2013年07月19日

アフター・アース/AFTER EARTH

 ハリウッドスターの親バカ映画に付き合わされるほど落ちぶれてしまったのか、それとも意気投合しただけで実体はM・ナイト・シャマラン映画なのか。 『シックス・センス』以降の世間的な評判はダダ下がりですが、あたし個人的にはシャマラン映画がとても好きです。
 『シックス・センス』には気持ちよくだまされたし(あとから考えて、しっかり張られた伏線・細部にも十分こだわった表現に舌を巻き)、『アンブレイカブル』では最近のアメコミものによく描かれる“ヒーローの苦悩”を飛び越えて“悪役側の苦悩”を描いていたし(あたしはそれに涙した!)、『サイン』ではエイリアンの姿をがっちり描写したのは賛成できないが全体としてはSFホラーコメディの金字塔じゃないかと思うし、『ヴィレッジ』はアンドリュー・ワイエスの世界観を風景に取り入れながらムラ社会がはまりこんでしまう恐怖(それを恐怖と気づけないことが恐怖、みたいな)を描いていて結構ホラーですけどね。
 どんでん返しが期待されてしまうのはかわいそうですが、味のある作品が多いと思うんだけど・・・。 だからあたしは彼とデイヴィッド・フィンチャー監督の作品は全部映画館で見てしまってきたなぁ、多分これからも(サム・ライミも脱ホラー後の一般映画、とはいえホラーからすっぱり手を切ったわけではない)を撮り始めてからは高確率で。 『シンプル・プラン』には胸を刺されたぐらいの気持ち)。
 そんなわけで久し振りのシャマラン映画。 既に芳しくない評判は聞こえてきているが・・・確かめるのは、ここまで来たらもはや義務!

  アフター・アースP.jpg 危険は目の前にあるが、恐怖はお前の中にある。
    1000年後の地球。 そこは人類に牙をむく緑の惑星。

 西暦3072年、人類は地球から去って<ノヴァ・プライム>という名の別の惑星に移住していた。 が、<ノヴァ・プライム>にも先住者がいて、その<スカール>と戦いの日々が続いている。 <スカール>は人類が感じる恐怖の感情を感知する生物兵器“アーサ”を送り込み、そして人類は対抗策として恐怖をコントロールできるものを“ソルジャー”と認定。
 ソルジャーの中でも幾多の困難を乗り越えてきた伝説的な存在がサイファ(ウィル・スミス)。
 その息子キタイ(ジェイデン・スミス)は自分もソルジャーになるべく訓練を怠らないが、最終試験で落ちてしまう。 次の任務でソルジャーを引退しようと考えていたサイファはキタイを同行させることにするが、まさかこんなトラブルが待っているとは・・・な話。

  アフター・アース7.jpg このシーンは印象深い。

 要は、いまいち折り合いの悪い父と息子が、命のかかった状況に追い込まれてどうなるかという話であり、生きて帰るためにはトラの巣穴に潜るぐらいの危険な道しかないけど、どうにかミッションコンプリートしましょうよ、という話。 非常にわかりやすい、小・中学生の息子を持つ父親向け?、みたいなピンポイントセールス(なるほど、これならシャマラン映画であることを宣伝しないのは当たり前だ・・・)。
 シャマランらしさは序盤に結構出尽くしている。 <ノヴァ・プライム>への入植直後から起こっていた戦闘、人間が木に鈴なりにさせられていたり(資料映像っぽくなっているのでそうはっきりとは映さないのだが、粒子の粗い画像にこそあたしは盛り上がったよ!)、<アーサ>がいかに人間を襲うかなどにシャマランらしさが全開! むしろこの戦闘で映画を一本撮ってほしいくらいなんですけど。
 で、肝心のジェイデン・スミスくんなんですが、『地球が静止する日』における「あの子、かわいくない!」という印象が深く残っているため、どうも感情移入しきれない・・・(これは個人的な感慨なのでジェイデンくんが悪いわけではないのだが)。
 だからつい、「いつまで反抗期やってるのかな?」みたいな気持ちに・・・。

  アフター・アース8.jpg 彼は彼なりに頑張っています。

 「人類を破滅させるために進化した地球」とCMで煽られていましたが・・・どこが?
 結構説明不足な部分はあり・・・でも<アーサ>の仕事ぶりは大変実直でちょっと好感を持ってしまった。
 ウィル・スミスは普段の笑顔を封印して“伝説のソルジャー”を好演、言葉少なで実行優先の態度は“ソルジャー”というよりどこか日本の“武人”を思わせるものが・・・ではあるものの、「恐怖を克服できるものが真の勇者である」という解釈は日本的価値観にはなじまないのでは。 むしろ臆病だったり用心深かったりする人の方が大成するでしょう。
 用語が日本語由来?と思えるものがいくつかあったので(息子の名前「キタイ=期待」かな?)、どうせなら武士道も持ち込んでくれればよかったのに。
 ま、父と息子がわかりあうためにこれだけのシチュエーションが必要なのか・・・と考えさせられました。 見たあとになにか感情的なわだかまりが見る側に残る・・・やっぱり、これはシャマラン映画だったのかもしれない。
 彼の復活に希望が持てる、そんな映画だったのかも(あたしにはスミス親子はどうでもよかった、ということでした)。

ラベル:外国映画 映画館
posted by かしこん at 06:32| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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