2011年10月17日

Z(ツエット) 完全版/青池保子



 本屋さんで見つけて仰天した。 何故、今頃!



 そしたら『エロイカより愛をこめて』出版35周年記念だそうである・・・はっ、出版社が



秋田書店になってる!! 版権まとめたのか!



 しかも豪華版、カラーページも再現、そして『暗号名はほんのジョーダン』もしっかり



収録となったら買わずにいられようか。 あたしは花とゆめコミックスで『Z』の1・2巻を、



白泉社文庫で『Z』も持っているにもかかわらず、である。



   ちょっと若い感じ?



 <鉄のクラウス>ことエーベルバッハ少佐の部下AからZのうち、単独で主役を



張るのはZ君だけ。



 別にZ君だけが好きなわけではないんだけど・・・やはり作者も書いているように、



「(根がグータラだから)一生懸命な熱血人間の行動にロマンを感じる」からかも



しれない。 『エロイカより愛をこめて』では伯爵の存在がどうしてもコメディ色を



強めてしまうけど、『Z』シリーズはシリアスでリアルなスパイものとしての物語の



妙を楽しめるからかも。



 でも、一生懸命真面目にやっているからこそ面白い、という部分はどうしてもある



ので、ド・シリアスというわけでもないのですがね(あわてふためくときのZ君の心の



呟きが面白すぎる)。



 けれど、“情報部員とは非情な世界の一員である”という不文律は決して破られない。



『エロイカ』ではおちゃらけさせられる少佐もここでは“任務最優先だが部下にとって



最も頼りになる上司、かつ大変有能な情報部員”という本来の頼もしい姿を見せて



くれるのも素敵である(『エロイカ』では頼もしくないというわけではないのだが、



こっちの方がより教育係的上官っぽいのである)。



 ただ、東西冷戦時代だからこそ成り立つ設定であり話なので(描かれた時期も主に



80年代前半なので絵も彼らも若い!)、『Z』シリーズを続けるのは難しいし、作者も



そう考えて「もう描かない宣言」になったんだろうけど、『エロイカ』本編の方にもZ君は



登場するので寂しくはないよ!(そういう意味では『魔弾の射手』のような少佐が主役の



ハードボイルド話もまたつくりづらかろう・・・)



 現代でスパイものをやろうと思ったら『ボーン』シリーズのようになってしまうのだろうし、



コンピューターやネットとは切っても切れない世の中だし、スパイものにも<古き良き



時代>ってあったんだなぁ・・・。



 そして『暗号名はほんのジョーダン』ですが、作者には珍しいエッセイマンガ。



 たった16ページだけなのにあふれる情報量、何度読んでも飽きない構成、その昔は



ただ「面白い〜」としか読んでなかったけど、改めて読み返すとすごい技がさりげなくも



つまっていることに感銘(暗記してしまうほど読んでいるのに、また読んでしまうのだから



どういうことだ)。 生肉のフィレ、食べてみたくなるわ。


posted by かしこん at 03:43| Comment(0) | TrackBack(0) | ☆ 買っちゃいました | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック