2011年02月21日

出遅れシアター → 見忘れ日本映画

火天の城
 やっと大河ドラマ『江』の第一話を見て・・・お市の方の御輿入れから朝倉・浅井家滅亡までを駆け足で描いちゃったことにびっくり(まぁ、先は長いし、あくまで前段だからなんですが)。
 それで、「あ、『火天の城』観てないわ」ということを思い出して、見てみることに。
 織田信長(椎名桔平)から「この山を丸ごと城にせい」と安土城の建設を命じられた熱田の宮番匠・岡部又右衛門(西田敏行)。 しかも三年で建てろという。  無茶を承知の注文だが又右衛門は引き受け、彼を棟梁として慕う男たち、村の者総出で建築に携わることに。

  火天の城.jpg 模型で比較
 なんといいましょうか、日本の木造建築の繊細さを描いた映画、というかそこが見どころだと思います。 逆に言うと、それ以外ない・・・。
 棟梁の娘(福田沙紀)が映った瞬間、「うわっ、この役は原作にないな! 男たちばかりで華が足りないと思った脚本家や製作者が強引にねじ込んだ役に違いない!」と確信できてしまう。 こういう地味な時代劇をつくり続ける東映には敬意を表しますよ、だからって中途半端な改編はいらんのじゃ!、ということに早く気づいていただきたい。 が、性懲りなく「信長暗殺計画」やら「村人の恋愛」なんかをストーリーに絡めてしまい、邪魔この上ない・・・。 なんでプロの職人たちによる安土城建立の偉業と、それが三年で焼失してしまう憂き目にあう、という“諸行無常”的物語に絞り込めなかったのか。 あぁ、もったいない・・・。


ICHI
 こうなったらなんか意地になり、ダメっぽい邦画を続けて見ることに。
 え、これ、『はなれ瞽女おりん』じゃん!、と思ったのはあたしだけ? あえて座頭市の名前を引っ張ってきた意味、ある?
 別に“女座頭市”を使わなくても、“剣術の達者なはなれ瞽女”で十分オリジナル設定でいけたでしょうに。

  ICHI.jpg 笑顔、封印
 綾瀬はるかはすごく立ち回りやら三味線やら頑張ったんだろうな、というのがわかって大変好感のもてる仕上がりではありますが、いかんせん大沢たかおが演じる浪人者がうざすぎる・・・過去のトラウマのため刀を鞘から抜けないという人物なのだが、明らかに「その刀、鞘から抜けないように接着剤でくっつけてるでしょ」という抜けない感(バカにしてんのか!)。 しかも木刀ならば誰にも負けない剣の腕だそうなのである・・・だったら目の前で人が斬られているのに隠れてどうする! 鞘ごと向き合えばいいではないか! なんでこんなうざいやつを「子供のようにけがれていない者」と認識するとは、お市さんはどんだけひどい人とばかりかかわってきたのだ!
 なので、最終的に彼女のために剣を鞘から抜く、という本来感動的な場面ですらも「おせーよ!」と観客(あたし)に罵倒される始末。
 曽利文彦監督には珍しく日本的なものにあえて特化したつくりはよいのですが・・・なんなんですかねぇ、脚本が安かったのでしょうか。


感染列島
 新型インフルエンザによるパンデミックを描いた映画、という宣伝文句だったと記憶してましたが・・・ベテラン救急医・佐藤浩市の一言に「え、目や穴からの大量出血も新型の症状として予測されてるわけ?」と目が点になる。 普通に考えたらそれ、エボラとかマールブルグから変異したものでしょうよ。
 いくらもう一人の救命医(妻夫木聡)が経験浅くて若いからって、その段階で考えられる“患者ゼロ”を放置するとはありえないだろ! 血清をとっておけ!、とツッコミどころ満載でした。 結構すぐマスクはずすし、いろんなものを素手で触るし、あやしい建物に入るときは一応マスクをつけ直すけど同じ素手でやってたら意味あるか!
 どんだけ妻夫木くんは抵抗力というか免疫力が高いのか・・・。

  感染列島.jpg 都市機能崩壊?、のわりに?
 が、更に恐ろしいことに、描かれるのは「日本人としての美徳ゼロ」。
 誰もマナー守らない、誰もみな自分のことばっかり、誰も助け合わない。
 こんなんだったら日本滅びても結構だ、な終末感に満ちております。
 その割にはパニック度は低いというか、いつの間にか患者数が増え、どんどん人が死んでるのにいつの間にか終息してる、みたいな。
 もぐりのウィルス学者(カンニング竹山)、鳥インフルエンザの専門家(藤竜也)などかなりいい味出してるキャラもいるのに描かれ方が中途半端なんですけど! とくに竹山くんのその後はぜひ知りたいところ。 妻夫木と壇れいの恋愛話のディテールなんていりません、そっちを描いてほしかった。
 そして近所の養鶏場で発生した鳥インフルエンザがこの病気とは直接関係がなかったとわかったときのマスコミの反応とかも描いてほしかったですけどね(むしろ彼らの中から死者が出てほしいよ、と思ったのはあたしだけか?)。
 強毒性の新型インフルエンザやそれに類する突然のウイルス感染がきたらこうなりますよ、というシミュレーション映画ということなのかもしれませんが・・・医療関係者の良心に頼ってるだけに見えてしまってこれが国民の心構えを促す物たりえるのか、ちょっと疑問です。
 瀬々監督はこれで大作に嫌気がさしてインディペンデントに戻っちゃったのかなぁ(しかし来月神戸でも『ヘヴンズストーリー』公開になるのですが、期間は6日間で一日一回のみ上映、しかも昼間って。 日曜しかチャンスないじゃん!)。

 さすが、見逃してただけのことはある。
 大作の邦画ってこんなもんよね〜、ってなっちゃうのがかなしいなぁ。

ラベル:日本映画
posted by かしこん at 01:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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