2020年10月30日

ストレイ・ドッグ/DESTROYER

 ニコール・キッドマンが特殊メイクですさんだ女刑事を熱演、ということだけ聞き、「あ、なんかそういう原作小説があるのかな」と思っていたら・・・なんと映画オリジナルストーリーだという! 俄然興味がわいてきました!

  ストレイ・ドッグP.jpg あとひとつ、やり残したことがある・・・

 ロサンゼルス市警の刑事として働くエリン・ベル(ニコール・キッドマン)。 17年前にFBI捜査官のクリス(セバスチャン・スタン)と一緒にある犯罪組織への潜入捜査に選ばれたが、その捜査に失敗して無関係の死人を出してしまったことを今も悔い、罪悪感にさいなまれる毎日を送っていた。 が、彼女のもとに何者かから紫色の染料にまみれた1ドル札が送りつけられ、目を背けていた過去と対峙することを決意する・・・という話。
 <ネオ・ノワール>というまったく新しいジャンルを作り出したそう、である。 冒頭のいかにも乾燥した空気と太陽の光に、全く説明はなかったがロサンゼルスを感じた。 ハリー・ボッシュの世界のようだ。

  ストレイ・ドッグ3.jpg エリンの顔にずっと慣れない。
 特殊メイクで顔や手にものすごく老け込んだ、「人生に疲れ、すべてを放棄した」ような皮膚・・・でも目はそのままなので、やたら目が落ちくぼんで見える。 どこからがメイクの境目なのかわからないし、すごい技術だと思うんだけど(そして目が落ちくぼんでいる人もいるんだろうけど)、目の落ちくぼみ具合が気になって気になって・・・特に正面顔のとき違和感マックス。 エリンの目が何を見ているのかというテーマにかかわる重要な描写なんだけど。

  ストレイ・ドッグ2.jpg 正面からじゃなければ気にならないんだけど。
 「ニコール・キッドマンだ」と思ってしまっているのだろうか。 スター俳優さんたちが役選びに苦労するのはこういう観客のせいなんだろうな、と思うと申し訳ない。 この映画も企画段階からニコール・キッドマンが「やりたい」と言ってきたそうで、チャレンジしたい人には是非やりたい役柄だろう。

  ストレイ・ドッグ4.jpg 街中ではなく郊外の風景が多い。
 ニューヨークなら徒歩で古いのと新しい建物が混ざった街並のイメージだけれど、ロサンゼルスなら車移動が基本。 行ったことないのに、なんだか知っている町のような気さえした。 そんな街を舞台に(具体的にロスの地名が出るのは中盤以降)、エリンの放浪が始まるのだが・・・これが行き当たりばったりに見えるので結構つらい。 潜入していた組織のボス・サイラス(トビー・ケベル)を探すわけだけど、せめて何か作戦を考えて!、と思っていた。 邦題『ストレイ・ドッグ』(『野良犬』)はそこからきているのか、原題“DESTROYER”はセンスなさすぎではないだろうか。

  ストレイ・ドッグ1.jpg その合間に回想シーンが入ります。
 そばかす多めの17年前のエリンはニコール・キッドマンと違和感がなく(当たり前だ)、だから現在のエリンを見ると落ち着かなくなる。 過去がここまで人を変えるのか、ということが恐ろしかったのだろうか。 エリンがどんな人なのかなかなかわからないのも共感ポイントとして難しい。
 それにしてもボスのサイラスはヒッピー崩れだし、2000年ぐらいとおぼしき時期にもこういう反社会的なグループがいっぱいいるアメリカのヤバさにぞっとしますね。

  ストレイ・ドッグ5.jpg 二人の女のまったく違う人生。
 ラストにわかる大仕掛けに驚く。 なんかおかしいぞと思っていたのに、ニコール・キッドマンのメイクの違和感のほうに引っ張られてしまって普通にびっくりした。 ちゃんとミステリじゃないか!、と盛り上がる(反則だという意見もあるだろうが、あたしは反則ではないと思う)。
 監督のカリン・クサマをはじめ女性が中心になってつくったノワールということで<ネオ・ノワール>らしい。 逆に言えば女性が主役のノワール映画はないということなのか(小説にはありますが)。 女性ならではって子供を産むことを必ず描くのか。 これを「新しい」と言わねばならないことが哀しい。

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2020年10月29日

シカゴ・ブルース【新訳版】/フレドリック・ブラウン

 薄い本はうっかりするとすぐ読み終わる。 カバンにはさっと入るけど、「もうちょっとで読み終わってしまう」となれば念のためもう一冊も持ち歩いたほうがいいよね・・・ということであたしの荷物は増え、カバンは重くなる。
 しかし『シカゴ・ブルース』は解説含めて332ページ、「あ、これ、もう読み終わっちゃうよ!」と気づいたのは映画を待っているとき。 一人称青春ミステリはこちらの予想以上に読みやすく、ぐんぐんページが進んでしまいました。

  シカゴブルース【新訳版】フレドリック・ブラウン.jpg “The Fabulous Clipjoint”
 “ぼく”はエド、19歳、見習いの印刷工。 植字工である父親と一緒に出勤しようとしたある朝、父親がまだ帰っていないことに気づく。 呑みに出かけた父がこんな時間まで帰ってこないのはおかしい、と思っていたら警察が訪ねてきた。 強盗に襲われて殺されたと聞かされる。 ショックを受けた“ぼく”は、父の弟、おじのアンブローズに会いに行く――。

 出版されたのは1947年、書かれていたのは終戦直後あたりではないかと思われる。 そんな時期に「両親ともアルコールに問題を抱えている、機能不全家族」を青春ミステリに登場させるって斬新。 それ故に、今読んでもそんなに古くは感じないのだ。 目覚まし時計のねじを巻かないと止まってしまう(クウォーツ時計じゃない)、という描写に時代を感じるくらい。
 が、ミステリとしては当然、その後の時代を生きているあたしは犯人が誰なのかすぐわかってしまうのだが、犯人当てだけがこの作品の骨子ではないので、読んでガッカリということもない。 19歳の、大人の階段を登ろうとするエドのとまどいとためらいはある種の古典とされてもいい風格。 またアンブローズおじさんがメンターというか、素敵で頼りになる大人として存在してくれるのがかっこいい。
 そのかわり、出てくる女性たちの姿があまりに悲しい・・・誰かに養ってもらうために自分の美しさや若さを利用する。 でもそれが当時の価値観というか、よくある形だったんだろうな。 今はそうではない道が選べる、時代は変わってきた、と実感できた。
 フレドリック・ブラウンはSF短編のイメージだったけど、普通の小説(教養小説と呼ばれるジャンル、ベストセラーになる文学)も書くんですね、と今更知った。 エドを主人公のシリーズがあり、ミステリ的にも新機軸ありと解説に描いていた。 気になるじゃないか・・・。

ラベル:海外ミステリ
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2020年10月28日

衝撃の事実、発覚!

 火曜日の仕事帰り、「今日は映画に行くぞ!」と気合を入れていた。 今の映画館では食事禁止のところもあるので、映画館に行く前にごはんをすませよう!
 時計を確認し、一時間半以上余裕があるから、どこに食べに行くか電車の中で考えてて・・・今の気分は洋食! よし、<ぐらたんはうすぱん>に行こう! さんちかからセンター街地下に向けて歩き出す。 しかしお店は暗い。 あれ、定休日は月曜日のはずだけど・・・臨時休業かしら。 なんか紙が貼られているので近づいていくと・・・。

 「マスター(つまりシェフ)が骨折して、入院、手術をしなければならなくなりました。いつまでかかるかわかりませんので、お店はしばらく休業させていただきます」・・・的なことが書いてあって・・・えっ!、骨折!
 ちょうど仕事場でも転んだ勢いで足を骨折してしまった女性がいらっしゃって、その人が今日復帰したんだけど、かわいい杖をついててまだリハビリ中だという。 その人も手術をしないといけなくて、なんか4カ月ぐらい入院してたような気が。
 マスター、それで料理を作れるぐらいになるまでなら結構かかるのでは?!
 なんかすごくショック・・・。
 このお店で食べる気だったから、もうどこで何を食べたらいいのかわからない・・・。 センター街の地下のグルメ街をぐるぐる回る。 うどんとか揚げたて天ぷらもいいんだけど、なんかそういう感じじゃないの。 地上に出てまたぐるぐる歩くけど、「これだ」というお店に巡り合えず。 やはりショックを受けているのだろうか。
 そうこうしているうちに、時間が迫ってきた!

  20201027スープストック東京.JPG 結局、スープストック東京に流れ着く。
 目的地はシネ・リーブル神戸なので、近くにある大丸神戸店の地下のイートイン利用。 洋食、という本来の目的と同じカテゴリーになるからいいか。 オマールエビのビスク・石窯パン・アイスティーのセットで。
 15分ぐらいで、完食。 映画には余裕で、間に合いました。

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2020年10月27日

今日は4冊。

 マンガ、電子版に切り替えようかなーって思ってるけど完全に切り替えるタイミングがわからん、しかし「わからん」では進まない。 もう完全に切り替えていこう!、と決意。 ということで『とりぱん』の新刊から!

  とりぱん27.jpg とりぱん 27/とりのなん子
 COVID-19には極力触れない、いつも通りの内容。 マスクとかしてるけどマンガには描かないというポリシーで。 感染者が最後までゼロだった岩手県内の雰囲気も伝えてほしかったけど・・・。

  OL進化論41.jpgOL進化論42.jpg OL進化論41・42/秋月りす
 『OL進化論』、あたしは何年読んでいるだろう。 日々の生活と社会の流れがかっちり捉えられているよねぇ。
 だからしみじみ、「日本って貧しくなったんだ」と実感できる。
 <35歳で独身で>のシリーズは今では当たり前すぎてタイトル消えたよね。 ハラスメントなど、女性と男性をめぐる役割分担やイメージ固定の話、前から描かれていたけど、最近どんどん内容が鋭くなっている。 そういうところが『OL進化論』の真骨頂だよね!
 美奈子さんやジュンちゃんもずっと20代後半のまま・・・あたしは年下だったのに、いまや課長の奥さんと同じぐらいになっちゃってるんだよね。 

  記憶翻訳者 いつか光になる.jpg 記憶翻訳者 いつか光になる/門田充宏
 第5回創元SF短編賞受賞作「風牙」を収録、単行本を改題・再編集・描き下ろしを収録した連作短編集。
 SFで、記憶ネタ。 それだけでひかれます。 あ、これは紙の本。

ラベル:マンガ 新刊
posted by かしこん at 02:41| 兵庫 ☀| Comment(0) | ☆ 買っちゃいました | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年10月26日

マスカレード・ナイト/東野圭吾

 図書館にだいぶ前に予約を入れたのだが(WOWOWで映画『マスカレード・ホテル』を観た後)、予約者数が多すぎて全然連絡がない。 そしたら文庫が出てしまい・・・どうしようかなぁ、でも一回読んだら終わりだしなぁ、と考えていたら図書館からメールが来た。 もしかしたら、文庫が出たからと予約をキャンセルした人が結構いたのかもしれないなぁ。
 シリーズ『マスカレード・ホテル』と『マスカレード・イヴ』を読んだのは映画版を観る前(それも図書館から借りていた)。 東野圭吾を読むのもそれ以来だし、ずっと読んでないかも。

  マスカレードナイト単行本.jpg ソフトカバー版表紙。
 東京都内で起こったある不可解な殺人事件の解明のために、またしてもホテル<コルテシア東京>への潜入捜査が必要となった警視庁。 以前、ホテルのフロントに潜入した新田刑事が呼び出される。 かつて新田の世話係をさせられたフロントクラークの山岸はコンシェルジュとなっていて、二人は再会する・・・。

 前作よりも新田刑事の言動がちょっとキムタクに寄せられているような? 能勢刑事がせっかく捜査一課に栄転してきたのに出番は少なくなり、新田さんのフロント業務を補佐(?)するホテルマンの新キャラ・氏原さんがすごくおいしい!(あたしのイメージは佐野史郎でした)。
 またもベルボーイとして潜入する関根刑事などおなじみのキャラが引き続き登場するのはうれしいけど、これといって活躍するわけでもなく・・・コンシェルジュとして働く山岸さんがほぼ主役ですよね、という展開。 いやいや、そもそも同じホテルにまた潜入捜査することになるという設定自体に無理があるのは仕方ないのか。 無茶なことを言うお客様、もっといろいろなパターンが読みたかったかなぁ。
 最後まで犯人を伏せるため、動機はすごく社会派なのにさらっとラストで流されてしまう悲しさ。 しかしこういうところを深掘りするとベストセラーにはならないということなのだろうか、かなしいわ・・・。

ラベル:国内ミステリ
posted by かしこん at 19:18| 兵庫 ☀| Comment(0) | ☆ 読んじゃいました | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年10月24日

あたたかい飲み物がおいしくなってきた

 つい、まだ冷たい飲み物も飲んでしまいますが、あたたかい飲み物を飲む機会が増えてきた。 さらに、飲んでおいしいと感じている。 秋になってきているなぁ、とまた実感。
 先日、仕事場の人から「もらいものなんだけど」とティーバッグをいただいて・・・週末、飲んでみる。

  202007もらったレシピアのお茶1.JPG ルシピア “星祭り”:日本緑茶とグリーンルイボスのブレンド、ミルクフレーヴァ―。
 ベースは緑茶なので、カップを十分温めたものにティーバッグイン、90℃前後のお湯を注ぎ、シリコン製のマグカップ蓋をして2分ほど待つ。

  202007もらったレシピアのお茶2.JPG 蓋をはずしたとき。
 思いのほか、色が薄いような・・・パンパンのティーバッグを引き上げてゴールデンドロップスが落ちるまで待っていたら、もうちょっと色が濃くなりました。 そして確かに、香料的なバニラの香り。
 一口、飲んで・・・前半は緑茶なんだけど、後半はルイボスティーの風味が残るというか、でも完全にルイボスティーじゃない。 なんか不思議な味で、クセになるかも。 だけど、ミルクフレーヴァー必要だったかなぁ。 これがなければちょっとハチミツを入れてみたかったかも。
 伊藤園のラフランス・ルイボスティー、そういえばおいしかった。 まだ売ってるかな、今度探しに行ってみようか。

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2020年10月23日

猿の罰/J・D・バーカー

 <四猿殺人鬼(4MK)>三部作、完結編!
 とはいえ一作目『悪の猿』のときにこの三部作構想はあったのか? 二作目『嗤う猿』と『猿の罰』が前後編のようなつくりなので、正確には二部作なのかも? 確かに『悪の猿』には解明されていない謎が残っていたはいたけど・・・次作でごろっと形を変えてしまった。

  猿の罰 4MK3.jpg “THE SIXTH WICKED CHILD”
 シカゴの街を震撼させ続けた連続殺人鬼“四猿(4MK)”と、彼を追う刑事サム・ポーター。 が、4MKとポーターは昔から知り合いだったとされる写真や記録が見つかり、市警・FBIは大混乱。 さらに各地で4MKらしき手口の死体が続出。 サム・ポーターは事件の主犯なのか否か?!

 もう、序盤からばんばん死体が現れる。 『嗤う猿』からの登場人物はそのまま引き継がれているので、前半、数日おいて別の本を読んでからこっちに戻ってくると、「はっ、この死んだ人、誰?」となってしまい<登場人物一覧>を何度か見直した。 これはめんどくさい、とその後は一気に読むことにした。
 登場人物が多いため、臨場感を出すために章立てが細かく、「そこで次の人に切り替わるか!」とイライラしかねないところだが・・・ポーターの相棒ナッシュのイカした面が見れたり、実直すぎなFBI捜査官のポールの更なる実直さが見られたりと読者としてキャラへの愛着を感じてしまいました。
 でも刑事さんたち、SARSウイルスに接触したかもしれないというのに、隔離を受け入れるどころか捜査に歩き回る。 具合が悪くなっているのに「風邪をこじらせただけだ(ウイルスには感染していない)」とマスクもつけない・・・睡眠不足で過重労働、抵抗力が下がっているのに。 まぁ日本も人のことを言えませんが、こういうメンタリティならCOVID-19も広がりますよね・・・と納得してしまう(Beforeコロナの世界を、ついWithコロナ時代の価値観で見てしまう)。
 しかし・・・意外性を重視するあまり、先に描かれていた部分もひっくり返されそうな気配に、ちょっと訳がわからなくなる。 結局、4MKの両親はなんなんだ? あなたたちが息子を助けていればこんなことにはなってないよね? でも助けるって意識はなかったよね、あなたたちはサイコパスで、シリアルキラーだから。
 ラストのサムの選択は・・・気持ちはわかるけど、それはやっちゃいけなかったよ。 いや、やるなら全部やらなきゃダメだよ。
 『悪の猿』は残酷でひどい話だが、奇妙な爽快感があった。 でも、続きの話にそれはない。 意外な結末もあるけれど、それ以上にやりきれないんですけど・・・。

ラベル:海外ミステリ
posted by かしこん at 23:59| 兵庫 ☔| Comment(0) | ☆ 読んじゃいました | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年10月21日

マティアス&マキシム/MATTHIAS ET MAXIME

 グザヴィエ・ドラン新作、上映最終週になってやっと観に行く。 なんだかタイミングが合わなかった。
 劇場版『鬼滅の刃』が公開になって映画館に人が増えたし、本格起動という感じがする。 これを観に行った神戸国際松竹では『鬼滅の刃』をやってませんが、週末は全席開放してるし、検温チェックが厳しくなって「絶対に映画館ではクラスターを出さない」という意気込みを感じました・・・。

  マティアス&マキシムP.jpg その瞬間、恋に変わった。

 カナダ・モントリオール周辺。 幼馴染でずっと仲の良いつきあいをしてきたグループの中で、エリート弁護士の道を歩むマティアス(ガブリエル・ダルメイダ・フレイタス)とバーテンダーのマキシム(グザヴィエ・ドラン)は中でも親友だった。 ある日、リヴェット(ピア・リュック・ファンク)の妹エリカが「映画を撮る!」と言い、でも俳優役の友人たちがとんずらしてしまったので、その役回りが急遽マットとマックスにまわってきた。 断り切れず、キスシーンを撮ることになった。
 12日後、マックスは仕事を探しに(出稼ぎ?)、オーストラリアに行くことになっていた。 二人に芽生えてしまった感情はいったい何なのか・・・という話。
 男同士の恋愛、というよりも、ずっと昔から家族のような仲間だったのに、そんな相手を好きになってしまってまわりとの関係が壊れないかと悩む感じは誰にでも起こることだし、なんとももどかしい恋愛映画だったなぁ。

  マティアス&マキシム4.jpg マティアス=マット、マキシム=マックス。
 マックスには顔に赤あざがあるのですが、あたしも大きくないけど足に赤あざがあるので、彼の気持ちちょっとわかる! というか彼視点で見てしまいました。 まるで目から血の涙を流しているかのようで、複雑な家庭環境にいることがビシビシと伝わる! マックスの母親役が『Mommy/マミー』の母親役と同じアンヌ・ドルヴァルなので余計に、マックスのつらさが胸に迫るのです。

  マティアス&マキシム2.jpg 幼馴染グループの関係性がいい!
 最初は・・・というか、みんなでわちゃわちゃと喋ってるシーンはだらだらしていて全然意味がないんだけど、おバカな空気感がじわじわと沁みてくる。 マックスのあざのこともみんな当たり前に受け入れていて、全員が存在そのものも受け入れている。 お笑い担当と思わされたリヴェットも実はすごくいいヤツで、あることで深く傷ついたマックスの手をぎゅっと握る仕草がものすごく自然だったし、みんな見直したよ!
 と、仲間たちのよさが伝わってくるにつれ、マットの不可解さに困惑する。 マットはマックスが好きなことを受け入れられずにじたばたしていることもみんなは受け入れているようなのに・・・マットのやってることはひどくないか?、と。 それもまた恋の理不尽さ故なんだけど、マックスの気持ちになったら「ちょっと待て! それはどういうことだ!」って言いたくなるんですよ。 感情が爆発する水の表現はとても美しいんですけどね。

  マティアス&マキシム6.jpg 赤あざって体温や血流によって色の濃さが変わる。
 だからものすごくマックスの感情が高揚したときにあざの色が濃くなるシーンは印象的で、よくわかる! 仲間内ではあざのことは気にしないけど、バス停など第三者から視線を感じてしまうとか・・・無遠慮な世間の目が集約されているのね。
 相変わらず音楽の使い方がツボ。 おもにフランス語だけどときどき英語が混ざってきてもすぐ英語だと気づかないネイティブ感(同じカナダ人でもフランス語と英語を話す人たちの間に深い川がある的な)、明らかに顔の売れたスター俳優がいないためのリアル感で、マットとマックスが実在するような気持ちになってた。 マックス、幸せになって!、と思わずにはいられない。

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2020年10月20日

『クリミナル・マインド』 ファイナルシーズン

 WOWOWにて、『クリミナル・マインド・ファイナル』絶賛放送中!
 ですが、このドラマはワンシーズンのエピソードが多い印象・・・だから録画はしているのですが、まだ観ていなくて・・・なんとファイナルとなるシーズン15は全10回! これまでの約半分ではないか!
 こりゃ急げ、とあわてて追っかけ視聴中。 もう今日の放送は第8話になっているよ。

  クリミナルマインドファイナルP.png このメンバーで最後まで。
 例によって日本語吹替版で観ておりますが、ファイナルシーズンの第一話、この人、犯人ですよね!、の声がどう聴いても「モリジュン!」。 ホッチのときと喋り方は変えておりますが、明らかに森田順平さんです。
 まぁ、レギュラーで出ていないなら、森田順平をキャスティングしない理由はないですよね。 結構出番も多かったし、ロッシ(菅生隆之)との直接対決はついニヤニヤしてしまう〜。 けど、ホッチとして出てほしかった・・・という気持ちも拭いがたく(モリジュンファンとしてはホッチ役はモリジュンのいちばんいいところが出てる役だったからさ)。 でもこの顔ぶれで収録してくれたのはうれしいことで。
 そういう、日本語吹替版視聴者に対する気遣いというか、愛を感じます。
 そしてファイナルシーズンということで、レギュラーメンバーの私生活についてもより描こうとしているオリジナル。
 いろいろあったけど、長く続いたドラマを終える、ここにも愛情が。
 扱う題材はシリアルキラーなので愛にあふれてなどいないけどもさ、出演を続けたキャストたちとスタッフのチームワークを感じるわ。
 今のところ、4話まで観た。 最終話までに追いつくぞ!

ラベル:海外ドラマ
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2020年10月19日

『24』、全シーズンがAmazonPrimeVideo対象に!

 『24JAPAN』第一話の放送後、確認したときにはオリジナルの『24』はSeason1の第一話しか無料では観れなかった(追加料金が必要だった)のだが・・・さっきたまたまAmazonPrimeVideoのトップページを見たら、『24』全シーズンがPrimeの対象になっていた!
 ヤバい、これは観てしまうじゃないか。 というかPCでの作業中のBGMにしちゃうというか。

  24 Season1.jpg キーファー・サザーランド、若いわ・・・いま、スーパードラマTVで『サバイバー ‐ 宿命の大統領』Season2を観てますけど。

 あぁ、こういう配信モノって、いつでも観られるのかなぁと思っているといきなり終了したり、「あ、観れない」とガッカリしたやつが急に観られるようになったりするんだなぁ。 今、同様にPrimeで石黒版『銀河英雄伝説』本伝が観られますけど、これもいつか観られなくなるのかなぁ。 観れる時期があったり、観られなくなったりの繰り返しなのかもしれないけど。
 ドラマWはWOWOWのメンバーズオンデマンドで過去の作品がほぼ観られるのはありがたいし。
 しかしWOWOWがあり、CATVがあり、AmazonPrimeにも入ってしまっているあたし・・・NETFLIXに加入するタイミングがつかめない。

ラベル:海外ドラマ
posted by かしこん at 23:59| 兵庫 ☁| Comment(0) | テレビ・テレビドラマ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年10月18日

なつかしの『24』

 ほんとにやったんだなぁ、『24』の日本版リメイク。
 関西では金曜日深夜、『探偵!ナイトスクープ』のあとの放送なので24時を回ってからのスタート、時間が遅すぎるという声もありますが・・・なんかたまたま、先週は初回をリアルタイムで観ちゃいました(一応、録画セットはしてあった)。

  24JAPANP.jpg 事件はリアルタイムで進行中
 冒頭の「倉庫に突っ込むトラック、倉庫内で棚が一個倒れる」の図には目が点になりましたが・・・思いのほかオリジナルの『24』Season1の第一話をかなり忠実に再現してるじゃん!、とびっくり。 でもちょっと時代的に古いと感じてしまう部分もあり・・・高校生が友だちの家の電話番号をメモるだろうか? 祖母がお菓子を作っている孫に「いいお嫁さんになるわ〜」って言うのも・・・脚本は長坂秀佳か、意図的なのか微妙なところだ(第二話ではポリコレに配慮したっぽい台詞があったので、おばあさんの頭が固い設定であるということで)。
 キャストのみなさんががんばっているのはすごく感じるのだが。 時間をカウントするデジタル時計、どうせならオリジナルと同じにすればよかったのに・・・。
 ただ本家『24』って、Season1を経ての2と3の盛り上がりが素晴らしかったので(1は打ち切られる可能性も考慮に入れて、12話で一回話が落ち着いているし)、Season1だけリメイクしても『24』の面白さは伝わるのであろうか。

 で、ついオリジナル『24』Season1の第一話、無料放送中だったので観てしまった・・・。
  24 Season1.jpg わー、なつかしい。
 勿論、吹替版です。 ジャックの娘キンバリーの声は園崎未恵だったっけ、とか、誰が吹替担当だったかをしみじみ思い出したりして(小山力也のインパクト強すぎなんで)。 こっちの続きを観たくなっちゃうかも。 いや、どうせならSeason2だなぁ。

ラベル:ドラマ
posted by かしこん at 17:23| 兵庫 ☀| Comment(0) | テレビ・テレビドラマ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年10月16日

今日は6冊(2020年10月16日時点)。

 いきなり涼しいを通り越して冷え込んできた。 まぁ10月も半ばなので当たり前なんだけど、昨日まで昼間、暑かったじゃん、と思うとなんかやりきれない・・・服の準備もできてないし。 何を着たらいいのよ〜。 待ちに待った秋が来たというのに、自分の季節感に困惑。
 でも文庫新刊はしっかり秋も押し迫ったラインナップに。

  猿の罰 4MK3.jpg 猿の罰/J・D・バーカー
 『悪の猿』・『嗤う猿』に続くシリーズ三作目にして完結編。 というか『嗤う猿』と『猿の罰』はほぼ続きもの前後編のようなものだから二部作と言うべきか。 さぞ仰天な結末が、とハードルが上がっていますが、大丈夫でしょうか。

  ガンストリートガール エイドリアン・マッキンティ.jpg ガン・ストリート・ガール/エイドリアン・マッキンティ
 <ショーン・ダフィ>シリーズ4作目。 ごめん、まだ1作目で止まってる・・・。
 訳者あとがきで武藤陽生さんが、とにかくこの四作目を翻訳して出したかった!、という気持ちだったことを知る。 ショーンの返事(?)・「あい」への熱い思いも知りました。 最初は「?」だったけど、『コールド・コールド・グラウンド』後半では慣れてきて愛嬌さえ感じてましたよ。 そして文芸翻訳の儲からなさについてもあらためて・・・なんかすみません。 せめて、できる限り買わせていただきます。

  地下鉄道 文庫版.jpg 地下鉄道/コルソン・ホワイトヘッド
 以前単行本を図書館から借りて読んでいるが、「文庫版出たら買う!」と思っていたので、買った。

  死者はよみがえる【新訳版】フェル博士 ジョン・ディクスン・カー.jpg 死者はよみがえる【新訳版】/ジョン・ディクスン・カー
 フェル博士シリーズ。 主人公クリス・ケントの友人の名前がダン・リーパー・・・ってことにイヤな記憶がよぎる(綴りは違うんだろうけど)。 章立て多め、章にタイトルありという構成が古典っぽくてなんかワクワク。

  マイル81わるい夢たちのバザール1.jpgわるい夢たちのバザール2夏の雷鳴.jpg マイル81 夏の雷鳴<わるい夢たちのバザールT・U>/スティーヴン・キング
 キングの短編集、日本独自の二分冊パターン。 最新刊が文庫オリジナルで出るのはありがたいなぁ、と<序文>を見たら、2014年・・・タイムラグがこんなにあったとは。 個人的にはキングは長編のほうが好きだけど、短編の完成度はどんどん上がっているというし、やるせない気持ちやどん底に落ちる気分も、悪くない。

ラベル:新刊
posted by かしこん at 23:59| 兵庫 🌁| Comment(0) | ☆ 買っちゃいました | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年10月15日

今日は4冊、マンガのみ(2020年10月中旬)。

 10月は続きモノのマンガが結構出る・・・不意を突いたものまで。

  詩歌川百景01 吉田秋生.jpg 詩歌川百景 1/吉田秋生
 『海街diary』完結後、しばらく間を開けるのかと思ったら・・・すずの“弟”和樹の物語。 これは『海街diary』の姉妹編、というか・・・もとから書かれることが決まっていた物語だったのか。 一巻目からすごい完成度なんですけど!

  ちはやふる45.jpg ちはやふる 45/末次由紀
 なんか、絵が全然変わってない? というか、こんなに変だった?、というのが衝撃で、話が頭に入ってこない・・・44巻の詩暢ちゃんの描き方が盛り上がったのに、なんか盛り下がった・・・何故?

  七つ屋12.jpg 七つ屋志のぶの宝石匣 12/二ノ宮知子
 ついに話の本筋にガンと戻った! サイドストーリーも健在。 こういうバランスがよい。 作者あとがきによると、この巻から全面デジタル原稿になっているそうで・・・『ちはやふる』の絵が変になっているのはそのせい?

  神は細部に宿るのよ6.jpg 神は細部に宿るのよ 6/久世番子
 ファッションエッセイ。 面白いんだけど、一巻にまとまるのに二年ぐらいかかるから、ファッショントレンドの微妙なずれが・・・まぁ、それも含めての『神宿』なのですが。 本革のカバンを持ち続けている身としては、作者とそのまわりの人が「革のカバンは重い」と違う素材の軽くて扱いやすいヤツに流れていることにショックを受けるのであった・・・。

ラベル:新刊 マンガ
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2020年10月14日

そして、バトンは渡された/瀬尾まいこ

 2019年本屋大賞受賞作。
 あたしの好みは最近の本屋大賞に合わない・・・と思っていましたが、『流浪の月』はまぁまぁよかった。 そんなときに「これ読む?」と仕事場で見せられたのが『そして、バトンは渡された』だった。
 「読みます!」ということでお借りした。

  そして、バトンは渡された文庫版.jpg バトンとは、命だったり家族だったり愛情だったり。
 優子は幼い頃に母親を亡くし、父の海外赴任をきっかけに離れ離れ。 その後も優子をめぐる家族の形は流転する。 高校3年生となった今、血の繋がらないニ十歳年上の義父と二人暮らし。 しかし優子には「自分はまったく不幸ではない」と感じている――。

 びっくりするほど、登場人物はみなテンションが低い。 パッションとか情熱とか、そういうのとは縁遠くて地道で感情の起伏が乏しい(ある意味、安定している)。 そういう人たちの家族愛とか、恋愛とか・・・いいんだけど、盛り上がらない!
 でもそういうローテンションな、できる限り言葉で表そうとする姿勢は、若い読者層には好ましく映るのではないか。
 ひどい人と描かれる人は登場しないし(一部おバカな高校生はいるが、「高校生でこれ? 中学生じゃなくて?」と聞きたくなる幼稚なレベル)、大人にはひどい人がいるが、まず優子がひどいと思っていないのでひどいと描かれてはいない。 ただ、あたしはもうスレた大人なので、「あぁ、ファンタジーだなぁ」とつい思ってしまうだけ。
 こういう世の中ならいいよね、と若い人には希望を持っていてほしい。
 食事も大事だけど、メインだけじゃなくて副菜もほしい。 かつ丼ならあっさり汁物、山のような餃子なら青菜のおひたしとか、彩りがほしい。 定食屋のおかずは模範解答過ぎてひねりがない。 それが同時に物語の感触でもあるかも。

posted by かしこん at 23:59| 兵庫 ☀| Comment(0) | ☆ 読んじゃいました | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年10月13日

ミッドナイトスワン/内田英治

 映画での説明されていない部分が気になって、つい買ってしまった。
 もう一度あの物語に触れるのはつらいのであるが・・・先を知っているから、まぁいいかな、と。 むしろ間を置かないほうがいいのかもしれない。

  ミッドナイトスワン文庫.jpg 作者は監督・脚本の方。 ただのノベライズというわけではないのか。
 凪沙、一果、りん、と登場人物の名前の漢字がわかってちょっと不思議な気持ちになる(映画では名前は音でしか示されない、文字では表現されていなかった)。 映画で文字が出てくるのは呼ばれない戸籍上の名前だけだった。
 小説というか・・・映画のベース、脚本に少し肉付けしたもの、という感じか。 三人称だが視点が定まらず、小説としての基本ができていないっぽさに困惑してしまうが、それもあたしの固定概念なのかも。 そもそも「映画を観た人」を読者に想定しているのかもなぁ。
 やっぱり納得のいかなかったところはこれを読んでも納得がいかなかったが・・・映画には出てこなかったけど、凪沙さんの近くにいい人がいた、ひどいやつばかりではなかったというのは、よかったなぁ、と思った。 瑞貴(ミズキ)のその後は、また別に映画になりそうだけど、それはそれでファンタジーになってしまうのだろうか。

ラベル:新刊
posted by かしこん at 21:00| 兵庫 ☀| Comment(0) | ☆ 読んじゃいました | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする