2010年12月04日

[リミット] / BURIED

 目が覚めたら土の中、というワンアイディアで突っ走る映画。 サンダンス映画祭で大評判!、と聞けば低予算ながら実験的でそれを感じさせないうまいつくりかもしくは実験的手法に流れ過ぎてわけわからない方向に行くかどっちかなことが多いが、これは「よくできたほう」でした。
 原題を見て、“bury”が“埋める”という意味だとあたしは『新・刑事コロンボ』で学んだことを思い出した。 つまりタイトルは“埋められた・埋葬”、それとも“生き埋め”?
 意識を取り戻した男(ライアン・レイノルズ)は自分が狭い場所に閉じ込められていることに気づく。 ポケットを探って出てきたライターで周囲を見渡すと、どうやら棺に入れられて埋められているようだ。 なんでこんなことに?、と考える間もなく、外に出たい彼は周囲を探り携帯電話を見つけ出す。 犯人が置いて行ったのか?ともかく彼は助けを求める電話をかけるが・・・。

  リミット1.jpg 全編棺の中です。

 この携帯電話、イスラム圏仕様なんですよね〜。 だからメニューが読めない。
 あたしが身につまされたのは、自分の携帯番号もきちんと覚えていないくらいだから他の人の電話番号ももちろん覚えていないわけで、電話帳機能に頼ってるなぁ、ということ。 つまり同じシチュエーションになった場合、自分の携帯電話じゃなければあたしにはかける先がない・・・ということなのです、公共番号以外。
 その点、彼もそのあたりは普通の人で、覚えている電話番号は限られている。  番号案内にかけて「どこでもいいからFBIにつないでくれ!」とかかなり共感を覚える展開(そして予想通りにたらいまわしにされたりする)。 
 で、電話で話す内容から彼がポールという名のアメリカ人民間ドライバーで今はイラクで物資を運んでるだけの仕事だとわかるのだが、テロリストにとっては軍人も民間人も関係ないらしい。
 ポール以外の登場人物は電話の声だけ。 その展開に無理がない(だいたい「他にもっといい方法あるだろ!」と見てる側をイライラさせないってこういう映画では大事です)。
 ライアン・レイノルズって『あなたは私の婿になる』のアラスカ青年だよね?、と確認したくなってしまうほどに誰だかわかりませんでした(画面がほとんど暗いからということもありますが)。 でもほとんど動けないし、顔には乾いた血と砂がこびりついて判別しづらいし、という状況にチャレンジする役者魂がすごいです。

  リミット2.jpg こんな程度の明るさ。

 埋められた棺の中だけという状況でありながら、度肝を抜かれた珍客の乱入(それをはっきり台詞や音楽などで協調しないところも素晴らしい)、たまたまテロリストに目をつけられてしまった不条理性がメインなのかと思ったらアメリカ契約社会の恐ろしさを見せられたり、となると“侵略者の手先”と目される“アメリカ人”もまた、末端は搾取されている存在ということでイラクの人々と実は大して変わらないという皮肉。 あ、実は反戦映画でしたか。
 身も蓋もない話ではありますが・・・不条理ホラー方向にはいかずミステリ的スリラーの範囲をちゃんと守っているのも好印象。 でも閉所恐怖症の人にはつらいかな・・・というか観ている間、閉所恐怖症の気分を味わった。
 あと、着信音よりバイブのほうがバッテリーを食うという話・・・はじめて知りました。

ラベル:映画館 外国映画
posted by かしこん at 01:11| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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