2013年07月16日

Full Dark, No Stars/スティーヴン・キング



 久し振りにスティーヴン・キングでも読もうかな、と比較的新しめのこちらを。



 キングの魅力は「大長編を読ませること」にあると思うあたしとしては中編では物足りない



のではないかと感じつつ。



   1922/スティーヴン・キング



 <FULL DARK,NO STARS>のタイトルで4編収録の本を日本語版では二分冊。



かつての<Four Past Midnight>みたいな形式。



 “残酷で容赦がなく、救いのない話”というのがテーマのようで・・・確かにその通りなの



ですが、あまり長くないせいか読むのがつらいほどでもなく、「わー、ブラックだなぁ」と



どこか他人事のように読んでしまうのでした。



 『1922』はまだ年端もいかない息子を引き入れて妻を殺した男の罪悪感が生む悲劇。



 『公正な取引』は身近な親しき者にずっと感じていた妬みに形を与えてしまったら、と



いう短編。 星新一なら因果応報的なラストになりそうなのになんか身も蓋もないよ!



しみじみ人の心は醜いねぇ、と思わされます。



   ビッグ・ドライバー/スティーヴン・キング



 そして『ビッグ・ドライバー』は不意の暴力に見舞われた女性の復讐譚、最後の



『素晴らしき結婚生活』は連れ添った男が実はシリアルキラーであったことに気づいて



しまった妻の苦悩。 わぁ、一言で書くとほんとに「容赦のない話」だ。



 でも全編どうしようもない恐怖と絶望、ということもない。 妻が気づいたことに夫がすぐ



気づくあたりは「ぞわーっ」となりますが、どことなくユーモアっぽいところや淡々とした



記述があり・・・だからこそ要所要所でぞっとさせるんだろうけれど、全体としてそんなに



しんどくない。



 それは何故だろう・・・あたしが慣れたからか? それとも、大長編であればある程



登場人物に感情移入したり愛着が生まれたりして、そういう人たちを悲劇が襲うから



あたしはつらくなるのだろうか? たいして知らない人であれば事実をそのまま冷静に



受け止められるのか? ・・・なんだか「人としてどうよ」という気持ちになる。



 <Four Past Midnight>『ランゴリアーズ』『図書館警察』)は面白かったし



怖かったのにな〜。



 というわけであたしがキングにいちばん痛めつけられたのは『デスペレーション』です。



お気に入りは『デッド・ゾーン』『IT』かなぁ。 やっぱり長編を読もう!


posted by かしこん at 05:49| Comment(0) | TrackBack(0) | ☆ 読んじゃいました | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック