2021年02月28日

デス・ゾーン 栗城史多のエベレスト劇場/河野啓

 この本が出ていることに気づいた。
 「あぁ、ついに出たか・・・彼を語るルポルタージュが」
 山モノが好きなあたしだが、彼の存在は「どうもあやしい」と思っていて・・・追いかける気にはなれなかった(“無酸素・単独”ってなんだよ、七大陸最高峰登頂でエベレスト以外に酸素を必要とするところはないのに)。 それでも漠然と入ってくる情報から、「この人、このままならいつか死ぬな」とは感じていた。 で、実際、その通りになった。
 だから後味が悪いというか・・・個人の意見をネットに書き込んだとして何が変わるわけでもないだろとあたしは放置していたわけで、異を唱えなければそれは黙認したことになる感じになってしまったというか、まぁ、引っかかった棘みたいな感じになっていたというか。
 だから、こういうのが出たならば読んだほうがいいのではないかと思っていたわけです。

  デスゾーンエベレスト劇場.jpg 「2020年 第18回 開高健ノンフィクション賞受賞作」とのこと。
 著者は北海道放送のディレクターで、2008年5月頃に栗城史多氏に取材を申し込んで知り合った。 密着取材をし、一時期近くにいたものの立場から彼の人生を振り返る。 彼はなぜエベレストに挑み続けたのか?

 伝手を頼って取材、テレビ番組にはならないとわかっていても自分のために調べていかねばならん感は、栗城氏のルポルタージュではあるけど筆者のエッセイのような部分もあり。 自分が興味を抱いた彼にいつしか危惧を覚え(実際、筆者は2010年2月を最後に取材をやめ彼と距離を置いている)、その後の彼を探す旅でもある。 彼がなくなったのは2018年5月、35歳で。 やはりまだ近すぎるのか、彼に近しい人たちはほぼ取材に応じてくれていないので・・・もう少し時間がたったら、また別の人が何かを書くのかもしれない。
 著者は1963年生まれ。 いかにもテレビ屋的な感覚と、それ故に彼を止めなかったことへの悔恨が見える。
 登山に同時配信を持ち込むやり方はいかにもテレビ的だし、彼のパフォーマンスはそういうのに向いている。 でもエベレスト行きには桁違いのカネがかかる、地方のテレビ局では無理な話。
 この本の中の彼の言動を見ていると・・・「うわーっ、なんかニシノっぽいんだけど」とつい感じてしまった。 実際、コンサルタントや起業家などが絡んで講演会で資金集めとか、やたら声高に「夢」を語り出したり、応援する人たちだけで周りを囲み批判するものは排除する・遠ざかる流れとか同じように見えちゃうのだ。
 あの人も彼も、コンテンツとして消費されてしまう点では同じ。 虚構の自分と自分自身を切り離せない人はそこに死に場所を見つけるしかないのか。 彼に「いい夢を見させてもらったよ」などという人は次なる誰かを夢の具現者として担ぎ上げ、喰いつくし、また次に行くのだろう。 自分が彼を殺した要因の一つになったなどと考えもしないで。 勿論、あたしもコンテンツ消費者の一人で、だから触れるジャンルには愛情がないといけない、責任の取れない言動はいかん、と身を引き締めます。

 太宰治の『人間失格』の連載を読んでいた人は玉川入水を知ってこういう気持ちになったのかな・・・と感じると、そこには「文学」がある気がする。

posted by かしこん at 17:55| 兵庫 ☁| Comment(0) | ☆ 読んじゃいました | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年02月27日

2021年2月26日(金)のこと

 やっぱり雨が降るみたいだなぁ、と前日の夜、あたしはカバンの中身を入れ換えた。 それまでのカバンが、雨濡れ厳禁のスムースレザー(牛革)製だったので、濡れても平気のナイロン製のものにチェンジ。 しかしそうなるとカバンの容量が少なくなるので、中身の取捨選択をする。 折り畳み傘も忘れてはならぬ。 久し振りの朝から出勤なのに、雨かぁ。
 そう、このところあたしは朝から出勤するのはほぼ週に一回である。
 それなのにこの日、通勤に使うJR西日本が元町駅での人身事故のため運転見合わせ。 振替輸送で阪急電車につながる駅へ向かうが、同じような人が多くてホームまで辿り着けない(その手前の階段で足止め)。 一本電車が到着するたびに少しずつ人が減り(すでに電車にも人がいっぱいなので、降りた人の分しか乗れない)、ようやくホームに到着。 予定よりも30分遅れで仕事場に着く。 なんだかもうそれだけで疲れた。
 三時間半後、スマホに来たヘッドラインニュースで、朝の人身事故が全国ニュースになるほどの惨事であったと知る。 あぁ、やりきれない。
 帰るときJRは動いていたが、ダイヤの乱れは多少残っていたようだ。

 家に帰って即シャワーを浴び、ごはんよりも先にマンガを読む。

  大奥19 よしながふみ.jpg 大奥 19【完結】/よしながふみ
 ついに出ました、最終巻。 徳川の、江戸時代の終わりが。
 生き残っている人たちの言葉はそれぞれに重く、「うおぉ」と読みながらうなり、じわっと涙がにじむ。 髪を乾かしてたタオルで目を抑えること多数。 将軍が女であったことは世界的に見て国の恥であると語る西郷隆盛の言葉にギリギリとこぶしを握り締めていると、それにばしっと叩きつける和宮の言葉にスッキリするけどやっぱり泣くよ・・・。
 勝海舟、どの作品よりも人間力がある! 天璋院さんも人としての厚みが増しているよね〜。 瀧山ったら!
 でもいちばん好きな言葉は、和宮さんの「何言うてはるの 私はいつだって私です」。
 「ジェンダーのことが意味わからん」な人たち(年齢性別関係なく)はもうこれを読んでくれ!、と心底思うわけよ。

posted by かしこん at 05:49| 兵庫 ☁| Comment(0) | 日記のようなもの | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年02月25日

赤と白とロイヤルブルー/ケイシー・マクイストン

 ブームになってきている『赤と白とロイヤルブルー』読了!
 最初は、独特の文章のテンポにうまくついていけず、?・??・???、となってたけど、「三人称で、現在形、間接表現多し」という基本姿勢を理解したらさくさく読み進めた。 いや、これはできるだけ時間を置かずに、可能ならば一気読み推奨。 恋に落ちた彼らの体感速度を読者も追いかけたほうが絶対楽しい。

  赤と白とロイヤルブルー0212.jpg “RED,WHITE & ROYAL BLUE” RED,WHITE & BLUEはアメリカ星条旗を示す言葉。 これがROYALBLUEになることで、アメリカ国旗と大英帝国国旗を両方表したことになる。 
 「2019年 goodreads ベスト・ロマンス賞第1位、王子との恋を描く全米ベストセラー!」

 アメリカ合衆国初の女性大統領エレン・クレアモント=ディアスの長男アレックスは21歳の大学生。 姉のジューンと副大統領の孫ノーラとは同世代で仲がよく、マスコミから「ホワイトハウスの三人組」と呼ばれている。 ハンサムでユーモアのセンスあふれるアレックスは国中の人気者で、のちのち本人も上院議員選に打って出ようと思っている。 そんなアレックスにとって、数年前のリオデジャネイロオリンピックで初対面したイギリスの第二王子ヘンリーの印象は最悪で、それ以来アレックスはヘンリーに対して敵愾心に似たものを抱いている。
 ヘンリーの兄フィリップの結婚式に参列することになったアレックスはヘンリーとのちょっとした行き違いで二人そろってウエディングケーキに倒れ込んでしまい、大失態を写真に撮られる。 二人の不仲説を否定したい王宮・ホワイトハウス側の利害が一致し、二人は親友として振る舞うよう要請され、一緒にいるスケジュールが組まれる。 物理駅にも心理的にも距離が近くなり、二人はお互いをあらためて知りはじめ・・・いつしか恋に落ちるように。

 冒頭から、アレックスのヘンリーへの敵愾心は「それって、相手が気になってることですよね?」。 好きな子についきつく、冷たく当たってしまうかのような。 まぁ、アレックスも若いから・・・というか、この話、アレックスからの一人称で描いても何の問題もない気がするんだけど、あえてそうしてるのは(「プリンス・オブ・ウェールズ」の使い方の間違いも含めて)、「この物語はおとぎ話ですよ(もしくは、パラレルワールド設定ですよ)。 そして、この物語を自分の身近なものとして取り組んでください、それで、誰かの気持ちが楽になったり救われるのであれば」という作者の切実な思いを感じる。 こういう社会に変わることで個人の幸福度が上がるはずというメッセージ。
 あぁ、言いたいことはいっぱいあるのだが・・・なんだろう、あるシーンで「ぶわっ!」と厚い涙が目から浮き上がった。 晴れた日に、レインボーフラッグスを掲げてみんなでパレードしたくなるような幸福感、この先の未来を信じたくなるような、同じような夢を願っている人たちとの連帯感。 そしてヤマタツの『いつか晴れた日に』を口ずさみなりたくなる感じ。
 あぁ、これが「多幸感あふれる読後感」か・・・。
 まだちょっと整理できないのでまた書くかもしれません。 でもこれを広めていくのは、ガイブン読みの宿命!

ラベル:ロマンス
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2021年02月24日

今日は6冊(2021年2月23日時点で)。

 まだ先かなぁ、と思っていましたが、あっさり時間はたってしまうものですね。
 『十日間の不思議』が来ちゃったよ!

  エラリイ・クイーン十日間の不思議【新訳版】.jpg 十日間の不思議【新訳版】/エラリイ・クイーン
 クイーンの<ライツヴィルもの>の白眉。 後期クイーン問題の、とかありますが、あたしはかつてラストにガツンと頭を殴られたような衝撃を受けたことだけ覚えていて、いつか再読したいと思いつつ20年以上。 機会を作ってくれてありがとう、新訳版!

  わたしは贋作0218.jpg わたしは贋作/バーバラ・ボーランド
 アート業界で起きる事件ということで・・・興味を惹かれます。 ミステリというより文芸寄りの内容らしいけど、ジャンルの細分化はあまり意味がないかなぁと感じるようになってきてます。

  バックシャッツ3もう耳は貸さない.jpg もう耳は貸さない/ダニエル・フリードマン
 元警官、バック・シャッツシリーズ第3作。 老いぼれを自覚する彼も、89歳に。 でもまだ息子の死の謎は明らかにならないらしい・・・まだ続いてくれますね、このシリーズ。

  連城三紀彦 敗北への凱旋.jpg 敗北への凱旋/連城三紀彦
 帯によると、<ミステリ史上最高難度の、そして最も美しい暗号>だそうですよ!
 連城三紀彦作品、どんどん読めるようになってるなぁ。

  老いた殺し屋の祈り マルコ・マルターニ.jpg 老いた殺し屋の祈り/マルコ・マルターニ
 イタリア映画界で脚本家として活躍する人物による作家デビュー作とのこと。 イタリアミステリ、最近熱いよ。

  宇宙兄弟39.jpg 宇宙兄弟 39/小山宙哉
 宇宙兄弟も39巻目・・・もう少しで終わるかなぁ、と電子書籍には切り替えず紙の本で買い続けているが、タイミングがわからない。 今回も前半ムッタ・後半ヒビトであっという間。 ディテールが面白いので、まだ終わらなさそう・・・。

 あと気になっているのは『父を撃った12の銃弾』、『消失の惑星』、『白が5なら、黒は3』だけど、単行本だから・・・とりあえず文庫待ちかな〜。 図書館で借りられたらラッキー、な気持ち。

ラベル:新刊 マンガ
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2021年02月23日

PUI PUI モルカー、すごすぎ!

 ストップモーションアニメ、好きです。 『ウォレスとグルミット』シリーズなんて最高!
 そんな中、最近話題の『PUI PUI モルカー』。
 短編であればあるほど、これまでにある映画のシーンへのオマージュが挿入されることが多々あるんですが、今回、こんなにも数々の要素があふれているとは・・・(感涙)。

   3月1日7:29まで観れるかな?

 スパイアクションものとしての素晴らしさもさることながら、後半、そっちに行くなんて・・・。
 粘土ではなくフェルトでここまで表現するのもすごい。
 2分40秒とは思えぬ濃度。 それがストップモーションアニメの特徴ではあるんだけど。

ラベル:アニメ
posted by かしこん at 15:41| 兵庫 ☔| Comment(0) | テレビ・テレビドラマ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年02月22日

スコッチに涙を託して/デニス・レヘイン

 読んでない本も読みかけの本もいっぱいあるのに、なんでこういうやつを先に読み終わっちゃうかなぁ。
 図書館から借りてきた、<私立探偵パトリック&アンジー>シリーズ第一弾にして作家デニス・レヘイン(ルヘイン)のデビュー作。

  パトリックアンジー1スコッチに涙を託して.jpg “A Drink Before The War”
 ボストン市内に探偵事務所を構えるパトリック・ケンジーとアンジェラ(アンジー)・ジェナーロは子供の頃からの付き合いで、腐れ縁。 アンジーの夫もまた幼馴染仲間だが、嫉妬深くてパトリックを敵視している。 アンジーとパトリックは清く正しい友人同士だが、パトリックは彼女に複雑な感情を抱いている。 物語はパトリックの一人称(わたし)で進み、彼のユーモアあふれる減らず口で彩る。 でも、必死で真剣な時ほど、彼のユーモアは上滑りし、周囲を苛立たせるが、本人はそれもわかった上だからちょっと困ったもん。
 パトリックが有能であることはボストンエリアに知れ渡っているので、上院議員からも依頼が来る。 掃除婦のジェンナが重要書類を持ち出して姿を消したから探してほしい、書類を取り戻してほしいという内容。 簡単そうな依頼だったが、ジェンナはこれで正義を行いたいという。 “書類”の一部をパトリックに渡したところで、マシンガンに撃たれ、ジェンナは死んだ。 パトリックはからくも生き残る。
 ジェンナと会う場所を知っているのは誰だ? ボストンの町に巣食うギャング団と血で血を洗う抗争が始まるのか。
 この街に、アメリカのあらゆる病巣が存在する。 パトリックとアンジーの選択は・・・という話。

 正統派の一人称私立探偵小説なれど、ミステリ的トリックなどはない。 文字通り探偵たちが満身創痍になりながら血なまぐさい洗礼を浴びる、まさにハードボイルド。 こういうのの面白さ、昔のあたしはわからなかったな・・・今はわかるようになってます。
 葛藤を抱えつつも、法よりも良心に従ってしまうパトリックとアンジー。 特にパトリックは今作でいろいろな決断をしているのに、四作目『愛しき者はすべて去りゆく』ではあんな判断をしたんだ! なんか信じられない!
 二作目・三作目の事件が彼の気持ちを変えていくのか・・・なるほど、シリーズは順番通りに読まねば、という基本に立ち返らせてくれますなぁ。 アンジーという同じ名前を持つキャラの存在のせいか、このシリーズは<ウィル・トレント>シリーズとも通じるものがあるのかもしれない・・・ウィル・トレントのほうがあとに書かれているから、女性の登場人物が多い(そして強い)とか時代の空気も変わってる感。 でもどちらもアメリカの病理にざくざくとメスを入れているよう。
 よし、続きを読むぞ!
 いや、その前に『赤と白とロイヤルブルー』かな?

ラベル:海外ミステリ
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2021年02月20日

天国にちがいない/IT MUST BE HEAVEN

 シュールなナンセンス系コメディ風な予告に、なんだかつられ。
 「パレスチナの鬼才、エリア・スレイマン監督」といわれても全然知らなかったです・・・すみません。

  天国にちがいないP.jpg この世界は、かくも可笑しく 愛おしい――。

 ナザレ出身の映画監督、エリア・スレイマン(エリア・スレイマン)の日常。 次回作の売り込みにパリ、ニューヨークを訪れるが・・・。
 あらすじを説明しようとするとそれだけになってしまうという。

  天国にちがいない3.jpg 全編、ほぼワンショット。
 台詞もほぼない。 常に困惑した思いで周囲や世界を見つめているのか?
 確かにシュールなんだけど・・・笑わせようとしてるのかと思いきや、日常に「暴力」の存在を当たり前にぶち込んでくる。 それがパレスチナの感覚・・・いや、全世界にあることなんだと感じたら、もう全然笑えなくなってしまった。

  天国にちがいない1.jpg パリも人のいない街角ショットは、ロックダウンしているようにしか見えない。
 いろんな示唆に満ちているのはわかるのだが、2021年2月の視点ではそうなっちゃいます・・・すみません。
 シュールさ加減ではスウェーデンのロイ・アンダーソン(『さよなら、人類』)を思い出す感じではあるけど、このブラックというか不穏な気配の強さはただごとではない。

  天国にちがいない5.jpg 地下鉄に乗ったスレイマンからの視点。
 どこに行っても身の置き所がない、少数派が常に感じていることを画面を通じて観客も感じてしまうせつなさがやりきれない。 でも普段多数派に身を置いている人が観ても感じてもらえるんだろうか?
 舞い込んだ小鳥に対する監督の断固とした態度も、余計に悲しかった。
 笑いと悲しさは紙一重。

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2021年02月19日

ヤクザと家族 The Family

 あぁ、今のシネコン、日本映画しかない感じ・・・さみしい。
 タイトルに『ヤクザ』っていれちゃうあえての工夫のなさを微妙に思いつつ、「磯村勇人が出てるわ〜」というのを最後の一押しにして観に行った。

  ヤクザと家族P2.jpgヤクザと家族P3.jpg 父も母もいないけど、私には《家族》がいました。

 1999年、父親の自殺は覚醒剤を買う金がなくなったからだと刑事(岩松了)から聞かされた山本賢治(綾野剛)はヤクを売買していたやつらを急襲、だがその報復を浴びる。 その前にたまたま柴咲組組長・柴咲博(舘ひろし)を命拾いさせたことがあって、山本は柴崎に助けられる。 2005年、勢いのある若いものとして柴咲組で活躍する山本だが・・・。 90−2000−10年代、ある地方都市での移り変わりの記録。
 『新聞記者』の藤井道人監督の新作がヤクザ映画とは意外、と思っていたけれど、やっぱりテイストは社会派であった。 ドキュメンタリー的ショットがよくて、ドラマ要素が強い場面では過剰さも感じたけど。

  ヤクザと家族1.jpg <THE 綾野剛>という映画。
 親へのマイナス要素を抱えた不良から居場所を求めてヤクザとなって生きていく山本の存在感と説得力、「こんなやついねーよ」とならないのでこの映画のすべてが嘘っぽくない。 あぁ、こういう人、いる・・・それぞれの生きづらさを抱えている・・・と登場人物みなさんのことを考える。 舘ひろしは出番はあまり多くないが、要所を引き締めるよ(2019年での登場の弱々しさも息をのむ)。
 オープニングクレジットが『仁義なき戦い』などを思わせるものだったけど、ヤクザ映画的な要素ってそこぐらいかも。 でも観終わってみれば『ヤクザと家族』以外のタイトルがないと気づかされる。
 しかもある種のハードボイルド物語のように、もうひとりの主役はこの町だという。 海がすぐそばにある生活、もくもくと煙を上げる巨大な煙突(町の主力産業なのか? 黒かった煙が白くなり、煙突自体も新しくきれいになっていく様が時代の変化――環境汚染を許さない時代・社会悪も許さない時代への比喩となる)、この町はいったいどこなのか気になるのだ。 具体名は出ないけど、静岡あたり?

  ヤクザと家族2.jpg 北村有起哉は柴咲組の若頭、この人の本心の見えなさが弱さであるとわかったときの悲しさ・・・。
 暴力団対策法制定後の世の中の動き、変わっていく時代、排除されていくヤクザ、という流れがね・・・やりきれないのよ(勿論、ヤクザを美化するようなことはない)。 ただどんな立場であろうとも、利用する側とされる側というものがあり。
 で、いい役者が沢山出ている中、市原隼人がすごくよくて! 役柄もおいしいのだがそうしたのも彼の力量だよね!
 世の中の不条理が山程炙り出されててつらいのだが、「あぁ、この人、やっぱりうまいなぁ」という楽しみも同時にあって、打ちのめされなくてすんだ。 でも、弱っている人をさらに追い込む道具としてインターネットが出てくるのはつらかった・・・(ネットの噂・炎上で仕事を追われるのはどうなんだ!、と思うが、この映画のテーマ上、そこを深追いするのは違うと理解はできる)。

  ヤクザと家族3.jpg ここで不意に涙腺決壊。
 磯村勇人、身体つくってるな、すごいな!、と登場から感じましたが、彼が演じた翼の受け止め方に胸打たれ。 泣くつもりは一切なかったのに、やられたよ。
 様々な“負の連鎖”を断ち切るには結局それしかないのだ、という提示には同意だけれど、やっぱりその方法しかないのかという悲しさにあふれる。 そうわかっているのに、なんでみんなできないのだろう・・・言葉は気持ちをすべて伝えるものではないからだ。 そもそも経済的な格差があるから・・・あぁ。
 いろいろ考えずにはいられない。

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2021年02月18日

翻訳ミステリシリーズ物の罠

 全国に読書会があるらしい。 神戸にもあるみたい。 読書会を扱った本や映画を観て、「いいなぁ」とほんのり憧れているわけですが、全然知らない人たちの中に入っていくのはどうなの? 来ている人たちは読書会の歴史が古ければ古いほど顔見知りよ! と、「人見知りなあたし」が顔を出して行動するタイミングが・・・。
 でも、翻訳ミステリー大賞シンジゲートが組織化している全国読書会の過去の記録をときどき読んでみたり。

 で、これが面白かったのです。 もう、読んでて声が出るほど笑っちゃった。


 お題の 『愛しき者はすべて去りゆく』/デニス・レヘイン は読んだことがあったので余計に読書会レポートが面白かった。 いいなぁ、こういう感じだったら参加したいなぁ。 今はこのご時世なので読書会はオンライン開催なので全国どこからでも参加できるというメリットがあるんだけど、出遅れるとあっという間に定員・満席になります(ZOOMを使うとはいえ人数が多すぎたら話し合うのはむずかしい)。

 で、『愛しき者はすべて去りゆく』は<私立探偵パトリック&アンジー>シリーズの第4作で、代表作と言われている。 そしてあたしはこれ以外読んでいない(シリーズは全6作)。 じゃあ、最初から読むか、と思ったのですが・・・もうどれもこれも絶版だよ!
 ということで、困ったときの図書館頼り。 集めてもらいました。

  20210217パトリック&アンジーを図書館から借りたが.JPG 5冊しかないんだけど・・・。
 写真向かって左側が第1作、右が最終の6作。 2作目が蔵書になかった!
 困るじゃないか・・・2作目はしかもシリアルキラー題材らしいし。
 あぁ、古本屋さんを調べるか、ネットで・・・。

ラベル:海外ミステリ
posted by かしこん at 23:59| 兵庫 ☁| Comment(0) | 本・読書 reading books | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年02月17日

今日は7冊(2021年2月前半分)。

 一週間の半分ぐらい引きこもっているせいか、季節感もなければぼやっとしているうちに一日が過ぎてしまう。 もう2月も後半ではないか!

  赤と白とロイヤルブルー0212.jpg 赤と白とロイヤルブルー/ケイシー・マクイストン
 普段、ロマンス小説には不案内ですが、これを激賞するツイートを見てしまい。 気になったら同じようなつぶやきを次々見つけてしまうのですよね(検索したのではなくTLに流れてくる)。 アメリカ大統領の息子とイギリス王室の王子の恋愛、だけじゃないらしい。
 1月25日発売で、2月16日に3刷決定ってすごい! あたしのは2刷でした。

  ロンドン謎解き結婚相談所0212 アリスン・モントクレア.jpg ロンドン謎解き結婚相談所/アリスン・モントクレア
 こう続けるとこれもロマンス小説っぽく見えるけど(でもコージーミステリとロマンス小説はかぶってる部分があると思う)、戦後のロンドンで女性たちにより設立された結婚相談所を舞台にしたミステリ。 女性の自立が描かれてるっぽい。

  記憶翻訳者 みなもとに還る0212.jpg 記憶翻訳者 みなもとに還る/門田充宏
 <記憶翻訳者>シリーズ二作目。 まだ一作目、読んでないのに・・・。

  神々は繋がれてはいない0212.jpg 神々は繫がれてはいない/ケン・リュウ
 読んでなかったケン・リュウの短編集、後半。

  終身刑の女0212.jpg 終身刑の女/レイチェル・クシュナー
 刑務所に収監された女性たちの物語とか。 2018年メディシス賞受賞、ブッカー賞最終候補作。

  自然界に隠された美しい数字0212 イアン・スチュアート.jpg 自然界に隠された美しい数学/イアン・スチュアート
 まったくわからないのですが、カオスとかフラクタルとか好きなんですよねぇ、その図を見るのが。

  翻訳教室はじめの一歩0212.jpg 翻訳教室 はじめの一歩/鴻巣友季子
 以前ちくまプリマー新書だったもの、文庫化。 翻訳者を目指す人向けだが、「日本語に翻訳されたものを読む者」としてどういう感じで翻訳をしているのか知りたい、と思って。

ラベル:新刊
posted by かしこん at 13:29| 兵庫 ☀| Comment(0) | ☆ 買っちゃいました | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年02月16日

パリの調香師 しあわせの香りを探して/LES PARFUMS

 「あっ!、あの人!」と予告を観たときに心の中で叫ぶ。 名前はわからない(覚えられていない)んだが、知ってる! アルノー・デプレシャン作品にほぼ出てて、個性的な役の人! 主役なんだね、今回。 というわけで内容にかかわらず観たかったが、“鼻<ネ>の称号”を持つ人の話だと知り、俄然興味がわく。

  パリの調香師P.jpg 人生を豊かにする調合は一つじゃない

 運転士としてパリで働くギヨーム(グレゴリ・モンテル)は、元妻との間で娘の養育問題でもめていて、仕事を失うことはできないのだが交通違反で点数を引かれ崖っぷちの状態。  社長に最後のチャンスと言われてアンヌ(エマニュエル・ドゥヴォス)のお付きの仕事を引き受けるが、彼女の高慢な態度と我儘っぷりに最後にはブチ切れる。 仕事を失った、と意気消沈するギヨームだが、後日アンヌからギヨームを専属にするという申し出が・・・そんな二人の友情とお仕事の話。 
 フランス映画らしからぬ、直球の「いい話」。 個人的にすごくよかった。

  パリの調香師2.jpg 「荷物、こんなにたくさん?」という顔のギヨームがすごくお茶目。
 冒頭からクズ野郎っぽさ全開なのに、そのあとすごくいいやつに見えてしまうギヨーム(それだけアンヌの傲慢さが強烈なのか)。 いいやつなのにうまくいかない哀しさ・・・とか感じていると、彼の本質的に甘えている部分をガツンと示してきて、「だからダメなんだ」と言ってくる。 表面的な理解ですみません、自分も甘えたところ見直します! いいところとダメなところの加減が大事だと教えてくれる、なんとも愛すべきキャラクター。 アンヌの影響で、日常に香りを取り入れていく過程が素直で素敵(シャンプーを香りで選んだり、タバコをやめてフレグランスパイプみたいなものに変えたり、エッセンシャルオイル買ったり)。

  パリの調香師1.jpg タイトルでバレているわけですが、アンヌは天才的調香師なのです。
 絶対音感を持つ人がすべての音の音階を判断できてしまうように、<ネ>は日常のすべてのにおいを辿れてしまう。 だからこそ世界的にヒットした香水も作れたんだけど、自分の生活で鼻を守ることも大変(強い香りが入ってきたら記憶から抜けない、慣れない・好きじゃない匂いが近くにあると落ち着かない・耐えられない、など)。 それプラス、アンヌの人間的な頑なさ(プライドの高さ)がやっかいで、「仲良くなろうとしてもこれはなかなか難しいぞ」なタイプが、ものすごくこの女優さん、エマニュエル・ドゥヴォス(発音しづらいな!)に似合ってるんですよね! ときどき無自覚に少女っぽくなるところ、すごくキュートで。 ガツンと言ってきたギヨームに対しても素直だし。 彼女が傲慢に見えるのはその理由を話さないからで、「何故なら」を言うだけでいいのにわかってもらえない体験をした身にはそれが高いハードルになることを、そもそも理由を説明する意味などないと察してしまっているわけで、「他者に対してオープンであれ」的な発言を深い意味もなくできてしまう人は対人関係に悩みがないのかもな・・・。

  パリの調香師3.jpg ポスタービジュアルとの変化ですよ。
 そんな二人のでこぼこコンビっぷりを楽しむ映画。 前提にお互いへの敬意があり、違いを受け入れたうえで否定ではなく意見する感じがいい、これこそ成熟した人間関係というか(人間としては成熟していないのだが)。 友情って素晴らしいよね! 
 昔、あたしも香水にはまったことがあり・・・、<ネ>の世界は興味深いけど、それ故のつらさが悲しかった。 だから、それでも新しいものを生み出すヨロコビのほうが強い、という流れになることがとてもうれしかった。
 フランスでロックダウン解除後の公開で興行成績bPの大ヒットになったそうで、その気持ちがよくわかる「優しい世界」。
 アンヌの思い出の黄色い石鹸はどんな香りなのか、気になる。

posted by かしこん at 17:05| 兵庫 ☁| Comment(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年02月14日

ミセス・アメリカ 〜時代に挑んだ女たち〜

 WOWOWにて6日・13日に集中放送された『ミセス・アメリカ〜時代に挑んだ女たち〜』(全9話)を観る。
 6日(土)に録画していた第一話を観たのだが、「これはまとめて観ないと! 続きを一週間待ってられん!」と思い、全部の放送録画が終わってからの一気見。 WOWOWメンバーズオンデマンドでもよかったのだが、PCよりはテレビのほうが大画面だから。 引き込まれましたわ。 23:08の地震のときもこれを観ていて・・・震度1ないぐらいだけどすごく長く続くなぁ、揺れる前にピシッと音がしなかったから震源は遠そうだが・・・と感じてはいたのですが、こんなに大きな地震だったとは思いもよらず。 途中、気象庁の会見中継も見たんですけど、会見の前にあんなに紙資料を配るの? 印刷する時間を考えたら各自データで見てくださいとかしないの?、とつい思ってしまいました。 マスコミ全員がダウンロードしたらサーバー固まるとか、事情があるんでしょうか(pdfで一般にも公表されているが)。

  ミセスアメリカP.jpg オープニング、70年代ディスコサウンド的ビートに乗ったベートーヴェンの『運命』がしびれる。
 フェミニズム運動が大きく展開していた1970年代のアメリカ。 ERA(男女平等憲法修正条項)を成立させようという動きを知り、伝統的な性別による役割分担を守ろうとするフィリス・シュラフリー(ケイト・ブランシェット)は、主婦たちを引き込んで反ERA運動を展開。 一方、ERA賛成派であるグロリア・スタイネム(ローズ・バーン)、シャーリー・チザム(ウゾ・アドゥーバ)、ベティ・フリーダン(トレイシー・ウルマン)、ベラ・アプツーグ(マーゴ・マーティンデイル)らはフェミニズム運動を盛り上げながら、女性の権利や世の中の不平等とその是正を訴え・・・約十年間のアメリカ国内の動きを様々な女性たちの視点で描く。

 「えっ、マジなの?!」と愕然とする。 70年代でもアメリカってこんなんなの?、と。 実は2021年2月現在でも合衆国憲法には男女平等は明記されていないのだった(修正条項を憲法に追加するには全米50州のうち38州の批准が必要、1979年までに35州が批准したがそこで止まった。 2017年以降、ネバダ州・イリノイ州・バージニア州が批准したが、期限が過ぎていると司法省は認めない構え)。
 なんというんでしょう・・・ケイト・ブランシェット(CV:田中敦子)が演じるフィリスがね・・・すごく複雑な心境になりますわ。

 何故フィリスがERAに反対するのかといえば、「男女平等が法律で決まってしまったら、自分の娘を徴兵制に送り出さなければならなくなるから」。 彼女は大学で国防としての核兵器戦略を学んでいたので、フェミニストのバックには共産主義(ソ連)がいる・保守派としてこの国を守らねば、という気持ちもある。 なにより、彼女は子供の頃父親が病気で碌に稼ぎができず、母親が家計を担っていたというちょっと貧困家庭出身でひたすら努力と勉学で這い上がり、裕福な弁護士と結婚した。 これを「自分が勝ちとった権利」だと思っているようで、ERAが通ったら自分が勝ち取った権利を奪われると思っていたのかもしれない。 「働かずに専業主婦でいられることは女性の権利! 家庭こそが女性の活躍の場!」と広めることで、専業主婦であること・社会との接点を持っていないことに罪悪感を持つ女性たちを仲間に引き込んでいく。
 そう、フィリスは男性社会の論理を“わきまえて”行動する女。
 でも第一話の彼女は、自分の小さな希望すら夫の主張優先でかなわず、ときどき絶望を見たような目でいたのに。 女であることで受ける圧迫を知っていたのに。 それが回を追うごとに、計算のない他者への気遣いが失われていく。 自分の仲間である女性たちを無意識のレベルで利用する。 自分の野心に火がついて、男の権力者に都合のいい存在として自分を売り込んでいくことになる。 フィリスがどんどん外に出ていく間、彼女の子供たちの世話をする義妹やハウスキーパーさんに感謝の気持ちすら表さない(それでだんだんフィリスから女性たちが離れていく。 残っていくのは別の野望を持っている人たち)。 けれど、結局彼女は女性だから、最終的に権力の中枢にいいように利用され、切り捨てられるのだ。

 ERA推進派のほうにもいろんな考えの人がいるからなかなかまとまらないし、理想に燃える者と現実主義者の前では激しい言い争いが起こる。 意見の対立も感情の爆発も日常茶飯事。 互いの至らぬところを指摘し合い、気分を害して仲たがいしても、目的のためにまた歩み寄り、また決裂したりするけど、また連帯する。 すぐに結果は出ないけど、いろんな立場から論争をするのはやはり健全だと言えるのではないだろうか。 シスターフッドがそこここに見えて、安心する(独身女性ばかりじゃなく、家族持ちの方々は家のことを全部やってから活動に来るのだ、大変だよ・・・)。
 反ERAとERA推進派が女性たちであるが故に、「女性たちの問題」と片付けられていたのだろうか・・・(そうではない男性も勿論出てくるが、少数)。 「女対女」の図式を権力側に利用されたとしたら、フィリスのやったことの罪深さよ(ご本人を調べてみたら、<保守派の女神>と呼ばれ、亡くなる直前までドナルド・トランプを支持していたらしい。 自分を省みない、筋金入りだ!)。

 女性の権利についてアメリカで語られるとき、「中絶賛成(女性に中絶の権利を)」を盛り込むと絶対反対される・・・福音派のせいなのか。 同性婚は通っても妊娠中絶が認められないのはなんでかずっと不思議だったが、このドラマで反ERA側の女性が「中絶とは、バラのつぼみをちぎって、ばらばらにして地面に落とすこと」というパフォーマンスをやって感情に訴えまくっているからなのだ。 妊娠により母体の生命があやういとか、育てられないほどの貧困にあるとか、性暴力の結果の妊娠だとか、そもそも妊娠状態が継続できるほど安定した精神状態ではない人とか、弱き者の事情についてまったく思いをはせていない。 伝統的な性別役割で女性が守られていると感じている人は、自分が社会の底辺だと思っているのだろうか。 シンポジウムに出るために違う町に行ったり、家を空けている間に家事や育児を任せられる人がいて、何万ものニュースレターを発行するなどの予算を握っているというのに(いや、だからこそこの“特権”を奪われまいとするのか。 水掛け論だ・・・)。

 自分らしく生きたい、という気持ちはどちらの側にいても共通なのに、何故分かり合えないのか。
 ひどく悲しく、泣きたくなる。
 でも、この時代の対立があったからこそ、MeToo運動のとき「シスターフッド:女性の連帯」をまずしっかりやろう!、となったのかも。 あぁ、歴史から学べている。 まだ希望はあるか。
 日本も今、大きな問題提起がなされている。 このチャンスをいい結果に変えなければ!

ラベル:海外ドラマ
posted by かしこん at 23:59| 兵庫 ☁| Comment(0) | WOWOW・CATV | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年02月13日

シラサギ? コサギ?

 あ、昨日、仕事場に行く途中で、ここではあまり見ない鳥がいたのです。
 このあたりで見かけるのはスズメ、ムクドリ、ハクセキレイなどが中心。 だから「すごくでっかい!」と思ってしまった。

  20210212シロサギ1.JPG シラサギでしょうか。
 かがんでいるので長い脚が見えにくいですが。 いや、足は長くないのか?
 北東北でよく見たシラサギはイネが生い茂る水田の中でも十分目立つほど背が高かったんだが・・・あれ、そう思うと背は低い? ゴイサギとか? でも羽が白いよね。 足(指というか着地する部分ね)が黄色いなぁ、コサギかしら。 サギ類であることは間違いないと思うんだけど(うろ覚え)・・・もしかして、まだ子供とか?
 鳥の気配には敏感ですが、見分けがつかないんですよね・・・鳥の名前もあまり覚えてないし。
 だから、「あ、いる! 見れてラッキー!」ぐらいの気持ちです。

posted by かしこん at 21:59| 兵庫 ☀| Comment(0) | 季節のこと/街の中の自然 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年02月12日

元町のフレッシュネスバーガーのBGMは個人的にツボだった

 この前、ものすごく久し振りにフレッシュネスバーガーに行きまして(元町のほうのお店)。
 ランチには遅くサパーには早い中途半端な時間故、お店は結構すいておりました。 あ、ねらい目? それとも自粛中時期だから?

  20210209フレッシュネスバーガー1.JPG ホットの紅茶で、料理を待つ。
 なんというのでしょう・・・オーダーしているときから思っていたのですが、「このお店のBGM、個人的にぐっとくるよ!」。
 つまり、2000年代前後の洋楽ヒットチャートって感じというか・・・ものすごく知ってる曲が多いのです。 席について待っている間、ビーディーアイ、TheFray、リッキー・マーティン、レッチリ、という流れだったのには思わず足を踏み鳴らしたくなるほど(しないけど)。 リッキーの“She Bangs”の完成度の高さには改めてうなりましたよ、なんでビッグヒットにならなかったのか不思議だわ。
 あぁ、やばい、この場所、一日ずっといられるわ!、と認識したところでハンバーガー到着。

  20210209フレッシュネスバーガー2.JPG クラシックチーズバーガー、陰にはオニオンリング。
 いただきます! フレッシュネスって野菜の存在感が強いよねぇ。 でもモスとは明らかに違う。 ソース控えめなところかしら。
 オニオンリングも表面カリカリ、中はトロっとして甘い(そして噛みきれず全部出てきてしまい、衣が残る)。
 無言で食べていると、デステニーズチャイルドも聴こえてきて、まずい、口ずさみたくなってる!
 もくもくと食べ、飲み、頭の中だけで流れる音楽のリズムをとる。 あぁ、楽しい。 すっかり身体に入っている音楽は、不意に出くわしてもすぐ鳴り出しますね。 やばい、いつまででもいられる・・・。
 しかし食べ終わったので、後ろ髪を引かれる思いで席を立つ。 うちに帰ったらいろいろCD探しちゃうかも!
 いや、また来よう! 自分の持ってない曲にも出会えるに違いない。
 BGMにゆっくり耳を傾けられる環境って大事よね・・・。

ラベル:洋楽
posted by かしこん at 02:22| 兵庫 ☁| Comment(2) | ごはん・お茶の時間 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年02月11日

プラットフォーム/EL HOYO

 えっ、始まったばかりかと思ってたらもう終わるの?!
 映画館の上映スケジュールに<LAST>(上映最終週の意)と出たのであわてる。 そんなに長くやらないだろうから早めに観にいくつもりだったけど、まだ二週目なんですけど(汗)。

  プラットフォームP.jpg その“穴”は世界を変える。
  階層に分かれた“穴”のあいた建物 各階層には2人 食事は降りてくるプラットフォームがある間だけ 何でも1つだけ持ち込める 生き残る方法は、食べること

 ゴレン(イバン・マサゲ)が目覚めると、そこは48階層だった。 部屋の真ん中に四角い穴があいていて、上も下もどこまでも続いているようだった。 向かい側にいる老人は、一つの階層には2人いて、食事は穴をふさぐように降りてくる“プラットフォーム”に載っているという。 食事はプラットフォームがいる間しか摂れない、食べ物を隠し持てば階層は灼熱地獄か寒冷地獄になるなど、ここでのルールを聞かされたゴレン、この食事はずっと下の階まで届くのか、下の階まで均等にいきわたらせるようすぐ上や下の者たちに声をかけるが・・・。
 シッチェス・カタロニア映画祭で高評価と言われれば、「あ、そういう系」と意識する。 『CUBE』っぽい感じに、更に階層社会の分断を描いているのね、と。 しかし、思っていたよりもはるかにグロテスクだった。

  プラットフォーム1.jpg 0階層で料理がセッティングされる。
 中にいる者たちは一カ月間ランダムに振られた階層で過ごさなければならない。 50階層よりも下であれば料理が残っているかどうか保証はないためその間飢餓状態(水は自由に飲めるようだ)。 だから次の一か月、上階層に移っていたら満腹に食べちゃう(次の一か月はまた下層階に行くかもしれないから)。 それで下層の者たちは飢える、の悪循環。 限られたパイを奪い合う、を醜悪かつリアルに描く・・・のでした。
 そもそもこの空間、社会設定とかどうなってんの?、プラットフォームの動く仕組みも謎だし、とわからないことだらけ。 わからないことがわからないままでも映画として成立する(面白い)こともあるので全部の説明が欲しいわけではないんですが、観客側に訴えるリアリティをグロテスクさに見出しているのか・・・、とつらい部分も。

  プラットフォーム2.jpg 料理も全然おいしくなさそうだし。
 自分の皿に取り分けて食べるってのは文化的な行為なのねと実感。
 「サムライ」とは世界的に広まっているパワーワードなのね(最近は「異世界転生すること」を英語でget isekaidというらしいよ)。
 この映画、この先も二回目を見たいと思わないような気がするんだけど、なんか記憶に刻まれちゃった感。

posted by かしこん at 16:35| 兵庫 ☁| Comment(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする