2020年09月30日

癌病船/西村寿行

 最初に文庫版が刊行されたのは1984年3月だそうである。 36年以上前か・・・。
 まだ日本も景気がよかった頃、科学技術の発展に素直な夢を持っていた頃の空気だなぁ、というのが感じられる。 いや、36年でこんなにもいろいろ変わっている、ということを知るために、当時のベストセラー小説を読む意味がある気がする。

  癌病船 西村寿行.jpg 癌病船は超巨大船舶。 原子炉がエネルギー。
 WHO(世界保健機構)の付属機関リチャード・スコット記念財団は、リチャード・スコット本人の遺志によってがんと闘う船である超巨大船舶・北斗号を建造した。 通称・癌病船。 財団の資金を惜しげもなく投入したこの医療船には、最新鋭の医療機器が搭載、三百名を超える医師が治療に従事する。 一億円の病室に乗船する権利を買えるがん患者と、カネは払えないが希望する人からくじ引きで乗船する患者が決まった。 船長にはスコットの長年の友人で誇り高き海の男と誰もが認める白鳥鉄善が、病院長にはスコットの構想に深く共鳴したがん専門医ゲーリー・ハリソンが就任する。 全部で八百人もの患者を収容し、人類の叡智を集めた医療技術を駆使し、世界中の難病患者の希望を乗せた巨大船は進む。 紛争の絶えない寄港地で、さまざまなトラブルに巻き込まれながら。

 そのトラブルの一つが人為的に生み出された新型インフルエンザの拡散。
 白鳥船長はスーパーマンではない(それに近い働きはするけど)。 その苦悩も読みどころ?
 400ページに満たない物語に、危機がこれでもかと詰め込まれているので一気読み。 ディテールはばっさり省き、がんがん省略。 しかしある部分は詳細を書き込む。 緩急入り乱れる感じが、当時のベストセラー作家だった所以かな・・・と思う。 軽く読めるけど、題材は重く、科学的に重要なギミックや提案をさりげなく挿入し、読者のレベルを試してくる。
 ハッピーエンドではないし、そもそも物語は終わっていない。 なるほど、続編の存在は当然だ。

ラベル:国内ミステリ
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2020年09月29日

ウルフズ・コール/LE CHANT DU LOUP

 あれ、こんな映画、あったんだ?! 潜水艦モノ、しかもフランス製!
 公開第一週なのに一日2回・・・もしかするとこれはすぐ終わるタイプ! 早く観に行かないとダメだ!

  ウルフズ・コールP.jpg それは、人類滅亡への呼び声――

 フランス海軍所属の潜水艦は、シリア沖で任務のため潜航中。 誰よりも優れた聴覚の持ち主で音声分析官として乗船しているシャンテレッド(フランソワ・シヴィル)は謎のソナー音を聞く。 まるで“狼の歌”のような音の正体は何なのか、艦長(レダ・カテブ)と副艦長(オマール・シー)の意見は相容れぬまま海上からの攻撃が。 その後、シャンテレッドは音の正体を探り続けるが・・・という話。

  ウルフズ・コール1.jpg 潜水艦ってかっこいい!
 冒頭、真上から海面を見下ろすショットで、透明度の高い海の中に潜水艦がいる。 でも一瞬、「あれ、クジラ? イルカ?」と思ってしまった。 そうか、あたしが潜水艦映画を好きなのは、潜水艦を巨大な海の生物だと感じているからか!
 じわっと海上に上がってくるのもいいが、急浮上して大量の海水が吹き上がる感じもいいよね!

  ウルフズ・コール2.jpg 艦長、かっこいい!
 この人、どこかで見たことがあるんだけど・・・と最初から考えていたのだけれど思い出せなかった。 とはいえ他にも見覚えある人多数、フランスのオールスターキャスト映画だったか。
 しかし潜水艦映画としては・・・陸に上がってる部分が多いな! 一回航海に出たらずっと海の中というのが潜水艦というものではないのか。 シャンテレッドくんの成長物語なのか?、と中盤はもうちょっとなんとかならなかったのか感。 いや、結果的に必要なシーンなんだけど・・・なんでだろ、『テネット』と比較しちゃってるのかな。 編集をちょっと工夫してほしかったかも。

  ウルフズ・コール3.jpg マシュー・カソヴィッツ、久し振り。
 しかしその中盤を乗り越えれば、怒涛の展開! 手に汗握る!
 説明が少なめなので序盤の作戦とかちょっとよくわからないのですが(それはあたしが国際情勢をよく知らないせい)、よくわからないからこそ「潜水艦の中では外が何も見えない」感覚がよりリアルに味わえるというか、やはりそこが潜水艦モノの神髄ではないかと。 さらに“民主主義国家の軍隊として、核を持つ抑止力”として行動する意味と覚悟を知り、ガツンと殴られたよう。
 これ、潜水艦映画の歴史を塗り替えたのでは!
 監督のアントナン・ボードリーは映画初監督、これまで外交官やグラフィックノベルの作者などをしていたらしい。 なるほど、軍事オタクに受けそうな詳細さ、マンガ的なほどよい大風呂敷具合、納得! フランス映画の新たなステージが来た!

posted by かしこん at 20:00| 兵庫 ☁| Comment(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年09月28日

日曜21時・・・もう盛り上がることはないのか・・・。

 日曜劇場『半沢直樹』、最終回。
 なにこれ、一日二日の話? 詰め込みすぎなほど詰め込み、余韻とかなかったけど(今シーズンは毎回)、芸達者の方々を観る楽しみに満ちていた。 ところどころ<コロナ禍>をイメージでストーリーに組み込んで成功したのは『MIU404』とこれでしょうか。

  半沢直樹20200927直樹.jpg 寝る時間ないよね、半沢さん。
 堺雅人が「学生演劇の(早稲田の)プリンス」と呼ばれていたことは知っていましたが、地方在住のあたしが顔と名前が一致したのは朝ドラ『オードリー』で。 「好きなタイプの役者だ!」とそれ以来追いかけてきました。 なので彼が日々役者バカとして生きてきた時期を見てきているので、「まーくん、こんなにできる人になって」と感無量です。
 『オードリー』には段田安則さんも出てました(というか英語を喋る段田さん目当てで観てた)。 見るからに悪役、悪役っぽいがいい人、いい人に見えるが実は悪役、明らかにいい人など段田さんはそれぞれを演じ分けられますが、紀本常務は「いい人なのか悪い人なのかわからない」で登場し、しばらくそれを続けてた。 裏切り者とわかった途端に卑怯さや悪辣さなどを出すようになって・・・わかってたけどどんだけうまいんだよ!、です。
 最近はいいじいさん役が続いてる感のある柄本明、久し振りに「すごみ」のあるゲスっぷりでした。
 多くは語らないけれど表情で語る中野渡頭取は、やはり東京中央銀行の良心だった。 北大路欣也っていつからこんな大御所感を出してきたのだろうか、知ってるときはもうこんな感じだったのかなぁ(『八甲田山』を見たときは「北大路欣也、若い!」と思ったよ)。
 江口のり子、白井大臣の前半と後半の違い、よかった。
 花ちゃんの「生きていればどうにかなる」が沁みました・・・(涙)。
 渡真利くんや、黒崎さんなど半沢LOVEの人たちも含め、出てきた人たち全員について言いたくなるよね! 会見をリモートで見ながら泣いている渡真利くん、愛おしい。 半沢くんが頭取になったとき、きっと渡真利くんは副頭取かもしくは頭取秘書で、ずっと彼のサポートをしていくんだろうね、って夢を見ちゃう。

  半沢直樹20200927大和田.jpg 大和田、素直に「辞めるな」と言えないのね。
 その中でも別格なのはやはり大和田暁。 「はい、1000倍」すごくよかった。 あまりにかわいくなりすぎちゃったけど、前シーズンからの確執をちゃんと引きずっていることを再確認。 いろいろ感情が爆発しすぎですが(「頭取に1000倍返しとか言うなんて」と過ぎたことにはせず半沢の言ったことをしっかり受け止めている)、すっかり“少年マンガの好敵手”みたいになってる・・・。 かわいいと言われないようにか顔が崩しまくりだった。
 でもどれほどに憎まれ口を叩こうとも、大嫌いだと言っても、人として信頼している部分は揺るがない。
 大和田さんが道を踏み外したのは奥さんのせいだとか言われてたけど・・・それはそれで複雑。 半沢ねじ社長の自殺は、大和田にとって不本意なものであっただろうな・・・。
 前シーズンラストの半沢くんのにらみ顔に対して、今シーズンのラストは笑顔。 前シーズンの回想シーンも多かったし、続編としての使命を全うした編集だった。 この先にもつながるけど、ここで終わっていいエンディング。

 みなさま、おつかれさまでした。 仕事を締め切りまでに間に合わせるってすごく大変だけど、それゆえに出るアドレナリンもある(勿論、無理しすぎないことが大前提だけど)。 どうかゆっくり休んでください。
 あぁ、来週からこの濃い芝居は見られないんだな・・・さびしいよぉ。

posted by かしこん at 03:13| 兵庫 ☔| Comment(0) | テレビ・テレビドラマ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年09月27日

2021年の手帳は、ジブン手帳!

 9月も押し迫ってきてしまった。 来年の手帳を探さなければいけない時期である。
 ほんとは何年もずっとUnited Beesのバーチカル手帳を表紙色変わりで使っていたのですが、United Beesという会社がどこかへ行ってしまい、その手帳がなくなった! 去年から、流浪の民なのです。
 まずLOFTに行って手帳売り場に行ったのですが・・・全体における週間バーチカルの種類が少ない!
 全体としてマンスリー優勢だし、ウィークリーは半分以上がレフトタイプ。 なに、みなさんスマホに予定入れるから手帳はいらないの? いつの間にバーチカルはこんなにもシェアを狭めたの?
 「まぁ、ないわけではないから、あるものから探しましょうか」と思ったのですが・・・自分の譲れないポイント、発見。

1.月間インデックスはいらない
 何故かその売り場のバーチカルはほぼ、月間インデックスがついている(月を示すところのページが引っ込んでいる)。 あたし、こういうとこ絶対ひっかけたり折り曲がったりめくれたりしてしまうし、そもそもページがえぐれているのがなんかイヤ。 手帳も本のように揃っていてほしい。
2.バーチカルのマス目に時間が勝手に振られているのがイヤ
 せめて均等に24時間表記ならまだしも、6時から22時までとか。 レイトショー行けば終わりは23時くらいなのよ! それに同じ一時間でも書くことがいっぱいあったりするときもあるし、時間は書かないでくれたほうがいいのに(フリーの方眼とかで十分です)。
3.一週間の7日間は均等に配置して
 土日を半分にして一列におさめてるやつもある。 土曜日だからこそ予定がびっしりという日もあるのだ、そこは各曜日を平等に扱ってほしい。

 以上、この3つは妥協したくないということで探すが・・・一時間近くの捜索の結果、なかった。
 後日、別のお店に出向き、<2021年手帳特設会場>で本腰を入れて探しまくる。
 そこでようやく発見したのが、これだ!
  2021ジブン手帳ミニ1.png ジブン手帳mini by KOKUYO
 B6スリムサイズ。 何タイプ・何色かあるうちから結局こういう色を選んじゃう。 なんかすごく小さく感じた。 しかもページの紙がすごく薄いので厚さも軽減(コクヨがこの手帳のために新たに開発した、薄くで丈夫な裏写りしにくくてよれにくい紙らしい)。
 肝心の中身はというと。

  2021ジブン手帳ミニ2.png バーチカル・曜日均等
 時間は振られているけど、24時間表記だからまぁいいか。
 その他いろいろリスト欄充実、フリースペースも十分。 勿論、月間インデックスはない!
 ジブン手帳、前に見たときはカラフル過ぎるかなと思ったんだけど(もっと色の違うページもある)、そこは今のあたしには許容範囲内。
 日の出・日の入りの移り変わりが書いているのはちょっと面白い。 その日の天気や自分の気分などライフログ的性格が強く、そこまで自分が使いこなせるかどうか心配だけど、ジブン手帳はもう十年のロングセラーだから、そう簡単には消えないだろう。 来年以降、手帳選びがまた楽になるはず!
 ただ問題は、お値段がちょっとお高いということ・・・(これ、消費税込で3000円弱)。
 最近増えてきた一日一ページタイプも面白いかと思ったけど、もっとお高かったし、2分冊だったのでちょっと(半年間で一冊、カバーを取り替えて使う)。
 あぁ、理想の手帳は存在しない、最終的には自分で作るしかないのか?
 でもそのエネルギーがないので、ありものを探すんですけどね(その、探す作業でぐったりエネルギーを失いました)。

posted by かしこん at 04:06| 兵庫 ☔| Comment(0) | 趣味・小物 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年09月25日

カルピス(希釈用)、青リンゴ味。

 普段自分ではあまり買うことがないのですが、いただきもののカルピス(希釈用)を飲んでみて・・・それがなくなったら、ちょっと寂しくなった。 で、いざ自分で買ってみようかと思うと・・・「カルピスってそんなお値段だったっけ?!」とスーパーでびっくりしてしまった。
 いや、今の物価ではそう高くないのであろうが、198円とか178円とかで以前買ったことがあるもんで、定価がよくわからない。
 そんなある日、ご近所のスーパーで「本日限り」でカルピス各種が228円! 最近見た中では最も安値!
 「おひとり様3本まで」と制限もある。 このタイミングで買っとけ!

  カルピス青リンゴ味は18年ぶり(希釈用として)1.jpg “旬の青りんご”味。 明らかに季節限定。
 フルーツカルピスって結構好きなんですが、当たりはずれが激しいことがあって。 パイン味や巨峰味・マスカット味は好き。 オレンジ・ミカン系もいい。 メロンはこちらの体調の加減でおいしいときといまいちに感じるときがある。 イチゴはこちらの期待を上回ることがない。 まぁ、それも結構前の印象なので、毎年のように改良が加えられているのではないかと思う。

  カルピス青リンゴ味は18年ぶり(希釈用として).jpg こんなシールが貼ってる。
 カルピスソーダで<青リンゴ味>は見たことがある気がするけど、希釈用ボトルとしては18年ぶりの復活なのか。 いったい何があったのか・・・リンゴ味はインパクトに欠けたのだろうか。
 久し振りの登場、ということで青りんご味、買ってみました。
 香りは勿論、のど越しが、ちゃんと青りんご!
 ただあたしは規定量よりもはるかに薄くつくるので(カルピス1に対して、水10以上)、評価は一般的ではないかもしれないけど。
 でも、これでしばらく楽しめそう。 ホットカルピスが飲める時期が早く来るといいな・・・。

posted by かしこん at 02:12| 兵庫 ☔| Comment(0) | ごはん・お茶の時間 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年09月24日

秋のシェフズプレート@MotherMoonCafe

 『テネット』を観た日、レイトショーの時間の前にご飯を食べようと思ってうろうろ。 「シェフズプレートが秋メニューになりました」との声に惹かれ、ハーバーランドのMotherMoonCafeへ。
 なんと自粛後の影響か、各店共通メニューになり(以前はお店ごとにメニューが違っていた)、平日はランチタイムに関係なくランチメニューが同じお値段で食べられるという。 もう19時近かったですが、おすすめのランチメニューをいただきました。 ハーバーUmieB2の飲食店としては、ランチとしてはいささかお高め故(ディナーとしてはお手頃価格になるけど)、くるお客は比較的少人数(あたしを含め一人客も目立つ)、なんとなくゆったりできます。

  20200918マザームーンカフェ1カボチャスープ.JPG パンプキンスープ・温製
 玉葱の冷製スープから温製になりました。 かぼちゃ、リアルにかぼちゃ。 あぁ、秋だなぁ、と食で実感(まだあたしの日常は暑い ‐ 涼しくないけど)。

  20200918マザームーンカフェ2秋のシェフプレート.JPG 秋のシェフズプレート
 夏のローストポークは大変おいしかったですが、今度のメインは“淡路鶏もも肉のソテー 箕面産柚子風味”。 皮がぱりぱり! 柚子がオレンジソテー的に効いています。  
 他に前菜代わりとして、“鹿児島産ヌメリスギ茸とアンチョビ、青のりのフリット”は味が少々濃い目で香ばしい。 青のりがいい!
 “神戸市西区のいちじくと生ハム 黒ごまソース”は最初黒コショウソースと勘違いしたのだが、黒練りごまでした。 イチジクは生、生ハムとのコンビネーション、合う!
 “北海道産炙り秋刀魚とカブ・りんごのマリネ”はお酢の感じが控えめで、あたし好みの味。 さんまの脂がカブとりんごのおかげですっきり食べられる。 淡路島・森農園のファーマーズサラダはナイフとフォークでバシバシ切って食べました。 お供はジンジャーライス。
 比較的ひとつひとつゆっくり味わいながら食べたためか、徐々におなかいっぱいになってきた・・・特にお米は一粒も残してはならぬと子供時代からの約束だから。
 食後に紅茶を頼んでいたので、おなかいっぱいなのについでにケーキも頼んでしまった・・・。

  20200918マザームーンカフェ3黒糖バナナケーキ.JPG だってお久し振りの沖縄黒糖バナナケーキがあったんだもの。
 すごく久し振りの注文だったので・・・お皿が来た途端、「こんな大きかったっけ?!」と驚愕、後悔しかけた。 でも大きさの割に生地は軽く、バナナ多めで小麦粉少なめ。 添えられたバニラアイスと生クリームの力を借りて、結局ぺろりといただきました。 素朴系の味は止まらない。
 映画前にこんなに満腹で大丈夫か・・・と思ったけど、『テネット』にはそんな不安はすべて杞憂であった(眠さなど生まれる隙もなかった)。 本も読みつつ、ホットの紅茶を飲んでゆっくりしてしまいました。
 ランチメニューにケーキを追加したらケーキは100円引き、映画の当日入場券・半券があると10%引きということで、よりお得感。
 おいしかったです、ありがとうございます。 接客がいいとまた行きたくなるよねぇ。

posted by かしこん at 03:51| 兵庫 ☁| Comment(0) | ごはん・お茶の時間 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年09月23日

シチリアーノ 裏切りの美学/IL TRADITORE

 マフィア物は特に好きというわけではないんだけど(年々、血で血を洗う感じがしんどくなってきて)、予告で主役がピエルフランチェスコ・ファヴィーノじゃないかと気づいて。 よく知らないんだけど、なんだか好きな俳優さんなのです。

  シチリアーノ裏切りの美学P.jpg 真のプライド。そのために男は命を賭けた――
 1980年代、シチリアではマフィアの全面戦争が激化していた。 パレルモ派の大物トンマーゾ・ブシェッタ(ピエルフランチェスコ・ファヴィーノ)は派閥争いの仲介に失敗したためブラジルに居を移して一見静かな生活を送っていた。 が、対立するコルレオーネ派はイタリア国内にいるブシェッタの親族や仲間に報復を繰り返し、ブシェッタ本人もブラジル政府に拘束・拷問の上イタリア政府に引き渡されることに。 マフィア撲滅を目指しているファルコーネ判事(ファウスト・ルッソ・アレジ)との会話に心打たれたブシェッタは、犯罪組織“コーザ・ノストラ”について語る・・・という話。
 現実に起きた出来事・実在の人物を基にしているため、そしてイタリア本国では有名な事件なのでしょう、説明がほとんどない。 字幕で名前と立場など出てくるけど、再登場の際まで覚えてはいられない。 なのに最後まで「?」に支配されることなく見入ってしまう。 なんだろう、勢い? 絵力? ゴージャスさがあるのよね、全体に。

  シチリアーノ裏切りの美学2.jpg ブシェッタ一族のパーティー。
 華やかな場面の裏で殺し合いは進む。 画面左下に数字がどんどんカウントアップされていき、「この数字はなんだ?」と思ったところで、殺された人が何人目の犠牲者なのかわかる、という。 殺された人の字幕が出るところは『仁義なき戦い』みたいです。
 鏡工場(?)で襲撃したりと残酷だけじゃなく鮮烈。 いや、だから余計に残虐なのかな。 R15+も納得。 ブラジル政府、マジか!、など、いろんな意味で唖然とする。

  シチリアーノ裏切りの美学1.jpg ファルコーネ判事が唯一の良心。
 ブシェッタとファルコーネ判事、二人のシーンはそんなに多くないですが、それ故に印象深くて。 ブシェッタが心を開く気持ち、わかる〜。 うーむ、これはほぼ出ずっぱりのピエルフランチェスコ・ファヴィーノが好きだから甘い評価になってしまっているのだろうか。 いや、イタリアの巨匠マルコ・ベロッキオ監督もきっとブシェッタ本人に魅力を感じたからに違いない。 それにしてもシチリアンマフィアって怖すぎる〜。
 そしてファルコーネ判事への悲劇に至って、「これって、パオロ・ソレンティーノ監督の『イル・ディーヴォ 魔王と呼ばれた男』と同じ事件か!」と気づいた・・・そっちはマフィアを利用していた政治家がメインだけど、抗争は一緒。 だからわからないなりにもついていけたのかな?

  シチリアーノ裏切りの美学3.jpg 「精神病院」と呼ばれた法廷。
 ピエルフランチェスコ・ファヴィーノが石原裕次郎のように見えました・・・(『太陽にほえろ』のボス的な)。
 ガラスケースに入るブシェッタ、彼を「裏切者(原題“IL TRADITORE”)」とののしる大勢の構成員たち。 裁判長もあっけにとられるヤジ合戦だけど、それが成立しちゃう法廷ってなんなの・・・80年代おそるべし。
 カット割りも多く、時間も行ったり来たりするし、説明不足極まれりなんだけど、なんか美しさがある。 2時間半もあるというのに2時間以上あるような気がしなかった!
 誕生日パーティーでカラオケを歌うブシェッタ、やたら歌がうまい(ピエルフランチェスコ・ファヴィーノも、ブシェッタ本人の映像でも)。 実際はもっといろいろあって、ブシェッタ側のより都合の悪いことは隠されてたりするんだろうけど、「ある勢力を終わらせる覚悟を持った人物」の姿を描こうとしたのだろう。

posted by かしこん at 01:29| 兵庫 ☁| Comment(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年09月22日

頭が重い・・・台風の影響か

 昨日(21日)の夕方ぐらいから、不意に頭が重くなった。
 眠い、というのとは少し違い、頭が痛いともちょっと違う・・・こりゃダメだ、としばし横になる。
 眠れたら楽になるのであるが、半分起きて半分寝ているような状態でぼやっとし・・・「あ、なんか起きて動けるかも」と感じて枕元のケータイを見たら19:50であった。 あれ、3時間ぐらいたってた?
 夜も珍しく早めに眠くなり、そうかと思うと今朝は全然起きれない。 目は覚めているけど頭が重くて、夢を繰り返し見ているような感じで、またしても半分寝て半分起きている状態。 休みの日でよかったよ・・・。

  20200922台風情報.png わー、台風、ルート東に動いてるじゃん。
 9月のはじめぐらいもこんな頭の重さ、あったなぁ。
 気圧の変化に影響を受ける体質です。 台風が近づいてくると大丈夫なんだけど、何故か遠くで発生したあたりがヤバい。
 明日、仕事だけど起きれるかな・・・まぁ休みだから気が抜けていて、余計起きれてない可能性がある。 4連休で各地にぎやかなようですが、あたしは引きこもっております。


posted by かしこん at 16:13| 兵庫 ☁| Comment(0) | 体調 好不調の波 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年09月21日

大盛り上がりの日曜21時

 ストーリー展開よりもむしろ役者のみなさんの濃い芝居が観たくて仕方がない『半沢直樹』ですが、先週の予告画像にはどよめきました。

  半沢直樹202009202ショット画像アップ.jpg なんで2ショット?
 予告でネタバレさせないためのコラ画像であろうか? それにしては狙いすぎでは。 表情は半沢と大和田だけど、そのサムズアップは?
 というわけでテレビ前に待機、20:58にはチャンネルを合わせた(それまではWOWOWで、『大杉探偵事務所』を観ていました。 WOWOWはここのところ毎週日曜夜には香川照之出演ドラマを放送している・・・狙ってるのか)。
 もう、詰め込みすぎで本編が一部ダイジェストみたいになってるけど(先週の第8話が特にそうだった)、使われてないシーンがいっぱいあるんだろうな・・・。

  半沢直樹202009202ショット画像.jpg で、例のスマホ画像ですが。
 そんな“自撮り”ですか?! さらっと流れるようにされたんでびっくりですよ。
 大和田の「絶対何も云うなよ!」に「はいはい」とばかりに無言で頷くとか、半沢も遊びの部分が後半増えてきてるよなぁ。 ニヤニヤ。 そしてシーズン2である強みを生かしてなのか、シーズン1でやった設定・場面・台詞がちょっと変えて繰り返されるのがマニア心をくすぐりますね。

  半沢直樹20200920帰ってきた黒崎.jpg まさか、先週あんなにカッコよく去った黒崎さんがすぐ再登場するとは。 出るとしたら最終回かと思ってました。
 いくら2013年設定とはいえ(今シーズンは前作の半年後から開始という設定のはず)、黒崎さんの“鷲掴み”はセクハラ&パワハラじゃないかなぁと気になっていたのですが、それでのちのち重要な証言を引き出すから失くすわけにはいかなかったのか・・・と微妙に納得(でも納得してはいけないなぁという気持ちもある)。
 そんな違和感に比べれば、大和田&半沢の親亀子亀土下座未遂など大したことはない(当たり前に受け入れられる)。
 あぁ、こんな濃い芝居も次回で見納めか・・・。
 ロスになるわ。 23時からのNHK総合『アンという名の少女』もすごくいいけど、違う世界だからなー。

posted by かしこん at 15:43| 兵庫 ☔| Comment(0) | テレビ・テレビドラマ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年09月20日

今日は4冊(2020年9月20日時点)。

 もう次のカリン・スローターが出たー。

  グッド・ドーター1 カリン・スローター.jpgグッド・ドーター2 カリン・スローター.jpg グッド・ドーター/カリン・スローター
 単独作品。 <ウィル・トレントもの>ではない、だからこそのこのペースというか(『破滅のループ』が出たの6月ですよ)。
 “GOOD DAUGHTER=よき娘”、母と娘の関係をいろいろと描いてきたカリン・スローターが直球のタイトルで出してくるのだから相当な何かではないか(あらすじだと父親と姉と自分という感じだけど)。
 「映像化決定」ということだけど、連ドラかな。 実現するといいけど。

  作家の秘められた人生 ギョーム・ミュッソ.jpg 作家の秘められた人生/ギヨーム・ミュッソ
 『ブルックリンの少女』の作者の新作。 「現在フランスで最も売れている作家」だそうで・・・ピエール・ルメートルは抜かされたのか?

  ランド11 山下和美.jpg ランド 11/山下和美
 電子版にするか悩みましたが、「そろそろ終わりそうだし、どうせなら全部紙で」と思っていたところ、最終巻でした。
 杏とアンが一緒に、微笑んでいる表紙で、よかった。

ラベル:新刊 マンガ
posted by かしこん at 18:24| 兵庫 ☁| Comment(0) | ☆ 買っちゃいました | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年09月19日

TENET テネット/TENET

 クリストファー・ノーラン最新作『テネット』、初日レイトショーに行ってきました!
 ミント神戸とハーバーランドの両方で公開、時間も一緒なので前日深夜の予約数が少ないハーバーランドのほうに行くことに。
 久し振りのシネコン(最近シネ・リーブル神戸ばっかりだった)、人がいっぱい(しかも若者がたくさん)いることにちょっと目頭が熱くなったよ。 みんな『テネット』なのか、すごいなと思っていたら、『劇場版ヴァイオレット・エヴァーガーデン』の人でした。 OSシネマズオリジナルのトートバッグを買おうかと考えていたのだけれど、グッズ売り場の混雑に断念・・・。
 でも『テネット』も△になるくらいに観客は入っていたのです。 またOSシネマズは19日以降も一席あけ販売を継続予定とのこと。

  テネットP2.jpg ミッション <時間>から脱出せよ。

 あらすじは何も言えない。
 『インセプション』より難解だという噂は聞こえたのでちょっと身構えてたけれど、開始3分以内で世界に引きずり込まれた。
 これは映画館で観ないとダメなヤツ。 映像はもちろんのこと、音がヤバい。 効果音なのか音楽なのか、心臓の音なのかわからないくらい。

  テネット1.jpg ほぼアナログ撮影のスペクタクルシーン。
 「どうやって撮ったんだ」というのはノーラン映画の共通認識ですが・・・『インセプション』・『インターステラー』を上回る、むしろ集大成的な出来映え。 さらに「これ、COVID-19流行前に撮影できてよかったですね」とつい思ってしまう(感慨深くなる)シーンも多々。 しかも酸素呼吸器をつけている→口元が見えない→マスクを着けている、という劇中世界から日常へのヤバいリンク。

  テネット2.jpg いいスーツ。 イギリス人、ブルックス・ブラザーズを論外扱い・・・。
 ジョン・デヴィッド・ワシントンは『ブラック・クランズマン』で初めて知ったけど、時折にじみ出るコミカル感は彼独特のものらしい。 それまでどうしてたのかと思ったらプロのアメフト選手だったらしい。 そういえばデンゼル・ワシントンの息子はスポーツ選手だと聞いたことがあったような。

  テネット3.jpg ロバート・パティンソン、すごくよかった!
 予告の印象で「こういう役なんだろうな」と思った通りの方向の、でもそれ以上の役だった! 『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』でセドリックとして見たときの衝撃を思い出しました。
 ノーラン作品といえばマイケル・ケイン、彼が出てくるとなんかニヤリとしてしまう。
 他にも『イエスタデイ』の主役の人とか見たことある人が続出。 「あぁ、この人、明らかに見おぼえあるのに誰かわからない!」のはアーロン・テイラー=ジョンソンでした・・・だって年上感が出てたから。

  テネット4.jpg ケネス・ブラナー、特別出演枠かと思ってたら、めっちゃ重要な役だったんだけど!
 いろんな意味で驚愕する場面、多々。
 場面が切り替わるときの間は「大体これくらい」という慣例よりもかなり早めに。 だからどんどん前のめりになり、カットが速い分、次のシーンまでに起こっているであろう予測を含めてスキップする感じがこれまでにないつくりか。 省略されるのではなくて、時間が早回しで進んでいるような。 だから“逆行”のインパクトがすごいのか。
 SFとスペクタクルな映像がウリだけど、実は本格ミステリ ‐ パズラーなのがすごくうれしい。 「そういうことですよね!」とかなり早めにわかりましたが、何故そうなるのか論理的に説明しきれない・・・結論に飛びつきすぎて手掛かりをいくつか見失ってる? それとも直接描かれてないのか? でもあれはあの人だってわかってたんだよ!
 確認のためもう一回観に行かねばならんかも。 でもこの体験をもう一度するのはしんどいかも。
 映画館を出てからも、ものすごい高揚感で帰り道を辿った。 「『テネット』、ヤバい」とみんなに言わなければ。

posted by かしこん at 18:47| 兵庫 ☀| Comment(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年09月17日

はっ、ジョン・ノーブル!

 火曜日から、WOWOWで『ロード・オブ・ザ・リング』三部作のエクステンデッド版(しかも吹替版)が放送されていて・・・初放送ではないのだが、エクステンデッド版三部作のDVD‐BOXセットを持っているため、「いつでも観れるや〜」と見ていなかったのです。 今回はたまたま、帰ってきてテレビをつけたら(基本、居間のテレビはだいたいWOWOWプライムになっていることが多い)、一作目『旅の仲間』のもう後半だったので、なんとなく見てしまい。
 そうなると、『二つの塔』・『王の帰還』だって観たくなってしまうのが人情じゃないですか。 オンタイムに観るのが難しそうだったので、WOWOWメンバーズオンデマンドの配信で観てしまいました。
 そして気づいた。
 「ゴンドール王デネソールU世って、ジョン・ノーブル(ジョン・ノブル?)じゃないか!」と。
 ゴンドール王とは、ボロミアとファラミアの父のことであります。

  ジョン・ノーブル1.jpg 向かって左端の人。
 あぁ、だからドラマ『フリンジ』で彼を見たとき、「どこかで見たことがある人だと思うんだけど・・・」と感じたわけだ。 ベテランぽいからどこか別の映画やドラマなどできっと見てるんだろうなぁ、でも人の顔を覚えるのが苦手なあたしが「見覚えがある」ということは、結構繰り返し見ている・インパクトのある役なのではないだろうか、という気がしていたのだ・・・(しかし、『フリンジ』のときは思い出せなかった、吹替もその後はだいたい菅生隆之さんだったし)。

  ジョン・ノーブル2.jpg この人がジョン・ノーブル!
 特に『王の帰還』で出番多し! あんだけいろいろゴネたキャラだもの、印象に残るはずよね・・・。
 すみません、気づいていませんでした。
 そういうこともあるから、前に観たことがある映画でも、時間へ経てから改めて観ることって大事だわ・・・と実感。

 ちなみにこちらが『フリンジ』の彼。
  ジョン・ノーブル フリンジ.jpg 浮世離れ系科学者。

 こっちは『エレメンタリー ホームズ&ワトソンinNY』。
  ジョン・ノーブル エレメンタリー.jpg シャーロックの父親でした。

posted by かしこん at 23:59| 兵庫 ☔| Comment(0) | 日記のようなもの | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年09月16日

幸せへのまわり道/A BEAUTIFUL DAY IN THE NEIGHBORHOOD

 トム・ハンクスがアカデミー賞助演男優賞にノミネートされた作品、何故か日本では地味な規模で公開・・・。
 マシュー・リスはドラマ『ブラザーズ&シスターズ』で全シーズン(6年ぐらい?)おつきあい、その後イギリスのワイン番組のレギュラーで出たのも2シーズン観てまして、個人的に親しみを感じている役者さんです。

  幸せへのまわり道P.jpg これは、実話に基づいた物語。ひとつの出会いが奇跡を呼び起こす。

 1995年。 ロイド・ヴォーゲル(マシュー・リス)はこれまで記者としていくつも大きなネタをものにしてきたが、気遣いのない取材はかなり反感も生んでいた。 8年前に結婚した妻との間に息子が最近生まれたばかり。 姉の結婚式に出向いたロイドは、そこで長いこと絶縁してきた父親のジェリー(クリス・クーパー)に会ってしまう。 母親と自分たち姉弟を捨てた(その後、母親は病死)ジェリーに対する怒りと憎しみが抑えられないロイド。
 その後、雑誌『エスクァイア』の依頼で、こども番組の司会者としてアメリカ中の人気者であるフレッド・ロジャース(トム・ハンクス)の取材でピッツバーグへ出発する。 フレッドは一筋縄ではいかない不可解な人物で、フレッドのほうもロイドが何か家族の問題を抱えていることに気づく・・・という話。
 フレッド・ロジャースは多くの人に知られた実在の人物ということで、似せにいってるんだろうなぁという気はしたけどご本人を知らないのでなんとも。 こども番組の人気者・・・日本でいうところの“のっぽさん”的な感じ?

  幸せへのまわり道3.jpg 人形はもうひとりの自分。
 フレッド・ロジャースは25年後の今の視点から観てもポリコレ的に正しい言葉を使う人で、それは相手を気遣うからこそ言葉を選ぶ。 無意識にも傷つけぬように。 不特定多数の子供を意識しているからこそ、固定概念や偏見を持ってほしくないという気持ち。 だから子供たちに、かつての子供たちにも好かれ、彼が歌う番組のオープニングテーマは広い世代に愛されているのだろう。
 しかし“聖人”と呼ばれるような人は昔からそうだったわけはなく・・・言葉に尽くせないほどの努力があったのだろうな、と思うと気が遠くなる。 そんな、過去にいろいろありそうな感じをトム・ハンクスが体現。 これまでのどの役とも似てないよ。

  幸せへのまわり道4.jpg クリス・クーパー、なんか雰囲気違ってない?
 詫びを入れに来たけど素直に謝れない父親・・・最初、クリス・クーパーだとわからなくて(ジェフ・ペリー ‐ 『スキャンダル隠された秘密』のサイラス・ビーン役の人かと)。 いや、でもサイラスじゃないなぁ、ハーヴェイ・カイテルっぽく寄せてるの?、とかいろいろ考えてしまい、クリス・クーパーだとわかった時の驚きと言ったら! 単にあたしがぼやっとしているだけなんですが、役者ってすごいわとあらためて感じてしまう。

  幸せへのまわり道1.jpg インタビューが終わっても、ロイドに会いに来るフレッド。
 見方によってはロイドはすごくイヤなヤツなんだけど、父親への怒りが燻ぶって今でもうまく処理できていないことが早い段階でわかるから、彼の子供じみた態度を「わかる」と思ってしまう。 だから慎重なフレッドの言葉を、「心の内を見せない」と感じていらだつ気持ちもわかる。 でもそうじゃないんだよ。 フレッドはロイドを思うから交流を断たないんだし。

  幸せへのまわり道2.jpg 父親の自覚。
 結果だけ見れば「いい話」。 ロイドはフレッドとの関わりを通じてかつての自分を見つめ、受け入れ、父親を許そうとする。 そして自らが父親として生きることを自覚し、行動が変わっていく。 息子を自分のようにしないために。 でもそんなロイドの心の過程がしっかり表現されているため、見ているあたしはものすごく苦しかった。 許すのは相手のためではなく自分のためなんだけど、そんなに早く受け入れないといけないんですか。
 いい話なのに・・・個人的に、結構メンタルに来てしまった。 マシュー・リスって家族に問題がある役が似合うというかうまいから。 漠然とした“ありがち邦題”だけど、これはなかなか忘れられない一本。
 子供番組の背景で使う<おもちゃのまち>の出来が素晴らしく、映画的にもとてもいい効果。 だからメタ要素も普通に理解できちゃうのかなぁ。

posted by かしこん at 15:14| 兵庫 ☁| Comment(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年09月15日

その裁きは死/アンソニー・ホロヴィッツ

 ヤバい、読んじゃった。
 もうちょっと味わって読むつもりだったのに・・・ヘニング・マンケル『苦悩する男』を読み終わりたくなくて間に挟んでしまったのだけれど、こっちはこっちで盛り上がってしまったのよ。 ブレーキをかけていたけど、450ページほどを2日かからず。

  その裁きは死 アンソニー・ホロヴィッツ.jpg “THE SENTENCE IS DEATH”:sentenceは「文の一節」と「宣告する」のダブルミーニング。
 自分が脚本を書いているドラマ『刑事フォイル』の撮影現場にいる“わたし”(アンソニー・ホロヴィッツ)のもとに、元刑事の私立探偵ホーンソーンが新たな事件を持ってやってきた。 前作『メインテーマは殺人』でひどい目に遭った“わたし”としては、もうホーンソーンと組むのはお断りだと思っていたのだが、実直さが評判の離婚専門弁護士が殺害された現場に連れていかれて不可解な状況を目にしてしまったら、“わたし”の好奇心に火がついた。 不親切で失礼極まるホーンソーンの態度に業を煮やしながらも、真相を求めて先に進む。

 “わたし”の日常の中に突然ホーンソーンが現れて事件に引っ張り込む、という導入部は一緒。 でも二作目なので“わたし”も読者もホーンソーンのことを知っているから、時間に引っ張り込まれる流れもスムーズ。 お互いすでにある程度知り合いだから、ホーンソーンとホロヴィッツとの会話も前より進みやすい。 ホロヴィッツのホーンソーンに対する気持ちというか、二人の間にうっすら<相棒意識>が、信頼関係がある。 だから二人の会話や流れが、一作目よりずっとテンポが上がっているのでぐんぐん読んでしまったのだ。 事件がどうでも、ホロヴィッツの語り口が魅力的でもっと読んでいたいと思う。
 しかし中身も前作同様、<本格推理>である。 今回、珍しくあたしは伏線や手掛かりに結構気づけて犯人を割と早い段階に特定できましたが、だからって面白くなかったことはまったくない。 こちらの予想を軽々と超える展開を用意してくれているので。
 さらに、ホロヴィッツが「ホーンソーンのことを知りたい」とあの手この手でがんばりつつも空回りしちゃうところがすごくいいんですよ! これもブロマンスですか?(→ 明らかに違うけど)。 シリーズが進むにつれ、ホーンソーンの何かがちょっとづつわかっていくのでしょうが、わからないうちはシリーズが続くということでもあるので、あまりすぐはっきりさせてほしくないなぁ。
 アルコールを全く飲まないホーンソーンが、訪ねてきたホロヴィッツにラム&コークを出すところ。 それを飲みながら「砂糖に砂糖を加えたようなもの」(ラムはサトウキビからつくられた蒸留酒、コークは本物なので糖分いっぱい入ってる)と甘さにげんなりするホロヴィッツの姿に、「この二人がわかり合えることはまだ先だ」と感じてしまいました。

ラベル:海外ミステリ
posted by かしこん at 02:50| 兵庫 ☁| Comment(0) | ☆ 読んじゃいました | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年09月13日

キリング・イヴ 第3シーズン、一気見

 WOWOWでの放送は少し前に終わったのだが、リアル視聴せずに録画していたので、全8話をまたしても一気に見る。 8話ぐらいってちょうどいい量なのかなぁ。

  キリング・イヴS3−1.jpg Season3
 今回は暗殺者ヴィラネル(ジョディ・カマー)のルーツに迫る方向に。 Season2のあと、傷心(?)のヴィラネルは結婚式を挙げようとしており、イヴ(サンドラ・オー)はMI6を辞めて韓国料理店で働く毎日・・・というスタート。
 マジか、という展開にまたしてもなり、レギュラー陣だとつい感情移入してしまったりするんだけど、この登場人物たちは誰一人信用できないんだったということを思い出させてもらう。 そして重要人物だと思っていた人がいきなり死ぬ衝撃(かと思うと死にそうで死ななかったり)。

  キリング・イヴS3−3.jpg 濃い新キャラ、ヴィラネルの師匠ダーシャ(ハリエット・ウォルター)。
 旧ソ連時代の体操選手で暗殺者という東西冷戦時代を強烈に印象付ける人物で、ある意味シーズン3の主役だった。 吹替担当が田中真弓なんですよ・・・それも素晴らしかった。 今シーズンも吹替版、充実してます。
 裏の組織“トゥウェルブ”の形も見えてくるけれど・・・まだまだ謎はたっぷりある。 でもそんな謎はどうでもいいのかも、イヴとヴィラネルの行き先を知り合いだけなのかも。

  キリング・イヴS3−2.jpg ニコ!
 いい人担当だったイヴの元夫ニコ(オーウェン・マクドネル)が引き続き登場してくれますが、もうただのいい人ではいられなくて・・・彼はこれがもう最後になるのだろうか、せつない。
 コメディ要素はシニカルな方向により強くなり、移動する範囲もより広くなり(ロケ地もどんどん増えている)、色彩も増えた。 途中まで裏切られる方向に進んでいって胸が悪くなるのに、何故か最終話ではいい方向にまとまりを見せる不思議。 なんだかんだ言いつつ登場人物たちに愛着を持ってしまっているのか。
 このまま終わってもいいかのようなラストシーン(シーズン2のようなクリフハンガーではない)。 でもシーズン4の放送決定だそうです。

ラベル:ドラマ
posted by かしこん at 19:10| 兵庫 ☁| Comment(0) | WOWOW・CATV | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする