2010年12月30日

黒く濁る村/苔 MOSS

 あたしは正直言って、韓国映画があまり好きではない。 以前ショートフィルムフェスティバルで不条理ホラーを山ほど見せられたせいもあるかもしれない。 というか、不条理というより理不尽なのよね。 だからこれまでに感銘を受けたのはポン・ジュノ監督の『殺人の追憶』だけなのです。
 そして、もしかしたら韓流おばさま方の態度にも、あたしは反韓国映画の気分の影響を受けていたかも・・・。 この映画、なんとなく予告で中身は見えましたが(横溝正史的世界+『黒い家』って感じ?)、鍵を握るらしき人物のあまりに不自然な老けメイクが気になって気になって・・・そこに何か意味があるのかと確認したくて。

  黒く濁る村3.jpg 左の人、変でしょ?

 で、見て・・・思ったことは・・・「これは、なに???」
 30年間音信不通だった父親の死を知らされ、彼が住んでいたという村を訪ねたユ・ヘグク(パク・ヘイル)だが村人たちの態度が妙におかしいと気づく。 なにやら村長チョン・ヨンドク(チョン・ジェヨン)がカギを握っているようだが?
 というところから始まればもっとサスペンスとして盛り上がったのかもしれないのだが・・・30年前のヨンドクとヘグクの父との出会いから描かれてるので「どこが謎なの?」と頭を抱える。 だから現在のヘグクの態度に共感を覚えないというか、そこまで父の死の謎を追及する意味がわからない。 だって、彼にとって父親は自分たちを捨てた存在で、無視すると決めた相手だったはずなのに。

  黒く濁る村1.jpg 誰がつくったの?、その迷路。

 もう雰囲気で話を持っていってるけれど、よく考えたらツッコミどころ満載なんですけど・・・。 謎も実はあるんだけど、はっきり語られる(暴かれる)わけでもなく、「そういえば、韓国って儒教の国とか言われるけど結構キリスト教広まってて、しかも統一教会に代表されるような独自の教義を展開してるのが多いよなぁ」ということを思い出したりして。
 村も多分いちからオープンセット組んだんだろうけど、道端のボーボーの草とか、植生が無茶苦茶な感じがしてしまうのよね・・・急ごしらえで作りました、みたいな。
 だからもとからリアリティはないんだけど、更にリアリティがない。
 そうなのね、主役はこの30年といった韓国現代史なのね。

  黒く濁る村2.jpg 奥の人、検事。

 新たなる時代の象徴としての存在パク・ミヌク検事(ユ・ジュンサン)が、いちばんもうけ者の役だったような気がする(しかし賄賂を断る際に「もう日帝時代じゃない!」って答えられるのは微妙に不愉快よね・・・)。 そう、ヘグクが乗ってる車はパジェロによく似てるけど三菱じゃないし、村長が朝飲むのはヤクルトに似ているがヤクルトじゃない、歯ブラシはビトゥウィーンライオンに似ているけど違う。
 そういうことにもいらっとしてしまうあたし、反韓感情が立派に育ってしまっているようです・・・。
 老けメイクが無理やりなチョン・ジェヨン氏は30年前の顔が普通の状態らしく、『トンマッコルへようこそ』にも出ているらしい。 言われてみれば、見たことあるような。 パク・ヘイル氏は『殺人の追憶』の気弱な容疑者役だったらしい! メガネかけてないからわからなかった! ちなみに『グエムル』の弟役でもあるらしい・・・韓国の俳優は区別がつかん!
 しかしこんな映画に161分も使えるとは・・・韓国映画界、いろんな意味で余裕があるな〜、とは思うのであった。
 ラストシーンで全部ひっくり返す余韻(結局男は女の復讐に利用されただけ)はよかった。 しかしほんとの謎は彼女そのものなのだ。
 30年前に少女だった彼女なら現在はせいぜい40代、なのに見た目は30そこそこの美しい女性で、ラストシーンでようやく「年相応」に見える。
 つまりこの映画は“彼女の目線”で進んでいたのだろうか。
 だからすべてが終わって、彼女の時間が動き出した・・・だから時間が追いついた。
 つまりそれだけ女性が虐げられた歴史ということなのだが・・・韓流おばさま方、そのへんわかっているのかしら?

ラベル:映画館 外国映画
posted by かしこん at 14:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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