2020年11月19日

汚名/マイクル・コナリー

 シリーズ物はできるだけ順番に読みたいあたしですが、文化的にあまり親しみのない(詳しくない)国ならばフックの強い作品から読んでキャラを把握し、そこから遡る読み方もあり、とも感じています。 そこは臨機応変に!
 しかしマイクル・コナリー作品はこれまで順番通りに読んできました。 が、『転落の街』で止まってしまっていて、その先は未読の山に・・・シリーズの続きがどんどん出てしまうと、順番通りに待機させるのも大変で(置く場所の都合で行方不明になったり)。 で、コナリー新シリーズ『レイトショー』を先に読んでしまったし、ドラマ版『BOSCH』で原作の順番が混ざり合ってしまっていることもあり、なんか順番にこだわらなくてもいいかなぁ・・・と感じてきたのです。 というか、もう次の翻訳も出るから・・・。

  マイクル・コナリー 汚名1.jpgマイクル・コナリー 汚名2.jpg “TWO KINDS OF TRUTH”
 ハリー・ボッシュは現在、ロス市警を去り、サンフェルナンド市警の予備刑事という立場で未解決事件の捜査に当たっている。 そこへロス市警時代最後のパートナーであるルシア・ソトが“お客さん”を連れてハリーを訪ねてきた。 ボッシュが30年前に逮捕した連続殺人犯プレストン・ボーダーズ(現在は死刑囚として収監中)について新たな証拠が出て、彼に有利な方向に話が進みそうだという。 ボーダーズの犯行と疑わないボッシュは、やつが無罪として釈放されるような展開は許せない。 またそんなとき、サンフェルナンド市街のドラッグストアで二重殺人が発生。 ボッシュは久し振りに事件の現場に駆り出されることになり・・・という話。

 ハリー・ボッシュの刑事人生の根幹を揺るがす出来事(捜査をミスった、もしくは証拠を捏造した悪徳警官だと思われる)が、邦題『汚名』となった理由でしょう。
 が、謎解きとしては二重殺人は早々に背景がわかるし、ボーダーズの件もどういうことなのか早めに予測が立ってしまう(ドラマのシーズン6を先に観てしまっていたせいもあるかも)。 あとは予測通りに事が運ぶかどうか・・・ということでどんでん返し的な驚きはないのですが・・・まさにハリーの警察人生の集大成といった趣。 それ以外にも事件は出てきます。
 ハリーの弁護士で異母兄弟でもあるミッキー・ハラーは勿論、ハラーの調査員シスコ、ハリーの昔の相棒ジェリー・エドガーとの再会と、時間を埋める会話にしみじみ。 暴走しがちなハリーも、はみ出し方が少し穏やかになった? 娘のマディが大学進学のために家を出て行ったのもハリーを自省的にしているのか。 「丸くなった」ってわけじゃないんだけど、自分の怒りを爆発させる前に他者を思いやれるようになってる?
 しかし描かれていることは<この世の現実は暗く、恐ろしい>ということなのだ。
 たとえば様々な手続きが複雑化し、それぞれに利権が絡んでいることで仕組みが容易に変えられないので、助けたい人をすぐに助けることができない、とか。 読んでてブルーになる。
 それにしてもこんなに直訳的文体だったっけ? それっぽい傾向はあったけど、今回すごく強いなぁ。 それも数作をすっ飛ばしているせいであろうか。 次は『ブラックボックス』に戻りますか!

ラベル:海外ミステリ
posted by かしこん at 02:16| 兵庫 | Comment(0) | ☆ 読んじゃいました | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする