サイズ14でもでぶじゃない/メグ・キャボット
ヘザー・ウェルズ、再び!
ホリデーシーズンのごちそう(むしろその前に?)で体重増加&サイズアップしてしまったヘザーは前作よりより強く開き直ってますよ! そして何とも言えぬ自分つっこみも更に炸裂(というかある種、ギャグの域?)。 いいキャラだなぁ・・・としみじみです。
でも改めて考えると、不健康なほどのガリガリ具合を美しさだと考えている人よりも、平均よりサイズが大きめでも自信があって明るい性格でいい人である方がまわりに与える影響は全然違うのでは? むしろヘザーの方がステキに見えるのでは?、と思ったり。
実際クイーン・ラティファ、美人だよね!
自分の中の美の基準がどんどん多様化していることによろこびを覚えます。
そんなヘザーが働く(ちょっと昇進!)ニューヨーク大学の学生寄宿舎にて、またしても怪事件勃発。
しかも明らかに事故ではなく殺人ということで大変な盛り上がりを見せるのですが。
実際、事件と犯人についてはそんなに意外性がなくて、ミステリとしては弱さもありますが、やはりこのシリーズは人間関係の面白さがメインかと。
過去に脱税して刑務所送りになってたヘザーの父親が出所してきて、ヘザーの感情の整理がついていないのにあっという間に同居しちゃったり(勿論そこは大家であるクーパーのはからいです)。 前作でとんでもない迷惑を及ぼしたあの二人が何故が弟子志願になったりと、なんとなく海外ドラマをワンシーズン見ているみたいな気持ちに。 それが結構、楽しいです。
夏の夜のわるい夢/ジェイニー・ボライソー
コーンウォール・ミステリーシリーズ第6弾。
そろそろ第7弾が刊行予定だそうで、それがシリーズ最終巻になる模様。 確かに終わりが近づいているように、人間関係にそろそろ結論が出そうです。
画家として順調なキャリアを築いているローズ・トレヴェニアンのことを、町の人たちがみんな信頼しいろいろ相談したくなる・・・という気持ちはよくわかるのですが(ローズの友人たちもそれぞれ個性が際立っているし)、何故ローズはジャック・ピアースを相手にするときだけ素直になることができないのか。 その意地の張り具合は「君はティーンエイジャーか?!」てな具合です。 もういい大人なんだからはっきりさせましょうよ、というか素直になりましょうよ、という感じに(まわりの人間もまたそう思っているのが笑える)。
ただ今回の犯人に対する解釈はあまりに紋切り型で、精神異常で片付けてはいないものの、それこそ「ホラービデオを見ていたから猟奇殺人犯になった」みたいな結論に似ていて、そこは賛同できませんでした。 もうちょっと犯罪心理学的に深いものにつながればな・・・でもそれはコージーには、高望みなのかしら?(別にバカにしているわけじゃないですよ)。
多分、最終巻も読んでしまうんだろうな、と思います。 がんばれ、ジャック!