2011年06月28日

プリンセス トヨトミ



 「あぁ、だから大阪は東京を目の敵にするのか」と納得した一本。



 豊臣秀吉人気が根強い大阪と、江戸幕府を開いた徳川家康が結果的に首都にする



きっかけになった東京では『大坂夏の陣』を境に変わってしまったのだわ〜。



 おバカでショッキングなシーンから幕を開けるけれど、実際の物語は会計検査院から



三人が実地調査のために大阪に派遣されるところから。 一見、なんでもなさそうな



OJOという関連団体がどうもあやしい・・・と密かに調べていた最中、驚くべき事態が



起こり・・・。



   大阪全停止。



 まず登場人物のネーミングからすべては仕掛けられている。 会計検査院の3人、



「鬼の松平(松平元)」(堤真一)・旭ゲンズブール(岡田将生)・「ミラクル鳥居(鳥居



忠子)」(綾瀬はるか)と徳川に関連する名前(旭くんは本来女性のほうがいいんじゃ



ないのかなぁ、と思ったら、原作では旭と鳥居の性別は逆であるらしい。 キャラ的に



綾瀬はるかは鳥居さんのほうがはまっているので、そっちが優先された模様。 尚、



朝日姫‐旭姫と書くものもあり‐は徳川家康の継室であり、豊臣秀吉の実の妹である。



それがハーフという設定につながっているのかなぁ)。



   そんな、三人。



 まぁ、基本的に、おバカ映画でございます。



 出てくる人がみんなあやしい、なにかいわくありげ、となったらこれは『オリエント



急行殺人事件』方式しかないでしょ!



 とはいえ、大阪全停止の割に電気はついているのね、とか、ここまでの大都市に



なっちゃったらそんなこと知らずに住んでる人もいるだろうし、そもそも女系家族は



どうしたらいい?、などとツッコミどころは多々ですが、それは野暮というもの。



   鳥居さん、食べまくり。



 とりあえず登場人物同士のやりとりは面白い。 中井貴一のお好み焼き屋の



おやじ姿、似合わない〜(堤真一と役が逆でもよかったかもしれない。 年齢的な



問題ですか?)。 まぁ面白いんだけど、『鹿男あおによし』的なインパクトには欠ける



かなぁ(玉木宏がにぎやかなたこ焼き屋のにーちゃんとしてサービス出演してます)、



と思ったわけです。 結構な部分を台詞で説明しちゃってるし、息子のトランス



ジェンダーの件は結局放置かい!(これ、三通りに解釈できるんだけど・・・)だし、



ラストシーンのダメ押ししすぎに代表されるようにテレビドラマ的演出が抜けてない



ところもあるし、映画としてはどうなんだ?、という(そしてそもそも話としても「だから



どうなんだ?」と言われたら返す言葉がない感じにも・・・)。



   多分、息子を持つ父は泣く話、だと思う。

   そして父親になにかわだかまりを持ったままの息子にもまた、グッとくる話でもある。



 しかし、“大阪の東京嫌い”についてより考えたときにふと気付いた。



 ここで提示されているのは、『くに』(それは『国家』だったり『国体』だったりする



もの)を、争いごとなくかつ長く続けるための唯一の方法ではないか? そして



日本はその方法でずっと自然にやってきてしまったがために、そのすごさとか忘れて



しまってるんじゃないか? その素晴らしさに気づかないからこそ、その理屈が国際



社会に通じないことが理解できない人が出てきてわけわかんないことになっている



のでは? もしくは、完全に通じないと思い込んでいるために、それを日本側の非と



とらえてしまっているのでは。



 実は、このやり方を世界のロールモデルにすることが、世界平和の近道なのでは?



 うむむむ・・・と、考え込んでしまった。



 「『プリンセストヨトミ』って結局誰のことだったの?」と帰りのエレベーターで言ってた



人がいたが、はっきり描かれなかったのは多分誰でもよかったからだ。



 “象徴としての存在”そのものがはっきりしていれば、それでいい。



 あぁ、見た人のどれくらいが気付いただろう!



 こんなおバカ話の中に「この国はとても素晴らしいんだよ!」という力強いメッセージが



隠されていることに。



 それにうっかり、感動してしまいました。



 ただ、どうしても『画』がテレビサイズなのよねぇ(テレビで見たら「おおっ」と思う



かもしれないけれど、スクリーンではいまいち映えない)。 鈴木雅之監督の弱点は、



そこだと思う(でも『HERO』よりはましになったので成長しているのかもしれない)。



 今後に期待したいところです。


posted by かしこん at 03:54| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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