2013年06月25日

イノセント・ガーデン/STOKER



 ポスターを見て、なんとなくダークファンタジーかな〜、と思い(ミア・ワシコウスカ好き



だし!)、が、チラシを手にとってみれば監督パク・チャヌクの文字が・・・『親切なクムジャ



さん』から『渇き』に至るまでの無意味なまでの流血が頭をよぎり、いやいや、ハリウッド



初進出なのだからそこらへんはちょっと抑えるんじゃないの?、ニコール・キッドマンも



出てるわけだしさ!、という希望的観測を含め(R+15ではなくてPG12どまりだし)見に



行くことにする。



   18歳になった私に届いたのは、秘密の扉を開ける鍵――。

     (このポスターだったら、ダークファンタジーの雰囲気でしょう)



 子供のことから他人とは違う鋭敏な感覚を持っていたインディア・ストーカー(ミア・ワシコ



ウスカ)は、大邸宅に父と母と三人で暮らしていた(離れには料理の出来ない母親のために



家政婦さんも住んでいるが)。 が、18歳の誕生日に父が事故死したとの報が入って・・・



という話。



 ファーストカットから、「やばい、韓国映画だ!」という空気濃厚。



 その感覚は登場人物が増えるほどに薄まってはいくけれど、美意識とこだわりが発動して



いるオープニングクレジットからまがまがしさがあふれている。 一見美しいだけに手に負え



ないぞ、という感じ。



 冒頭のインディアのナレーションの中で印象的だったのは、「花が色を選べないように 



人は自分も選べない それに気づけば自由になれる」というもの。 これがこの物語の



テーマそのものだと気づくときには、映画はもうラストシーンですが。



   似ていない、母娘。



 あたしは最初、てっきりインディアと母(ニコール・キッドマン)は義理の関係かと思って



いました・・・それくらいインディアの態度はよそよそしくて、まったく心を開いていない感じ



(だからといって母も夫の愛情を奪われたという気持ちがあるのでインディアに対して態度は



そっけないし、原因は娘だ、という姿勢。 仲良くなれるわけがない)。 誰に対しても彼女は



無愛想で仏頂面だけど、父親にだけは違っていたらしいと葬儀に参列していた人たちが



教えてくれる。 そしてずっと外国に行っていたという父の弟(インディアはその存在も知ら



なかった)、つまり叔父のチャーリー(マシュー・グード)が現れて、インディアの日常が大きく



形を変えていく・・・。



 誰も自分を理解してくれない、と思っていたところに自分と似た要素を持つ人物が突然



出現したら、しかもお父さん子が父親を失ったところにその父の弟が現れたら、そりゃー



興味を持たずにはいられないでしょう。



   まったく瞬きしないのではないか、と思わせる

    爬虫類要素たっぷりのチャーリー。 原題“STOKER”は<ストーカー家の血筋・

    その特徴を色濃く受け継ぐもの>の意であるようだ。



 インディアの感覚の鋭敏さを観客にも体験させるためか、クモの動きにすぐ気づくどころか



妙にはっきり見えたり、置いたグラスをテーブルの上で滑らせるときの音が耳障りな不協



和音だったり、窓の外から母と叔父の会話が聞こえたり、卵の殻を粉々にすることに夢中に



なったりと、不愉快なものを楽しみに変えていかないとやってられないのかなと思わされる



んだけど・・・。



 結局のところ<少女の性へのめざめ → 自立>というストーリーなんですが、そんな



よくある話をここまで禍々しく編めたもんだなと感心することしきり。 これ、サイコホラー



だよ・・・そして不意な流血シーン、やっぱりありました。



 脚本はウェントワース・ミラー(『プリズンブレイク』のマイケル!)。



 以前の来日インタビューで、「いつか作品をつくる側に回りたい」みたいなことを言ってた



けど、本気だったんだね!(外国の俳優さんは大概そういうことを言って、プロデューサー



業を兼ねたりするのはよくあることなので)



 初めて書いた脚本だそうですが、ポイントになる台詞にはいいものがあったと思う(でも



どこまでがオリジナルの脚本で、どこまで撮影中に変えられたかはわからないけど)。



 パク・チャヌク映画ではあれども、ミア・ワシコウスカなしではこの映画は成立しない!



天真爛漫少女よりも、何か秘密を隠し持っている、そんな役で(しかも年齢不詳な感じで)



しばらくあたしたちを楽しませていただきたい。



   上映が始まったらこっちの方のポスターになりました。

    この“強い意志”を秘めた表情が素晴らしい。



 あたしは韓国映画が苦手なんですけど(土着性が半端ないというか、重すぎる)、むしろ



韓国の外で映画を撮った方がその監督のセンスなり才能なりがよくわかる気がします。


posted by かしこん at 05:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック