2020年10月14日

そして、バトンは渡された/瀬尾まいこ

 2019年本屋大賞受賞作。
 あたしの好みは最近の本屋大賞に合わない・・・と思っていましたが、『流浪の月』はまぁまぁよかった。 そんなときに「これ読む?」と仕事場で見せられたのが『そして、バトンは渡された』だった。
 「読みます!」ということでお借りした。

  そして、バトンは渡された文庫版.jpg バトンとは、命だったり家族だったり愛情だったり。
 優子は幼い頃に母親を亡くし、父の海外赴任をきっかけに離れ離れ。 その後も優子をめぐる家族の形は流転する。 高校3年生となった今、血の繋がらないニ十歳年上の義父と二人暮らし。 しかし優子には「自分はまったく不幸ではない」と感じている――。

 びっくりするほど、登場人物はみなテンションが低い。 パッションとか情熱とか、そういうのとは縁遠くて地道で感情の起伏が乏しい(ある意味、安定している)。 そういう人たちの家族愛とか、恋愛とか・・・いいんだけど、盛り上がらない!
 でもそういうローテンションな、できる限り言葉で表そうとする姿勢は、若い読者層には好ましく映るのではないか。
 ひどい人と描かれる人は登場しないし(一部おバカな高校生はいるが、「高校生でこれ? 中学生じゃなくて?」と聞きたくなる幼稚なレベル)、大人にはひどい人がいるが、まず優子がひどいと思っていないのでひどいと描かれてはいない。 ただ、あたしはもうスレた大人なので、「あぁ、ファンタジーだなぁ」とつい思ってしまうだけ。
 こういう世の中ならいいよね、と若い人には希望を持っていてほしい。
 食事も大事だけど、メインだけじゃなくて副菜もほしい。 かつ丼ならあっさり汁物、山のような餃子なら青菜のおひたしとか、彩りがほしい。 定食屋のおかずは模範解答過ぎてひねりがない。 それが同時に物語の感触でもあるかも。

posted by かしこん at 23:59| 兵庫 ☀| Comment(0) | ☆ 読んじゃいました | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする