がいそがしければ相手はもっといそがしい)。
だから、うらやましいなぁ、と思ってしまった。

お互いの専門分野は違うけど基礎知識レベルは同じくらい、好みの基本ラインは一致
していて、でも自分が気に入らなくとも相手が気に入っていればそこは受け入れてどこが
よかったのか聞く、というような対等な関係。 それが、大人げない言葉遣いで会話展開
していく楽しさ。 取り扱われているのは1997年〜2006年公開の映画なので大体あたしも
知っているため、「わかる、わかる〜」だったり、「あ、そんな話だったっけ! 見直したい!」
となったり・・・時間がないからと“一回見て終わり”はあまりよろしくないな、と思ったり。
あとは「どうせくそ映画だとわかっちゃいるけど、見ないことには批評できない(サボって
スルーする映画評論家多すぎ!)」と意地のようにダメ映画も見てしまう柳下さんの姿勢が
素敵です。 あたしもちょっとその傾向あるしな・・・仕事じゃないけど。

こちらは日本未公開のアメリカ発ドキュメンタリー映画に光を当てて語る本。
松嶋さんは知識が足りない分を本能で語ってしまうところがすごい。
アメリカではドキュメンタリー映画がひとつのジャンルになっているけど、日本でもそう
いう人たちが増えているけど、テレビ局が日曜日の深夜にやっているようなせいぜい
45分のドキュメンタリーではカバーしきれない社会問題が増えてきている、ということ
なんだろう。 先輩アメリカのほうが、もっともっと病んでますけど。