2011年11月26日

さすらいの女神(ディーバ)たち/TOURNEE



 マチュー・アマルリック、好きです! しかし彼が監督業をしていることを知ら



なくて・・・前回のカンヌ映画祭で最優秀監督賞を受けたのを見て知りました。



調べてみたら、もともと彼が映画界に入ったのは助監督としてだったという・・・



もともとそっち志向の人だったのね、と納得。



 ジョアキム(マチュー・アマルリック)はアメリカで“ニュー・バーレスク”のダンサー



たちを見染め、フランスツアーに連れ出すことに・・・公演は各地で大盛況なのだが、



さてジョアキムの思惑とは・・・という話。



   女は強くやさしく、世界を救うのです。



 ニュー・バーレスクの女性たちは“抜群のプロポーション”とも“絶世の美女”という



言葉とも離れたところにいるのだが、底知れぬ自信とともにパフォーマンスされる



ステージは驚くべきパワーにあふれている。 フランス人の取材に対し「私たちは自分の



ために、女性のためにステージに立つのよ」と言う。 そして実際、女性の観客も多い。



 なんだかかなりドキュメンタリーを見てるみたいな気持ちにもなる(実際、ダンサー役の



多くはほんとのニュー・バーレスクのダンサーであるらしい。 演技初挑戦なのに、



みなさん素敵にはまっている)。 そしてそれはストレートなまでの女性賛歌なのだった。



   ジョアキムはかつてフランスのテレビ界の

    大物だったらしいが、なにかトラブって業界にいられなくなったようだ。



 ニュー・バーレスクの女性たちの公演を成功させ、故国に自分の存在を知らしめると



いうのがジョアキムの目的だったのだけれど・・・結局のところダメ男テイスト満載の



ジョアキムはなんやかんやとトラブルを抱える。 先妻との間の二人の息子の世話も



まともにできず、仕事ほしさに入院中のかつての仕事仲間(どうも昔わけありの関係?



らしい)のところに子供連れて行っちゃうし(勿論待合室でほったらかしだ)、その昔の



彼女にはブチ切れられるし、フランスに戻ってきたのに結構さんざんな日々。



 しかしそんな彼の心の支えになり、いつしか救ってくれるのはパワフルな女性たち



なのでした。 実は女性に救われたダメ男が最大のフェミニズム理解者ですか?



   ステージでもパワフルだが、ステージを

     降りた彼女たちは常に前向き。 それが強さであり美しさ。



 いかにもフランス映画、という<人生のある時期を切り取っただけ、まだまだ人生は



続く>の話ではあるものの、細かなエピソードの積み重ねが非常にうまくつながって



いて、ジョアキムのダメ男っぷりがどんどんキュートに思えてくる。 女性たちがダメ男を



許容しているから、見る側にもその優しさが伝わって来るというか。 つまりそれだけ



映画は女性たちを魅力的に、その存在自体が神秘的なものとして描いているのです



(日本女性はダイエットを気にしすぎ。 女性はただいるだけで美しいのに、とのちの



インタビューでマチューが語っておりました。 かっこいい!)。



 油断してたら寝てしまいかねないストーリーなのですが、大雑把に見えて実は繊細な



描写、計算されて配置されたキーワード・物、そして彼女たちが抱える個人の事情が



はっきりしないけどちらりと見えることで女性たちへの興味が持続。 それぞれキャラ



わけがしっかりされているのでわかりやすいし。 というわけで無事完走。



   いいステージのあとは空気がなごやかで、

    でもどことなく色気が漂う。 あぁ、フランスだなぁ!



 ちょびひげ?姿のマチューは「どうかなぁ」と思ったものの、愛すべきダメ男には



ぴったりだったかも。 彼のデビュー作『そして僕は恋をする』がまた見たくなっちゃった



な〜。 放送してくれ、WOWOW!


posted by かしこん at 02:12| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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