2020年11月12日

ストーンサークルの殺人/M・W・クレイヴン

 読みたい本はいつもあるが、ありすぎていつの間にか埋没・・・だから発見したら近々読むリストに載せることにした(そういう本の置き場所をつくった、ということです)。 でもシリーズ物は順番に見つからないと読めない・・・大発掘作業をしなきゃ、年末休みにやる!
 まぁごたごたしている未読本の山はともかく、今回読んだのはこれ!

  ストーンサークルの殺人.jpg 英国推理作家協会賞最優秀長篇賞ゴールド・ダガー受賞作。
 イギリス北部のカンブリア州、様々な場所に点在するストーンサークルで、無残な焼死体が連続して三体発見される。 選ばれているストーンサークルにも、被害者にも共通点は見つからない。 マスコミは犯人を「イモレーション・マン」と呼んでいる。 三番目の遺体には停職中の国家犯罪対策庁の警官ワシントン・ポーの名前が刻まれていたので、急遽ポーは捜査に加わることになる。
 損傷の激しい遺体から切り傷で書かれたメッセージを読み取ったのは、数学の天才で重罪犯罪分析課のアナリスト、ティリー・ブラッドショー。 過去の問題でいろいろ煙たがられているポーは、ブラッドリーとコンビを組むような形で調査と捜査を開始する・・・。

 残虐な死体、犯人の容赦ない手口、と、そこらへんはかなりグロめ(その描写は一部で、全編グロイわけではない)。 でも文章のテンポはよい。 本編572ページですが、結構早めに読めました。
 とはいえ手掛かり、ヒント、関係する描写はフェア以上に書き込まれており、三分の一ぐらいで「これってこういう事件ですよね! なんか動機も犯人もわかってしまった気がするんですが大丈夫ですか!?」という気持ちになる・・・なのでその先は確認作業というか、「やっぱりそうですよねぇ」と納得する過程になってしまった。
 が、ワシントン・ポーのユーモアを解するが頑固で、不正や卑怯には暴力的なまでに怒りを抑えられないキャラ、コンピューターを意のままに操るけれども日常生活や他者とのコミュニケーションに問題ありのティリー・ブラッドショーのキャラのコンビがいい味を出している。 ティリーの直属の上司フリン警部とポーが、ティリーに対して世間知らずな姪っ子を見るみたいな態度をとっているのが非常に微笑ましい。 日本のラノベやマンガではティリーのようなキャラは萌えっ子に描かれてしまいそうだけど、ここではなんなことがないので余計に好印象なのかも。
 犯人があまりにわかりやすいので、どうやら作者が描きたいのは犯人がわかってからの展開のほうなのかな・・・。
 事実が、現在権力を持っている者たちにとって不都合ならばいくらでも圧力をかけて隠蔽する。 それに対抗するにはどうすればいいか。 ポーの選択は「これが正解」ではないけれど・・・。
 ワシントン・ポーが主役のシリーズはこの先も続いているらしい。 彼の選択のその後を、二作目では読めるのかな? 続きを待ちたい。

ラベル:海外ミステリ
posted by かしこん at 01:59| 兵庫 ☁| Comment(0) | ☆ 読んじゃいました | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする