2012年05月20日

引き続くコージーミステリ その4



サイズ12はでぶじゃない/メグ・キャボット



 これはシリーズ三部作なのですが、『サイズ12はでぶじゃない』・『サイズ14でも



でぶじゃない』・『でぶじゃないの、骨太なだけ』というタイトルだけで見事な三段オチ。



以前からずっと気になっていたのでした。 “でぶ”ってひらがななのもいいのよね。



カタカナだとなんか暴力的な感じ。



   なんか・・・ドーナツが小さい?



 主人公の<あたし>、ヘザーは28歳、ニューヨーク大学学生寄宿舎の副寮母。



 でもティーン時代はポップスターだった過去を持つ、という設定勝ち。



 エレベーター・サーフィンの事故と思しき死体が寮で発見されるけれど、ヘザーには



その被害者がエレベーターサーフィンをするタイプにはとても思えず、殺人に違いない



と考える。 ヘザーの大家で私立探偵のクーパーに忠告されながらも、ヘザーは



調査に乗り出すが・・・という話。



 サイズ12はアメリカンサイズなので、日本でいうサイズ15ぐらいらしい。 



 体型同様、他の人にも寛容なヘザーのお人よしな感じは微笑ましくもあると同時に



イラっとするところもあり。 そのくせ妄想過多という・・・何故、殺人事件を追いながら



セクシーな男性にうっとりできるのか、ちょっとそこがわからないけど。





ショコラティエの勲章/上田早夕里



 京都の老舗和菓子屋<福桜堂>の売り子とした働く主人公が近所にできた人気



ショコラトリー<ショコラ・ド・ルイ>のシェフと知り合い、事件を解決していく話・・・



かと思ったら、コージーミステリというよりは≪日常の謎≫に近い方でした(それこそ、



北村薫の『円紫さんと私』みたいな)。



 しかも舞台はその和菓子屋さんの神戸支店なのでした! はっきり場所の表記は



ありませんが、雰囲気として「元町商店街?」と思って読んでいた。 ショコラトリーの



喫茶コーナーが5時閉店というありえない早じまいもそれっぽい。 でもすべての舞台が



神戸というわけではなく、阪神間の狭さというか移動の便利さを感じさせられます。



   装丁からもう、チョコレート。



 第一話では佐々木丸美の『罪』シリーズばりの、人の心の残酷さや罪悪感のない



様子を書きつづってくれるのかしら、と期待していたら、話が進むごとに「いい話」っぽく



おさまってしまい・・・ちょっと残念。 その分、和菓子洋菓子の表現が事細かで、全然



説明がないけれどいいのかこれで!、と思うくらい専門用語がいっぱいです。 語り手、



なんでも知ってすぎじゃない?



 でも、いい腕を持つ菓子職人たちの横で、自分は食べるだけの人間だから、と覚悟を



決めるところは好き。 職人の矜持を描きつつ、それを味わう側の矜持も描かれていて。



あたしも主人公同様、食べるだけの人間だから。



 <客>であることの自負を、あたしも考えます。


posted by かしこん at 04:15| Comment(0) | TrackBack(0) | ☆ 読んじゃいました | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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