2020年11月09日

もし今夜ぼくが死んだら、/アリソン・ゲイリン

 ネットをめぐる情報の伝播が田舎町の生活にどんな影響を及ぼすか。
 それを体験してみたい・・・というか、どんなふうに扇動されたりリアルに人が動いたりするのか知りたかったというべきか。

  もし今夜ぼくが死んだら、.jpg “If I Die Tonight”
 ニューヨーク州郊外、ハドソン川の支流沿いにある小さな町ヘヴンキル。 ある日、盗難車が起こした轢き逃げ事件で高校の人気者リアム・ミラーが命を落とす。 悲しみにくれる高校生たちだが・・・リアムのガールフレンドのフェイスブックに書き込まれた心無い言葉がきっかけで、同じ高校のウェイドが犯人ではないかと疑惑が巻き起こる。
 ウェイドと、ウェイドの弟コナー、ウェイドの母ジャクリーン、捜査を担当するパール巡査、盗難車の持ち主で事件の目撃者エイミーの5人の視点で語られ、合間にフェイスブックやニュースサイトに書き込まれる無数のコメントが載っている。
 SNSのバッシングはこちらが思ったほど苛烈ではない気がした・・・けど、やはり小さい町だからか(特にメインが高校生だから)、すぐにウェイドへの嫌がらせに発展していくところがなんとも。 また都合よく(?)、ウェイドは秘密を抱えているので正面切って弁明しないところが火に油を注ぐというか。 登場人物は大なり小なり隠し事を持っているので、すんなり解明には至らない・・・若干中だるみもあったし、隠し事のいくつかも想像できるものなのであまり引っ張られても、なんだけど、家族の再生物語として“いい話”として着地してしまったので、野暮は言うまい。

 ネットがあってもなくてもあることないこと噂をする人はいて、でもネットがあることで情報伝播力が加速する、「それは正しいのかどうなのか」と立ち止まるスキを与えずに情報が流れてくる。 そんな中でも考える人であらねばならんということですね・・・。

ラベル:海外ミステリ
posted by かしこん at 02:25| 兵庫 ☀| Comment(0) | ☆ 読んじゃいました | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする