2012年10月29日

コッホ先生と僕たちの革命/DER GANZ GROsE TRAUM



 ダニエル・ブリュール、好きです。 もうそれだけの理由で見ましたよ。 だって、



<ドイツ・サッカーの父コンラート・コッホの実録ドラマ>っていわれても知らないから。



   イギリスから、自由の風が吹いてきた。



 1874年、ドイツ帝国。 イギリス留学から戻ったばかりのコンラート・コッホ(ダニエル・



ブリュール)は試験的に<ドイツ初の英語教師>として名門校に赴任する。 当時、



ドイツとイギリスはいつ戦争が始まってもおかしくない状況で、<敵を知るため>の



一環としての英語教育だったのだがドイツ至上主義に染まっている者たちには反対者も



多かった。 だから当然コッホに対しての風当たりも強い。



 そしてコッホが任されたクラスは“優秀なクラス”と紹介されるが、親の階級がそのまま



生徒たちの力関係にもなっている状態で、コッホは英語を教えながら授業にサッカー



(イギリス流にはフットボール)を導入、<フェアプレイ精神>をも教えようとする。



しかしサッカーの魅力に夢中になった生徒たちはコッホとの約束を破り、コッホを追い



出したい派に格好の材料を提供してしまう・・・という話。



   “チームプレイ”がクラス内の

          階級の壁をいつしか取り払う・・・のは確かに美しいですが。



 基本的には実話なのですが、コッホ意外の登場人物たちは実在の人々の寄せ集めと



いうか、特定のモデルがいるようないないようなという感じなので若干ストーリーに甘さが



見えます(まぁ、モデルの家族の許可が取れなかったとか大人の事情はあるんでしょう



けど)。 だから、労働者階級出身のヨストという生徒に関しては結構ひどいことをされたり



してるんだけど「結局そのあとどうなったのか?」の言及がないためあまり痛みを伴う



展開になっていないのでどこか牧歌的というか。 『今を生きる』みたいな部分を期待



すると相当肩すかしなことになります。 体育劣等生ながらも商人のセンスに富んだ



ある生徒の存在は大変面白いアクセントではありましたが。



   手前の生徒がヨスト君。

   栄養状態がよろしくないので他の子よりちびっ子ですが、運動神経は抜群なのだ。



 それにしてもドイツ帝国時代のいわゆる教師や上流階級の方々の頭の固さときたら、



ステレオタイプの昔の日本ですか?、的なところがあり、「ヨーロッパではドイツがいちばん



日本と国民性が似ている」とよくいわれる言葉に深々と頷きたくなる部分が多々ありでした。



 そんな封建的風土の中でもコッホはあくまでさわやかさを崩さず、自説をごり押しする



ような真似はしない。 そういう意味では権威をかさに着る人たちを懲らしめたいという



気持ちは満足させてもらえませんが、それが実際にはあまり上品ではないということも



教えていただき、大変すみません、な気持ちに(溜飲を下げるためだけに誰かの不幸を



願うのは大変よろしくないことでした)。 だからダニエル・ブリュールははまり役では



あるのですが、彼のヒゲのある顔に慣れない・・・っていうか何歳なんですか、あなたは。



   そして生まれる信頼関係。



 まぁ、コッホ先生と生徒たちの尽力によりだんだんとドイツ全土にサッカーが広まる・・・



わけなんだけど、あくまでもギリギリまで受け入れない地域もあったりして(そのへんの



事情は映画は語ってはくれないのだが)、帝国としてあくまで連帯しているようでも地域



差というか文化や習慣的な考え方は容易く埋まらない、ということなんですね。



 この映画で思い知ったのは、実はいちばんはそこだったりしました。 そりゃ日本でも、



まとまらないですよねぇ(いろんな意味で)。



 しかし、フェアプレイ精神はスポーツだけに適応されるわけではないのだから、地球上の



すべての人がその精神を理解して実践できたら、世界平和は訪れるかもしれませんね・・・



(でも、当時ドイツに“自由の風”を持ち込んだイギリスだってあの感じですから、難しい



んだろうけど)。



 しかしそもそもあたしはフェアプレイ精神をしっかりわかっているのだろうか、自戒。


posted by かしこん at 05:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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