2012年12月29日

007 スカイフォール/SKYFALL

 これ、新しい『カジノ・ロワイヤル』から何年後って設定なんだろう?(前作『慰めの報酬』はそのまま続きという時間軸だったが) ボンドがなんか老けてるよ!、というのがファーストシーンの印象。 が、それは彼がもう駆け出しではなくある程度の実績がある<ダブルオー要員>になったことの証明。
 オープニングの怒涛のアクションのさなか(CMでも流れてましたが)、ふと乱れた袖の位置を直す仕草。 おぉ、英国紳士だ!
 毎回期待のオープニングクレジット、今回はアデルがテーマソングを担当ということで・・・往年の007的メロディでありながらしっかりアデルの歌になっていて(彼女が歌う姿が目に浮かんだ)、アカデミー賞のステージで歌ってくれないものかなぁ、と思う。 ここまでで結構満足してしまったあたし、それで正解だったかも。

  007スカイフォールポスター2.jpg この映画にはキャッチコピーがありません。
      それはそれでチャレンジであり、自信?

 Mの監視役としてやってくる男(レイフ・ファインズ)がすごくイヤミンな感じで面白い(で、実はいい人なんだろうなぁ、みたいな)。 新顔Qとして登場するベン・ウィンショーが、これまでのどの映画で見るより若くて、「若返ってる!」と驚愕。 ボンドもQを子供扱いですが、『パフューム〜ある人殺しの物語』の印象が強すぎて大丈夫かと勝手に心配していた彼がいろんな役を見せてくれるのはとてもうれしい。

 それにしても、『スカイフォール』って、もしかして番外編?、と感じてしまうほど、ジェームズ・ボンド(ダニエル・クレイグ)の<自分探し>もしくは<ミドルエイジ・クライシス>がテーマになっているような・・・『ダークナイト』にも似た、<自己の存在証明>を迫られている感じ。 ヒーローが自分の存在を自分で肯定する道を見つけなければならないほど、この世界は混迷しているのでしょうか? いるんでしょうね。
 というわけで、今回の敵はボンドの上司M(ジュディ・デンチ)に個人的な恨みを抱くかつてのMの部下・シルヴァ(ハビエル・バルデム)。

  007スカイフォール01.jpg なんとシルヴァのアジトは軍艦島だ! ロケOKなの?

 ある意味内輪げんかであり、ひとつの精神世界に住みつく白と黒の戦いにも思える(このあたり、キリスト教的世界観にも通じるのかもしれませんが、あたしにはよくわからず)。
 勿論、アクション山盛り・異国情緒あふれる最新鋭の映像美あり・スコットランドに戻っての伝統的展開と<王道のアクション映画>なのではありますが、実は地味にストーリーを追っていくとつじつまが合わない部分が・・・そこは言ってはいけないのだ。
 劇中でシルヴァが「今や世界征服なんか秘密組織をつくらなくてもネット環境があれば可能」みたいなことを言うのですが、そういう時代になっている以上ボンド・ガールって必要?、というあたしの懸念を笑い飛ばすかのごとく、今回ボンドに関係する女たちは「え、それだけ?」みたいにあっさり消えていく。 ボンド・ガールなんて実はいらないことを制作陣はよくわかっているようである。

  007スカイフォール02.jpg ま、今回いちばん目立ったのはMだけど。

 歴史ある作品だからこそ、時代に即して新作をつくり続ける意義を問い直していかなければならないというのは重たい作業なのね。
 それだけに、ラストにびっくり!
 これって、ショーン・コネリーの時代につながるじゃないか!
 原点回帰を図っていたのか!
 MI6の崩壊と再生が裏テーマだったのか(Mとボンドが疑似家族的関係だったことを考えれば、MI6は家であり家庭。 わ、監督はサム・メンデスだった! 『アメリカン・ビューティー』のテーマをここにも投入か?!)・・・と盛り上がったので、中盤以降のつじつま合わない感はどうでもよくなりました。 むしろ、この次はどうなるのだ!、という期待感に包まれる。
 結果的に、よかったんじゃないでしょうか、この映画。 むしろ007ファン必見!

ラベル:映画館
posted by かしこん at 20:54| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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