2011年10月31日

あたしがカエルを好きなわけ



 中学校一年生の子供に本を読ませたいが、何かいいのはないだろうか、と知人から



頼まれる。 その子は女の子だそうな。



 先日過去の読書履歴を振り返ったばっかりだったので、瞬時に思い浮かんだのが



R・L・スティーヴンソンの『自殺クラブ』。



   あたしが盛り上がったのは小学6年ぐらいだったし。



 絶対面白いと思うんだよねぇ。 古典だから発想とかはその後の作家や作品に転用



されているけれども、スティーヴンソンの“語り”のうまさは簡単にまねできないもんね!



 自信満々でこの本を渡したら、親からその場でクレームが。



 「ちょっと、このタイトルは・・・どうなのか・・・」



 え? 一瞬言われている意味がわからなかった。 どうやら彼はタイトルから『バトル



ロワイヤル』的なものを想像したらしい・・・(いや、あれはあれで面白いですけどね)。



 しかし、<中一女子に読ませる本>というテーマに沿ってあたしは選んだのだから、



不適当なものを持ってくるはずがないではないか。 ロバート・ルイス・スティーヴンソン



だぞ? 『宝島』の、『ジキル博士とハイド氏』の作者だぞ! 1800年代の作家だと



わかった上でのその非難か?! 温厚なあたし、めずらしく怒りました。



 「だったらまず自分で読んで、子供に読ませていいかどうか確認しろ!」



 「いや、そんな暇ないんで」



 だからあたしに頼んだんだろ、みたいな。 親の態度がそれでよく「子供が本を読まない」



とか言えるな・・・あきれるが、子供に罪はない(はず)。 「とりあえず読ませてみてよ」と



渡す。 後日、「本人、かぶりつきで読んでいる」という報告が。



 ほら見ろ!、と言いたいところだったが大人なので我慢。 次に貸す本を探す。



 『夏への扉』かなぁ、でも最初が外国モノだから次は日本のがいいか。 仁木悦子



『猫は知っていた』はどうだろう・・・でも事件ものばかりでは偏るだろうか・・・あ、これだ!



   だれも知らない小さな国/佐藤さとる



 講談社文庫に最近収録され直したときに買い直したやつがあったはず。 買って



満足して読み返してはいなかったんだけど、新品同様のを人に貸すのも気が引けるので



(というか所有者はあたしなのだからあたしがいちばん先に目を通すべきなわけで)、



ぱらぱらと読み返す。



 唐突だが、あたしはカエルが好きである。



 カエルそのものもわりと好きだが(世界の両生類図鑑などで様々な色をしたカエルの



写真を見るのはとっても楽しい)、カエルをモチーフにしたグッズやキャラクター物も



基本的に好きだ。 その理由が特に心当たりはなかったのだが・・・この本を再読して、



気づいた。



 コロボックルたちは人間の目をごまかすために、ときにあまがえるのコートを着て



行動したりするのである。 つまり子供心に“あまがえる”=“コロボックル”という図式



イメージができてしまっていたのでは・・・だからカエルという存在を好ましいものと



思っているのでは。



 恐るべし、幼児期のすりこみ!



 まぁ、それがわかってもあたしがカエルが好きな気持ちが消えるわけではないのだが



・・・なんとなく謎が解けたみたいで、満足。


posted by かしこん at 03:05| Comment(4) | TrackBack(0) | 本・読書 reading books | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ルビー奥村さま<br>
<br>
こんばんは!<br>
実は『自殺クラブ』、光文社の古典新訳文庫で『新アラビア夜話』というタイトルで新しい訳が出てるんですが、そっちだったら文句は出なかったでしょうね・・・タイトルだけで決めつけるな! 偏見持つな!、って感じです。<br>
あたりさわりないタイトルだけど実は中身は相当やばい・・・というものもあるというのに。<br>
でもほんとは中井英夫の『虚無への供物』を薦めたいんですけどね! やばいですかね?
Posted by かしこん at 2016年12月04日 13:13
こんばんは! 寺山修司の「青少年のための自殺学入門」というのはどうでしょうか。よけい怒られそうですね。^^ スティーヴンソンの「自殺クラブ」、こんな有名な本をまだ私は読んでないです。中学生よりも先に読まなければ! どうも失礼しましたー。w
Posted by ルビー奥村 at 2016年12月04日 13:13
ルビー奥村さま<br>
<br>
こんばんは!<br>
『虚無への供物』、いや、内容的にはやばくない(と思う)んですけど、中井英夫には乱歩とはまた別の“毒”があるので、それに若いうちから染まっちゃうのもどうかなぁ、と躊躇しました(私には小学6年ぐらいで読んでおきたかったという気持ちがありまして、実際は高校生になってから読んだのですが)。それにあれはストーリー云々より文体とか雰囲気に酔う小説ですよね〜。実際には何が起こったのかさっぱりわからないと言われても仕方のない内容ですから。<br>
『孤島の鬼』は私も好きです! でもシャム双生児とか一寸法師とか、今の中学生にわかりますかね・・・。<br>
同性愛的要素は逆にOKかしら?
Posted by かしこん at 2016年12月04日 13:13
こんばんは!。『虚無への供物』!!<br>
いきなりですか!^^ 日本三大奇書のひとつと言われる大作ですね。これは、さすがに読んでいますが、どんな内容だったか、あんまり覚えていません。そんなにやばい内容であったイメージはありません。分厚くて字がびっしりと詰まっているので、よほどミステリー好きの子でないと、挫折してしまうかもですねえ。ここは、やっぱりお薦めは、乱歩の「孤島の鬼」ではないでしょうか。ww 読後さわやか。ほっこりとした気持ちになれますので。^^
Posted by ルビー奥村 at 2016年12月04日 13:13
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック