2020年11月29日

THE CAVE ザ・ケイブ サッカー少年救出までの18日間/THE CAVE

 えっ、これはドキュメンタリーなの? 劇映画なの? とちょっと悩む。 まぁどっちでもいいのだけれど。
 この事故そのものはニュースで知っていて、全員救出に安堵したけれど、後追いはしていなかった。 チリの落盤事故のときを思い出したからかも。 いつか詳細が映画になると感じていたからかも。

  THE CAVEザ・ケイブP.jpg 状況は“絶望的”・・・だが誰ひとり“信じること”を諦めなかった――

 2018年6月23日、タイ・チェンライ。 地元のサッカーチームの少年たちとコーチは練習を終えた後、近くのタムルアン洞窟に入っていったが、突然雨が降り出し、洞窟内の水位が急激に上昇、水から逃れるために洞窟の奥にどんどん入り込んでしまう。 洞窟の入口で何台もの自転車を発見した管理人の通報で少年たちが洞窟内にいることが推測されたが、水が引かないため捜索できず、タイ国内だけでなく国外からも専門家が集まり、どうにか少年たちを探し出そうとする・・・。

 
 近くにこんな洞窟があったら子供だったら入ってしまうよなぁ、いつも行ってたら危機感を感じなくなるよなぁ。 しかし洞窟に入り込んでしまった少年たち&コーチよりも、救出する人たち(特にダイバーのみなさん)に焦点を当てた作品だった。 ところどころでご本人が本人役で登場するので、完全な劇映画ではなく、ドキュメンタリーなテイストも残ってた。 

  THE CAVE2.jpg ポンプで水を排出。
 洞窟の中で一体どうしていたか・・・はひたすら忍耐だったから、ということであろうか(仏教的な信心深さ故に少年たちはコーチに従っていて、コーチのプレッシャーはいかほどだったかというのも少ない場面で十分に伝わった)。 捜索側の人々に視点を置いた群像劇は、世界共通の要素と「タイならでは」と両方を描いている。
 タイにも“お役所仕事”はあるんだね!、と笑ってしまいそうにもなるけど、当事者としたらやりきれない・・・じゃあ他にどうすればいいのかといえば難しいこともわかるが、関わる人が多くなればなるほど声が届かなくなる悲しさですよ。

  THE CAVE3.jpg 洞窟の全貌がまったくわからない。
 ハリウッド映画なら、洞窟の断面のCG画像を使って説明しそうだが・・・この映画ではそんなことはしない。 ホワイトボードに貼られた手書きの紙の図のみ、「第4チェンバー」などとダイバーたちが今いる場所を示すテロップのみ。 全貌が見えない、というのが参加した人たち全員の気持ちだったんだろうな。 全員救出されるとわかっているのに観客のこちらもハラハラする。

  THE CAVE1.jpg 鎮静剤で完全に意識を失くさせた状態で外へ連れ出す。 水中でパニクって暴れたりしたら狭い洞窟では命取りになる、という理屈はよくわかるのですが、後ろ手に縛られるし感情面では割り切れない。
 映画として稚拙な部分はあれど、誰も責めない語り口は公平を心掛けるドキュメンタリーの信念を感じさせる。 本人が演じることで、心理的なセラピーの一面もあったのではないかしら。

posted by かしこん at 14:25| 兵庫 ☁| Comment(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする