2011年09月18日

夜より暗き闇/マイクル・コナリー



 順調に、ハリー・ボッシュシリーズ7作目を読了。



 しかしこれはいささか趣が異なり、シリーズ的には番外編的な位置づけか?



ここから版元が講談社になっています(しかし8作目『シティ・オブ・ボーンズ』は



ハヤカワ文庫から、しかもこの本よりも先に出版されたらしい。 当時、各出版社で



版権の争奪戦でもあったのか?)。



   今回初めて、

                       ヒエロニムス・ボッシュの絵を表紙に使用。



 実は、今回の主な語り手(というか視点人物)は元FBIプロファイラーのテリー・



マッケイレブ。 彼は同じくコナリー著の『わが心臓の痛み』の主人公でありますが、



あたしは未読。 それが原作の映画『ブラッドワーク』は見ています(主演・監督は



クリント・イーストウッド)。 だからバディが出てきたときは本を取り落としそうに



なった・・・原作と映画の結末は違うのか・・・唖然。



 まぁ、それはこの話には関係ないけど。



 引退したテリーのもとに、以前のFBIの同僚がプロファイリングを依頼してくる。



平和な生活を乱されたくない、と断るテリーだったがこの仕事は自分の天職だという



感覚が戻ってきてしまい、自分を偽れない。 調査をするうちにこの件のカギを握る



のはハリー・ボッシュだと考えるようになるが、ハリーは別の事件の裁判で全米の



注目を集めていた、という話。



 これまではハリーの視点で物語が動いていたが、今回はテリーから見たボッシュの



姿が描かれている、という点で番外編的感覚をおぼえる(別作品『ザ・ポエット』の



主人公の新聞記者ジャック・マカヴォイもいいとこなしで登場するし、オールスター



サービス作品?)。 内容としてはかなり戦慄を感じさせるものですが(ボッシュの



心の中の闇がこんなにも深いと感じさせられたり)、事件としてはちょっとご都合



主義というか、ちょっと不確定要素に頼り過ぎではないかという部分もありで「ううむ



・・・」となってしまった。



 が、いちばん驚いたのは画家ヒエロニムス・ボッシュの絵がものすごく邪悪なものを



描いている、と解釈されている点。 あたしは結構ユーモラスというか、グロテスクでは



あるものの面白い絵だと思っていたので、あたかもこの絵の存在自体が見た人の中に



ある“悪”を呼び起こさせるみたいな表現には首をひねった。 それは時代のせい?



アメリカ的解釈ではそうなるということ?



 で、引き続き『シティ・オブ・ボーンズ』にも入ってますが、版元が変われば翻訳の



調子も変わるのか?、と思ってしまうほど端正な印象。 それともシリーズ自体が



『夜より暗き闇』でまた一区切り、次から新しい展開に移るということなのか。



 でも9作目からまた講談社に戻るのよね・・・(その後はずっと講談社から刊行)。



 よくわからないわ〜。


posted by かしこん at 05:26| Comment(0) | TrackBack(0) | ☆ 読んじゃいました | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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