2012年06月27日

外事警察 その男に騙されるな

 尾野真千子さん初主演ということで、当時のNHKのドラマ版は見ていました。
 純粋な正義感を持つ優秀な女性警察官が公安という組織の表と裏を否応なく学んでいく・・・という話だったのに、後半は渡部篤郎演じる<公安の魔物>住本があやしすぎて主役にスイッチ。 この映画も渡部篤郎にもっていかれてる・・・。
 NHKやBSでも再編集版や再放送をしていましたが、一切見直さないまま。 ま、見てたら思い出すかなぁ、と。

  外事警察ポスター.jpg 予測不能な結末。 全ては真実か、嘘か。

 警視庁公安部外事課に、震災で大混乱の東北の大学研究施設からある研究データが盗まれたとの情報が入る。 また同じ頃、朝鮮半島の国境近くで盗まれたウランが秘密裏に何者かの手に渡ろうとしていた。
 冒頭から韓国・朝鮮語が飛び交い、「あれ? あたしは日本映画を見に来たんだよな?」と確認したくなる。
 何故かはよくわからないのですけども、“北朝鮮”とは誰もひとことも言わないのだ。 あえて言わなければならないときは、「あの国」と・・・。 あの国は名前を出してはいけないのか?(しかし見てる人は誰もがそれを北朝鮮だとわかるのであるよ)。 それが気遣いなのか(何に対して?)、あくまでフィクションですよという言い訳なのか?
 と、すっきりしない感じがずっとありました。
 住本は日本国内に潜伏している半島の工作員からウラン移動に手を貸している男(イム・ヒンジョン)を絞り込み、その妻の果織(真木よう子)を公安に取りこむ協力者に仕立てようとする。 同時に住本は韓国内に潜伏する在日二世の原子力の科学者徐昌義(田中泯)を探し出して日本に連れ帰る。 しかし徐博士は北にとっては原子爆弾を扱える数少ない学者だからたやすく手放すわけもない。

  外事警察5.jpg もはやいる場所がどこでも、映像はざらざらした手触り。
 美人を揃えておきながらあえて美人に撮らないという・・・普通の感じというか、果織はあまり自分がどう見えるかということをあえて気にしたくないタイプだからか、ノーメイクもしくはメイクダウンで映っているので、なんかハラハラ。 少し痛々しいほどなんですけど・・・でもそれも役づくりの一環なのかしら。 ライティング暗めなので、松沢さん(尾野真千子)の“潜入”も、<生活に疲れた主婦>って感じだった。
 住本が果織を“落とし”て、協力者にするまでのやりとりがちょっと長かったかな(ここを軽く流したら説得力がなくなるというのもわかるのですが)。 あと韓国の諜報機関NISの動きも明らかにあやしすぎるのに外事がいちいちつっこまないのにもイライラ(ま、最後にはまとめてつっこんでますが)。
 特筆すべきは田中泯さんです。
 「わかりあえると思っているのか」
 そのまなざしと、一言が、重い!!
 終盤はかなりたたみかけで時間がないのかと思わされるけれど、そこで必ず出てくる日本側の主張「それでもわかりあえることが前提」がひどくむなしく響きます(多分映画としては感動を呼ぶ部分なのでは、だが)。

  外事警察3.jpg カットによって真木よう子のシャツについてる血のシミが違うように見えて、気になる。
 すべて終わったあと、果織が松沢に言う。
 「あの人の持ってきた情報、本物?」
 何年も住本の下で働いてきた松沢が気づかなかったことを、ほんの一時期協力者だった果織のほうが正確に見抜く。 協力者と外事職員の関係はある種の魂の交感ですか。 なんかぞーっとしちゃいましたよ。
 事件があらかた片付いたあとは映画はまったく別の表情をとりはじめ・・・住本の<公安の魔物>っぷりが一気に炸裂し、まるで別の映画になったぞ・・・次の映画に続くんですか、みたいな。 これやってたらずっと終わらないんじゃないか、という。
 いや、終わらないんだろう。 韓国からも、北朝鮮からも、中国からも工作員やスパイはどんどんやってきている。 外事の仕事には終わりはないのだ。
 予告CMでは<その男に騙されるな>という副題やブルーノ・マーズの歌もガンガン使用されているが・・・本編では一切スルー。
 なんだったんだろう、これがマーケティングというものか。

posted by かしこん at 03:41| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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