2020年11月27日

ブラックボックス/マイクル・コナリー

 なんだか勢いがついてしまいました。
 読もうかどうか、で止まっていたボッシュのシリーズ『ブラックボックス』に戻って、あっさり読了。 発売は2017年5月、3年以上も寝かしておりました・・・(でももっと寝かせている本が他にももっとある💦)。 思えば、上下巻各300ページちょっとという量が読みやすいのだろうか。 一冊で650ページだったらもうちょっと時間がかかってた気がする。

  ブラックボックス1.jpgブラックボックス2.jpeg マイクル・コナリーデビュー20周年記念作品。
 1992年、ロス暴動のときに路地で見つかった遺体はデンマーク出身の女性ジャーナリスト・アンネケ。 市内が大混乱であったため十分な捜査が尽くせず、ロス市警未解決捜査班のハリー・ボッシュには常に事件が引っ掛かっていた。 今年(2012年)、ロス暴動20年ということで、その当時の未解決事件を捜査する許可が出た。 ハリーはさっそくアンネケの事件の捜査を再開する。 事件から20年が経過しているが、「すべての事件には解決につながる“ブラックスボックス”が存在するはずだ」という信念の下、ボッシュは捜査を諦めない・・・。

 〈1992年のロス暴動〉が街に、ロス市警にどれだけのトラウマだったのか・・・ということを考えないといけないな、と思わざるを得ない。 傍から見ると「アメリカではどこでも暴動が起こってる」印象なんだけど、当事者にはそんなことではすむはずがない。
 そして<ハリー・ボッシュシリーズ>の記念作品として、これまでのハリー・ボッシュ全部入れ。 戦争体験・孤立・まわりを信頼できないが故にすべてを一人で引き受けて暴走する。 そして戦場では犯罪を引き起こす人物の危険性はより拡大されて、どうしようもない愚かなことをしてしまう。 ボッシュは誰もの命に価値があり、ひとりの価値がないなら全員に価値がないとする考え方を変わらず持っているし、基本的に法を大事に思っているが必要ならば些細な法律を破ることにも罪悪感を覚えない。
 唯一ともいえる変化は、高校生の娘マディとのこと。 不用意な発言で娘の機嫌を損ね、自分のアプローチが間違っていたことをボッシュは瞬時に悟り、謝罪する。 男性優位的な言動が許される時代じゃない、と理解はしているがうまく対応しきれない自分への苛立ちが。 この考え方を進めるために、コナリーは女性主人公の新しいシリーズを立ち上げたのではないか。

ラベル:海外ミステリ
posted by かしこん at 01:59| 兵庫 ☁| Comment(0) | ☆ 読んじゃいました | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする