2012年03月21日

ヤング≒アダルト/YOUNG ADULT



 『JUNO/ジュノ』の監督・脚本コンビ復活ということで、しかもイタい女子メインの話と



いうことで楽しみ半分・怖いもの見たさ半分(自分にも降りかかってくるものがあるかも



しれない、と思って)。



 自称作家、実体はゴーストライターのメイビス (シャーリーズ・セロン)は人気のYA



(ヤングアダルト)作品シリーズを書き続けてきたが、その人気も次第に頭打ち、今



書いている作品が最終巻となる。 ミネアポリスという大都市だが中途半端な都会の



マンションに住み、37歳、実はバツイチ、恋人なし、スピッツと現在は二人暮らしの



がけっぷち女という自覚はあるものの、高校時代はみんなの人気者だったという過去の



栄光の記憶が邪魔をして先に進めない。 そんなある日、高校時代の元カレ・バディ



(パトリック・ウィルソン)から「子供が生まれました!」のメールが届く。



 これを何故か<神の啓示>と受け取ったメイビスは「彼は平凡な日々から逃げた



がってる。 私こそが彼の運命の相手!」と一気に盛り上がり、故郷の町へと車を



走らせるのであった。



   大人になれなくて何が悪い!



 と、ここまでのあらすじでもかなりイタい。 日常生活における彼女の態度も、



かなりイタい。 美人だから尚更イタい。 うわー、どうしようと何故かハラハラする。



元カレが昔くれたカセットテープを引っ張り出し(今も持ってるのかよ)、車の中で



お気に入りの曲だけリピートを繰り返す、一緒になって「これぞ自分たちのテーマ



ソング!」みたいにして歌っちゃう姿だけで、メイビスの性格がほぼ浮き彫りになる。



うまい構成です。



 地元に戻って最初に会う高校の同級生マット(パットン・オズワルト)とのやりとりから



まず無茶ですが、マットというキャラクター設定もいろんな意味でぎりぎり(ゲイだと



誤解され、いじめっ子集団にリンチされあやうく半身不随。 今もその後遺症は残る)。



アメリカの高校ってどんだけ危険な場所なの・・・日本だとそのレベルは中学校だぞ。



 で、酒が入ったせいもあるがメイビスはほぼ初対面の相手・マットに「元カレを取り返す



作戦」について語ってしまう! おいおい、謀略を張り巡らせるならもっと思慮深く!



 冷静なマットはメイビスを傷つけないようにと遠回しに「それはやめといたほうが」と



アドバイスするのであるが、それを素直に聞き入れる性格ならばこんなところには来て



いないのでした。



   ホテルで食べるものを物色中。

   1パイントアイスクリームと2ℓコーラは必須。 尚、Tシャツはキティちゃんです。



 一人で食事に行くのはファストフード店ばかり。 なんでそんな食生活で体型と健康を



キープできるのか!(キープできていないことはのちにわかるが)。 基本的に食事が、



高校生の頃のまま。 考え方も生き方も、彼女は高校生の枠から出ていないとわかると



憐れさが漂い始める(これ、シャーリーズ・セロンがやってなかったらそれでは済まない



ほど痛すぎる役である。 彼女もチャレンジャーだなぁ)。



 とはいえ、マットとその妹、メイビスの両親など、この町に住む人たちの造形・キャス



ティングも見事なのである。 意外と、無駄な人もいなければ足りない人もいない。



やはりこの監督・脚本コンビは相性がいいのかも。



   バディを落としに行くときはこれぞ!な服で。



 しかしその場所は地元運営のファミレス(夜はバーになりますが)的な店で、メイビスの



気合いは周囲から浮きまくり。 おまけにバディの奥さんが参加するバンドが演奏する



のは、メイビスが自分のためにもらったと思っていたあの曲。 そりゃ、こんな顔にも



なりますよね。 これで負けを認めてしっぽを巻いて帰っていれば傷はまだ浅くて済んだ



はずなのに、引き際を心得ない彼女は更に闘志に火をつける。



 心は乙女なんですがね・・・怖いことになる〜、の前振りは十分。



   バディの子供のお披露目会に行って

        ・・・バディの妻&近所の人々と大激突。



 そうしてメイビスがなんでこんなにイタい人になっちゃったのかがわかるシーンでは、



それがあっさりと描かれてしまっているためダメージが少なく見えるんですけどそんな



ことはなく、深く納得。 人に歴史ありというか過去の傷が癒されないってこんなに



引きずるものなのね・・・と悲しくなってしまいました。



 ここが最大の共感ポイントなのに・・・恐るべし、メイビス!



 これまでは、「成長してないように見えても女はそれなりに反省したり次につなげようと



思ったりはするのに(実行できるできないはまた別)、男の人って全然成長しないよなー」



って思うことが多かったですが、すみません、間違ってました。 まったく成長しない女も



いました。 反省すること自体眼中にない人が。



 ある意味、それもすごい・・・。



 あたしも成長しきれていない人間ですし(中途半端に子供時代を引きずってるし)、



仕事もそこそこできそうに見られるけれどたいしたこと成し遂げてないし、現状に満足も



しているわけではないけれど、それでも彼女よりは心が平穏なのは何故だろう。



 過去の栄光がないから? ちやほやされるのが当たり前だと思ってないから?



 となると、メイビスの言うとおり「美人はつらい」ということかも。



 でも、いちばん大変なのは「性格がいいのに美人だというだけでまわりから敬遠される



美人」だと思うけど!



 思わず、メイビスの未来に幸あれ、と願わずにはいられない。


posted by かしこん at 04:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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