2010年12月29日

クレイジーズ/THE CRAZIES

 何故かロメロ関連作品を欠かさず公開してくれる三宮シネフェニックス。
 さすがにこれはどうよという本作まで公開してくださる(ロメロの過去作品のリメイクだが、今回ロメロがプロデュース)。 ありがたい。

  クレイジーズポスター.jpg B級感、高まる期待!

 アメリカのある田舎町。 隣家から隣家まで何エーカーも離れているような、郊外という言葉では追いつかないような田舎町で、何かが起こった。 はじまりは些細なきっかけであるように思われたのだが・・・と、ロメロ印ではあれど「非ゾンビ」映画です。
 何気ないショットで、「くるぞくるぞ!」と感じさせるカメラワーク、丘にぽつんと立つ各農家の家屋はワイエスの『クリスティーナの世界』の一場面のようにときに美しく、ときにこの世に他に何も存在しないかのように孤独にも映る。
 そういうところにしびれました!
 そもそもオリジナルは古い(1973年)のでこの映画のストーリー自体に既視感バリバリですが、もともとこっちが先なわけですからそれを言うのはお門違いかと。
 新しい視点を導入しながらも、あえてロメロ的“人間ギライ”なところをちゃっかり残すのも好印象です!(まぁ、でも社会風刺感は薄まるかなぁ)
 また、見覚えはある感じはするのだが名前まではわからない、なキャスティングがまた微妙なリアリティを醸し出し、絵に描いたような“B級サスペンスホラー”になっております。
 何かに汚染されてしまった人は突然他人との会話が不都合になり(またまるっきり話が通じなくなるわけではない)、さらに進むと理由なく周囲の人間を破壊しようとし始める。

  クレイジーズ1.jpg 無事な人たちで、逃げましょう!
 その行動に“理由”はないが、個人としての“意志”はある。
 「個人同士の会話が通じなくもない」というたったそれだけのポイントが彼ら(劇中では某組織から“クレイジーズ”と呼ばれる)と“ゾンビ”との大きな違いで、そして“彼ら”に出会ってしまった未感染の人たちが非情になれない理由でもある。 けれど、自分が生き残る為に『情』の部分を切り去ってしまおうと決心した人は、たとえ感染していなくても“彼ら”とどこが違うのだろうか?
 うおーっ、なんと恐ろしい問いかけ! (これを体現していた保安官補佐の役の方、すごかった)
 終わり方が『バ○○○ン』と一緒じゃん・・・というのはありますが、爽快感とか一切ないですから!
 この物語の先に続くのが『28日後...』とか『バイオハザード』シリーズのような世界(もしくは『アイ・アム・レジェンド』)なのでは・・・と思わせるに十分な、暗澹さ。
 今を生きるとはこんなにも困難なのね。
 年末に見るにふさわしい、絶望感満載映画でございますよ。

ラベル:映画館 外国映画
posted by かしこん at 01:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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