2020年10月21日

マティアス&マキシム/MATTHIAS ET MAXIME

 グザヴィエ・ドラン新作、上映最終週になってやっと観に行く。 なんだかタイミングが合わなかった。
 劇場版『鬼滅の刃』が公開になって映画館に人が増えたし、本格起動という感じがする。 これを観に行った神戸国際松竹では『鬼滅の刃』をやってませんが、週末は全席開放してるし、検温チェックが厳しくなって「絶対に映画館ではクラスターを出さない」という意気込みを感じました・・・。

  マティアス&マキシムP.jpg その瞬間、恋に変わった。

 カナダ・モントリオール周辺。 幼馴染でずっと仲の良いつきあいをしてきたグループの中で、エリート弁護士の道を歩むマティアス(ガブリエル・ダルメイダ・フレイタス)とバーテンダーのマキシム(グザヴィエ・ドラン)は中でも親友だった。 ある日、リヴェット(ピア・リュック・ファンク)の妹エリカが「映画を撮る!」と言い、でも俳優役の友人たちがとんずらしてしまったので、その役回りが急遽マットとマックスにまわってきた。 断り切れず、キスシーンを撮ることになった。
 12日後、マックスは仕事を探しに(出稼ぎ?)、オーストラリアに行くことになっていた。 二人に芽生えてしまった感情はいったい何なのか・・・という話。
 男同士の恋愛、というよりも、ずっと昔から家族のような仲間だったのに、そんな相手を好きになってしまってまわりとの関係が壊れないかと悩む感じは誰にでも起こることだし、なんとももどかしい恋愛映画だったなぁ。

  マティアス&マキシム4.jpg マティアス=マット、マキシム=マックス。
 マックスには顔に赤あざがあるのですが、あたしも大きくないけど足に赤あざがあるので、彼の気持ちちょっとわかる! というか彼視点で見てしまいました。 まるで目から血の涙を流しているかのようで、複雑な家庭環境にいることがビシビシと伝わる! マックスの母親役が『Mommy/マミー』の母親役と同じアンヌ・ドルヴァルなので余計に、マックスのつらさが胸に迫るのです。

  マティアス&マキシム2.jpg 幼馴染グループの関係性がいい!
 最初は・・・というか、みんなでわちゃわちゃと喋ってるシーンはだらだらしていて全然意味がないんだけど、おバカな空気感がじわじわと沁みてくる。 マックスのあざのこともみんな当たり前に受け入れていて、全員が存在そのものも受け入れている。 お笑い担当と思わされたリヴェットも実はすごくいいヤツで、あることで深く傷ついたマックスの手をぎゅっと握る仕草がものすごく自然だったし、みんな見直したよ!
 と、仲間たちのよさが伝わってくるにつれ、マットの不可解さに困惑する。 マットはマックスが好きなことを受け入れられずにじたばたしていることもみんなは受け入れているようなのに・・・マットのやってることはひどくないか?、と。 それもまた恋の理不尽さ故なんだけど、マックスの気持ちになったら「ちょっと待て! それはどういうことだ!」って言いたくなるんですよ。 感情が爆発する水の表現はとても美しいんですけどね。

  マティアス&マキシム6.jpg 赤あざって体温や血流によって色の濃さが変わる。
 だからものすごくマックスの感情が高揚したときにあざの色が濃くなるシーンは印象的で、よくわかる! 仲間内ではあざのことは気にしないけど、バス停など第三者から視線を感じてしまうとか・・・無遠慮な世間の目が集約されているのね。
 相変わらず音楽の使い方がツボ。 おもにフランス語だけどときどき英語が混ざってきてもすぐ英語だと気づかないネイティブ感(同じカナダ人でもフランス語と英語を話す人たちの間に深い川がある的な)、明らかに顔の売れたスター俳優がいないためのリアル感で、マットとマックスが実在するような気持ちになってた。 マックス、幸せになって!、と思わずにはいられない。

posted by かしこん at 23:59| 兵庫 ☁| Comment(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする