2012年08月10日

リンカーン弁護士/THE LINCOLN LAWYER

 神戸市内の映画館のHPを<お気に入り>登録して(しかも<映画館>というフォルダもつくり)、まめに上映映画をチェックしているあたしですが、神戸国際松竹とシネモザイク、元町映画館に対しては油断してしまうことがあります。
 理由 : レイトショー設定がないから!
 時間が合わない可能性があると思うと、ついつい確認を怠りがち。 特に国際松竹は半分ぐらいは109シネマズHATとかぶることがあるので、ついそちらを優先してしまいがちです(あと、ポイントカード制がないのがちょっと残念)。
 そんなわけで、『リンカーン弁護士』のことも危うく気づかないところだった!
 まぁ話はわかってるから(原作読んでるし)、B級っぽい法廷サスペンスなのかもしれないしなぁ、と気持ちはなえかけたのですが、ここで興行成績が悪かったら続編公開してくれないかも! 話はあるけど全然進まないボッシュシリーズのほうの映画化にも影響あるかも!、ということで、なんとか時間を合わせて行ってまいりました。

  リンカーン弁護士ポスター.jpg  何故、はめられたのか? それは過去の殺人事件から始まった――
   (正直、このポスターのアートワークにも問題を感じる。 面白さが伝わってこない!)

 そんなわけであたしの前知識は、主人公である弁護士ミッキー・ハラーをマシュー・マコノヒー(マコナヘイ?)がやる、ということだけ。 だから次々登場人物が出てくるたびに「それはお前か!」みたいな楽しさがあってよかったです。
 オープニングクレジットも、現代設定なのだろうがちょっと前のLAみたいで、乾いた空気に灼熱の太陽、街の象徴であるジャンクション、中心街も高層ビルばかりというわけでもなくてちょっと外れると砂漠、みたいな<ロサンゼルス点描>がアートワークのように繋がっていき、それがいつしか車の中で書類を広げるミッキー(ミック)に、乗ってる車が<リンカーン>だとさりげなく画面右端に映ったりして。 それが専属ドライバーのラースが聴いているのであろうブラックミュージック(完全にヒップホップというわけでもなく、フリーソウルからヒップホップ寄り)にのって展開していく。
 このオープニングだけでポイント高し!、とわくわく度があがります(そんでミックを「ボス」と呼ぶラースがまたかっこいい!)。

  リンカーン弁護士6.jpg ミックは専属の事務所を持たず、リンカーンの車内を移動事務所として使っている。 主要地域が広範囲に点在するLAではそれが機動力になります。 書類も読めば食事もする。
 マシュー・マコノヒーの弁護士役といえば『評決のとき』を思い出すのですが(リアルタイムじゃありませんよ、あとあとレンタルビデオで見てます)、あのときは理想に燃える若き弁護士だったけれど、今回は「とりあえず裁判に負けさえしなければいい、依頼人が最悪の道を行くのを防げるのなら有罪を認めさせるのもやぶさかではない」という(場合によっては法の網をぎりぎりくぐることも辞さない)、すっかり<スレた大人>になっており、マシュー・マコノヒーご本人の老け具合からも時間の流れの非情さを感じ。

  リンカーン弁護士1.jpg そんな彼のところに、依頼人が。
 娼婦を殴ってけがを負わせた罪で、おぼっちゃまルイス(ライアン・フィリップ)が母親と彼女の顧問弁護士(専門は財政)とともにやってくる。 ミックお得意の司法取引であっさり裁判を終わらせようと考えるが、断固無罪を訴えるルイス。 汚い手はいろいろ使うが、無実の弁護人を刑務所に送ることだけはしたくない、というのが心ひそかな信条のミック、がんばってしまいます。 そして思わぬ事実に辿り着く・・・。
 そして次々出てくる(あたしには個人的に)豪華キャストですが、ミックの相棒というか信頼する助手の調査員フランクがウィリアム・H・メイシー! ドラマ『シェイムレス』と撮影時期がかぶっていたのか?、という疑惑が湧くほど同じ髪型でした(そういえばあれでも役名はフランクだった)。 勿論こっちのフランクのほうがずっと有能ですがね。
 ミックに「金になりそうないい案件あるぜ」とルイスの件を耳打ちする保釈金をすぐに用立てる男がジョン・レグイザモ(こいつがまたいかにも小物臭を漂わせつつ、一癖も二癖もありそうな感じで登場した瞬間から笑ってしまう)。
 今ドラマの『ザ・ファーム‐法律事務所』でかつてトム・クルーズが演じた役のその後をやっているジョシュ・ルーカスは今回は検事側で、弁護士が主役だと検察側って道化役だよね・・・という同情通りのいいとこない役をしっかりやっており、この人って本来三番手ぐらいの役がはまるタイプなのかな・・・とニヤリ。
 意外なところでマイケル・ペーニャさんも出てきます。 誰だよ、キャスティングを決めた人!、とあたしはとても楽しかった。
 でもいちばんの驚きは、ミックの元妻マギーがマリサ・トメイなこと!

  リンカーン弁護士4.jpg またしても<負け犬の女神>ですね・・・。
 原作的にはマギーは最初の元妻、現在ミッチの電話秘書をしているのが二番目の前妻(そしてこの二人はミッチの元妻という共通点により仲がよい)という設定があるのですが、映画的には散漫になりすぎるということなのかマギーのほうに描写が集中。
 ま、そうじゃなくてもミックはダメ男ということがいろいろ描かれているんで十分なのですけどね。
 ミックはやり手かもしれないけどすべてを見通す力はないし失敗も沢山する。 でもそれでまた成長するって歳でもないし、後悔ばかりが積み重なっていくけれど・・・それでも心の誓いは守りたいという気持ちだけはひっそり持ち続けている。
 それが大人ってことかぁ!!
 芸達者たちに囲まれてライアン・フィリップくんに若干精彩がなかったように感じたのですが、そこは監督の責任ではないかと。 彼をもっと(いろんな意味で)輝かせた方が盛り上がったのに。
 場面転換に乏しくなりがちな裁判劇を、ちょっとしたロサンゼルス市内観光にしたのは法廷映画としては画期的・・・かもしれない。 あたしは結構面白かったです。

posted by かしこん at 23:37| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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