2011年05月22日

お家をさがそう/AWAY WE GO



 大作やら重たい作品ばかり撮ってきたサム・メンデス監督が、低予算でとりあえず



撮りたいやつ撮ってみた、という本作は、かなり肩の力の抜けたロードムービー



だった。 邦題は『おうちをさがそう』と読んでください。



 バート(ジョン・クラシンスキー)とヴェローナ(マーヤ・ルドルフ)は同居している



仲のよいカップルだが、ヴェローナの信条により結婚はしていない。 が、思いがけず



ヴェローナが妊娠。 しかもバートの両親がよりにもよってベルギーのアントワープに



引っ越すと爆弾発言をしたことで(二人はバートの両親の家の離れ?に住んでいる



らしい)、自宅は売却される運命に。 お互い三十歳すぎなのに親に依存し、“自分たち



だけの生活基盤”ができていないことに気づいた二人。



   どうしよう!、とあわててみたものの。



 さいわい、二人ともどこに住んでもできる仕事(バートは保険関係?、ヴェローナは



イラストレーター?)があるので、生まれてくる子供のために三人で家族としてやって



いくいちばんいい場所はどこなのかを探すため、二人は全米各地にいる友人知人を



訪ねて歩くのだが・・・という話。



 いい人オーラ全開のバート、どうもどこかで見た感じ・・・と思ったら、『恋する



ベーカリー』の娘の婚約者か! ひげともじゃ髪でわからなかったよ! あれも



すごくいい人の役だった。 もはや本人もきっとそういういい人なんだろうなぁ、と



この“人のよさ”は演技以上のものを感じる(そりゃエミリー・ブラントも結婚する



よなぁ、と納得)。 こんないい彼氏がいるのならそれで十分では? 住むのが



どこでもいいならどこでもいいじゃん(というか全米各地を回る旅費があったら



近くに家を借りられるのでは?)、と映画設定の根本をひっくり返す感想が出て



くるのですが。



   久し振りの再会、みな最初はいい感じだが・・・。



 そして訪ねる先々の家はそれぞれ見事に違う問題を抱えており(このあたり、



やりすぎギリギリのところまでブラックユーモア満載)、子供を育てるのが不安に



なるやら反面教師になるやら。 あっけにとられた後、バートとヴェローナがしみじみ



語り合う場面がよかった。 口げんかしつつも、二人の絆がどんどん深まって



いくのが感じられて。



   とてもお似合いの二人に見えてくる。



 音楽もちょっと昔の“古き良き時代”的サウンドが多く、それも旅を心地よく感じ



させている要因かも。



 ちょっとずれた感じのあるバートとヴェローナが、旅を続けるごとに(会いに行く



人たちがおかしすぎるので)どんどんナチュラルに見えてくるのも好印象。 ただ



ヴェローナがかたくなに結婚を拒む理由がはっきりしなかったのが気になるといえば



気になるんだけど、そういうのは本人もわからないことだったりするし、そういう部分も



受け入れるのがまさにバートの“愛”だったりして、でもこの先にはバートの気持ちを



ヴェローナが受け入れる余地が漂っていたようにも感じられるし、今後の展開はまた、



わかりませんが。



 ある意味“青い鳥探し”なので幸せは近くにあるわけですが、遠回りをした方が



見つけたときのよろこびは大きいのでしょう、きっと。



 多分、サム・メンデス監督は離婚後か離婚問題真っ最中にこの映画をつくって



いたのでは・・・と思うと、余計なお世話ですが微妙な気持ちになります。 これも



一種の、自己セラピー?


posted by かしこん at 05:52| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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