2011年09月20日

探偵はBARにいる



 この映画を見始めて、なんだかやたらと“見覚えのある感”。



 主な舞台はススキノだから北海道とはいえそれほど雪は多くない(でもちょっと



郊外に行ったらそれはもうすごいことに)。 でも気温は低いから雪の降り方が



北国のもの。 でも見覚えというのはそういうことではなくて、カット割りとか音楽の



入り方とか・・・すごく見たことがある感じ。 エンディングでスタッフがほとんど



『相棒』と丸かぶりなことに気づいて、納得!(家に帰ってチラシを見たら、“『相棒』の



スタッフが送る・・・”と書いてあったよ) ま、結局あたしは大泉さんにつられて見て



しまったわけなんですが(原作はハヤカワだからなじみがあるし)。



   何かあったら、電話してくれ



 ススキノのあるバーに居座り、そこの電話番号を名刺に刷っている<探偵>



(大泉洋)は普段は飲んだくれているが、依頼があればすぐさま運転手の高田



(松田龍平)とともに調査に乗り出す。 ある日、“コンドウキョウコ”を名乗る謎の



女から依頼が入り・・・という話。



 現代に設定は変更されていますが、大変古臭く、泥臭い。 ススキノだからで



あろうか? 明らかに80年代、という風情(原作の設定は80年代だったような



記憶あり)。 かなりコメディ色が強く、探偵の<一人称:俺>のナレーションは



非常に『バーン・ノーティス〜元スパイの逆襲』の日本語吹替版とかなり似た雰囲気



(だからキライではないんだけど)。 最後までこのコメディ調が失われなければ



もっと好きだったんだけど、探偵さんは途中から熱血に走ったり必死になり過ぎたり、



ハードボイルドなことを思い出したようにかっこつけたりするものの(でも探偵さんの



服のセンスはかっこいい)、そのくせ肝心な事件の真相には気づかない・・・観客は



すでに気づいているので、「なにやってんだ、お前!」と思ってしまうのだ。 まぁ、彼は



名探偵ではなくただの探偵だということなんでしょうかねぇ。



 もしくは、一緒になって騙されるのがこの映画の醍醐味かも。



   光岡自動車のヴィートがキュート過ぎ。



 探偵の相棒っぽい高田君が非常にいい味を出してますが、なんだかんだと探偵さんの



単独行動も多いので高田くんは相棒というより便利な人に見えてしまい、どうせなら



もっと見せ場をあげなよ・・・と思ってしまう(どうも続編つくる気満々みたいなので、



高田君の出番はそれから増えていくのでしょうか)。



 悪役というか悪い側の手先、みたいなピアスだらけの男を高嶋政伸が非常に気持ち



悪く、かつ楽しそうに演じていて、これまでいい人ばかり演じていたのは実はストレス



だったのか?、と感じさせるほど(『ジェネラル・ルージュの凱旋』でもあやしげな役が



似合っていたし)。 「生まれたときからヤクザ顔」と探偵に言われる松重豊さんに



すっかり悪徳弁護士な中村育二さん、懲りない性癖の新聞記者田口トモロヲ、



キャバレーの客引きマギー(『相棒』でも北海道出身のキャラ演じたのでは・・・



薫ちゃんに諭され真面目な仕事に就いたはずでは、とつい思ったり)など、脇を支える



役者の方々もかなりオールスターキャストであたし好みではあるんですが、その



バイオレンス描写はそこまで必要なの?、という疑問が(というかそこまで殴られたり



蹴られたりしてたらそれだけの怪我ではすまないのでは? タランティーノへの



オマージュとも考えられますが)。



 全然警察が動いている気配が感じられないのも、警察は無能もしくはススキノは



無法地帯という感じに受け取れてやな感じ。 そうそう、探偵がヤバいと感じてある家に



向かったら時すでに遅くその家の人は殺されていた・・・の場面では憤った探偵は



家の中のものに八つ当たりしまくり。 「犯行現場を荒らすなー!」と心の中で叫んだ



あたし(しかも素手でやっているから指紋残るではないか。 何故警察は探偵を調べに



来ないのか?)。 そのようなリアリティを求めてはいけないんでしょうけど、だったら



何故設定を現在にする必要があるのか・・・。



 ミステリとしては正直、薄味です。 バイオレンス強めの“古臭いハードボイルド・



コメディ”として割り切るのならシリーズ化はありかもしれませんが・・・もっとコメディを



強くした方が大泉洋の地で行ってると思わせられて楽しいかも(だからこそ「もっと速度、



あげてくれーっ!」の絶叫が悲しく響く)。 



 役者としての彼の技量は『アフタースクール』で証明済みだから、ここはあえて地だと



思わせたほうがいいんじゃない?


posted by かしこん at 01:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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