2010年12月31日

隠された日記〜母たち、娘たち/MERES ET FILLES

 理解し合えない母娘、というテーマは最近多い気がする。
 いや、もとからあったんだろうけど、そういう作品の公開が続く印象があるせいかも。いま、予告でやっている『愛する人』もそんな感じだから。

  隠された日記1.jpg 手前から、娘・母・祖母

 この映画ではうまく意思疎通できない母と娘に加えて、突然失踪した母の母(つまり祖母)の存在が大きい。 つまり女三代のそれぞれの人生を壮大ではなく比較的コンパクトに描いて見せた作品で、その分余韻が大きいんですけどね。
 オドレイ(マリナ・ハンズ)は普段はカナダで働いているが、久々に両親の住む故国フランスの海辺の町に帰って来た。 父は歓迎してくれるが、医師である母のマルティーヌ(カトリーヌ・ドヌーヴ)の態度はぎこちない。 二人は昔からうまく意思疎通ができず、大人になってもそれは変わらなかった。 居心地の悪さを覚えたオドレイは近所にある、亡くなった祖父がかつて住んでいた海辺の家に移ることにし、台所を大掃除していた最中に失踪したと聞かされていた祖母ルイ(マリ=ジョゼ・クローズ)の日記帳を見つける。

  隠された日記6.jpg このお父さん、すごくいい感じ。

 たった三世代なのに、女性をめぐる社会的な環境はここまで変わるかという驚きとともに、変わらないものもやはりあるのだなぁ、としみじみ。 ちょうど激動した時代にこの三人があたったということもあるでしょうが・・・フランスでも「女性は家にいて、家事だけしていればいい」という時代があったというのがやっぱりなんか悲しい。
 しかし日記帳から垣間見える、そしてオドレイが今暮らす家に残るルイの姿は悲しいのだけれど美しくて。 抑圧されても貫きとおしたい自分の意志の輝き、というのでしょうか。

  隠された日記4.jpg でも家族を愛していたことには変わりないのに。

 けれど失踪した母を「自分を見捨てた」と恨みながらも母親の「女もこれからは仕事を持って自立しなければ」という教え通りに医師になっているマルティーヌは、とても複雑な心情を抱えて今まで生きてきたんだろうなぁ。 本人の平穏のためには子供は産まなきゃいいと思うのだが、それでも彼女は娘を産んだ。 そこに救われたい気持ちがなかったなんて言えないよなぁ、たとえ娘との関係構築に失敗しても。
 カトリーヌ・ドヌーヴ、やはり年齢が年齢なので(とはいえ美しいのに変わりはないんだけど)上半身にはお肉がついてきてしまってるけど、なんでそんなに脚が細くてきれいなんですか!

  隠された日記3.jpg 次の『しあわせの雨傘』も見るよ!

 会話は基本フランス語ですが、オドレイがカナダの人と電話で話すときは英語になる。 それがなんか、違う言葉を話すことでその人のキャラクターもちょっと変わるようにも見えて面白かった。
 美女三人の葛藤と克服の物語と思いきや、途中からミステリーになりました!

  隠された日記2.jpg 信じたくない真実。

 その事件としての地の足の着き方が『黒く濁る村』と大違いで、よりこちらのほうが悲しいのだが好感(?)を持った。 だからマルティーヌとオドレイは一緒に泣けて、一緒に乗り越えられる。 もとから憎み合ってたわけじゃない、ただお互い感情をうまく表現できないだけだったんだから。 海辺の家にはこんな話があってもいい、と思わせる素敵なロケーション。
 それもすべて、三人の演技が説得力があるからです!
 そしてやはり安易に泣かせないフランス映画、ルイの美しい横顔が最後まで物語を救う。

  隠された日記7.jpg それに見とれるオドレイの気持ち、わかる。

 マリ=ジョゼ・クローズさんって『潜水服は蝶の夢を見る』の看護師さんだったそうで・・・うわー、全然別人な感じ! 50年代の服装・髪型のせい?
 女同士は難しいが理解し合えると早い。 でもやっぱりそこまでが大変。
 いろいろ大変なんだけど、女のほうが人生は面白いのかも・・・そう思えた、これもよくできたいい映画でしたよ!

ラベル:映画館 外国映画
posted by かしこん at 02:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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